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小説練習スレッド<10000>

1 :名無し娘。 : 2000/12/19(火) 13:18 ID:lnq5wWI.
とりあえず、気が向いたときに好きなだけ書くってことで。

2 :名無し娘。 : 2000/12/19(火) 13:19 ID:lnq5wWI.
じゃ、また後で。

3 :名無し娘。 : 2000/12/19(火) 13:20 ID:lnq5wWI.
沈むかな?

4 :名無し娘。 : 2000/12/19(火) 13:20 ID:W2c/nqzA
あgt

5 :名無し娘。 : 2000/12/19(火) 13:21 ID:lnq5wWI.
ミカも出してあげてね。

6 :名無し娘。 : 2000/12/19(火) 13:21 ID:lnq5wWI.
うーむ。teriはやっぱダメかー。

7 :名無し娘。 : 2000/12/19(火) 13:23 ID:lnq5wWI.
まぁ気にしませんが。

8 :名無し娘。 : 2000/12/20(水) 13:11 ID:VDEQMT8.
「俺の名前を言ってみろ!」
鉄火面を被った男がそう叫ぶと、そのそばにいた男性の頭から血が噴き出し、倒れた。


9 :始まりです。 : 2000/12/21(木) 13:06 ID:nAYfs/K2
ネットの無法者どものキチガイ沙汰は止まるところを知らず、
終には現実世界にまで悪い影響を及ぼし始めた。無論、自身も
例外では無かったのだが。そしてこれは単なる下書きの続き。

10 :保田 : 2000/12/21(木) 13:08 ID:nAYfs/K2

 糞長い糞ったれミーティングがようやく終わった――
 午後六時四十五分
 保田圭は時計代わりの携帯電話をバッグにしまいながら、愛車ミラが待つ駐車場へ駆け足で向かっていた。
「圭織、まだ待ってくれてるかなぁ」
 約束の時間を既に三十分以上オーバーしていた。
”待ってるかもしれないけど、確実に怒ってるだろうな……“
 約束ごとを破られて怒り心頭の飯田を宥めるのは並大抵の事ではない。保田はそれを思い知らされた出来事を振り返りながら、思わず溜息を漏らした。
 スタジオの長い廊下を抜け、駐車場に通じる裏口を出ようとした瞬間、目の前に人影が立ち塞がった。
「……邪魔なんだけど」
 苛立った保田が硬い声で言う。薄暗がりの中に立つ影は、それでも動く気配が無かった。

11 :保田 : 2000/12/21(木) 13:12 ID:nAYfs/K2

 最初、出待ちのファンかと思ったその人影は、よく見ると細身の若い女だった。
 女はじろじろと保田の顔を見ると、
「あら? なんだ、保田かぁ。暗くて分かんなかった。あんたに用は無いよ」
 と、声に落胆を滲ませながら言った。
 保田にとって完全に初対面の人間だ。だが、その顔に見覚えが有った。確か、ついさっきマネージャーから配られた危険人物リストに載っていたうちの一人だ。
「あんたさぁ、最近、圭織をつけまわしてる奴じゃないの?」
 牽制のつもりで女に問いかける。

12 :保田 : 2000/12/21(木) 13:13 ID:nAYfs/K2

「だったら?」
 薄暗がりの中でそいつの口元が微かに吊り上がるのが判った。開き直る、といった風でもない。女は明らかに保田を挑発していた。
”なるほど、こいつぁ確かにアブナイわ……。これから圭織と会うのに、尾行られでもしたら厄介だね……さて“
 保田はジーンズの後ろポケットからマイルドセブン・スーパーライトの箱を取り出した。
 底を親指で弾くと二本、綺麗に揃った煙草が飛び出す。うち一本を口に咥える。一拍間を置いて、その手前で左右の掌を激しく打ち合わせると、しゅぼ、と篭った音と共に穂先に火が点いた。
「一本どう?」
 言うと同時に紫煙棚引くそれを、一直線に女の顔、それも目をめがけて右人差し指で弾き飛ばす。
 更に極力上体を前傾させながら女の足元にダッシュを仕掛けた。

13 :: 2000/12/21(木) 14:02 ID:nAYfs/K2

 豪奢なシャンデリアが煌煌と照らす室内。そこは、机、椅子、本棚、絨毯、壁紙、等々、部屋を構成する全ての部品が赤を基調に統一されていた。
 その中央に据え置かれた朱塗りの籐椅子に、年の頃十歳を超えるか超えないかの少女が、後ろ手に縛られ座らされていた。
 だが、整った顔立ちは無残な扱いに曇る事もなく、切れ長の目端に涙が滲む様子も無かった。軽く閉じられた口元からは、規則正しい寝息さえ漏れ聞こえる。
「辻ちゃんおはよう!」
 状況に相応しくない妙に明るい声と共に、椅子の正面にあたる扉が勢い良く開かれ、派手なガウンを羽織った痩せぎすの男が姿を現した。
「あぁぁ本物だよ。なんてかわいいらしいんだぁあ」

14 :: 2000/12/21(木) 14:05 ID:nAYfs/K2

 感極まったかのような、奇妙な抑揚をともなった叫び声が広い室内に響く。
「普段役立たずの使用人どもにしては最高の仕事ぶりだったなぁ。うんうん。ボーナスを奮発しないとね!」
 椅子の前に膝をつき、男は荒い息のまま少女に手を伸ばす。
 男の心臓は歓喜の余り、通常の倍の心拍数を稼ぎ出していた。
「僕の天使……」
 淫猥な動きを見せる指先が少女の膝に触れようとした、その時だった。
 すぱっ、という小気味良い音が鳴り、這い寄る手を鋭い一撃が払い除けた。
「触らないでいただけますか」
 いつの間にか縛めは解かれ、少女の小さな手は自由を掴み取っていた。

15 :: 2000/12/21(木) 14:06 ID:nAYfs/K2

 辻と呼ばれた少女は、男を凍るような冷たい目で見下しながら淡々と告げた。
「貴様ごとき汚らわしい輩の手で」
 男は自分の指が奇妙な方向に圧し折られているのを呆然と眺めていた。
「私に触れようなどと」
 その顔に体重の乗った蹴りが撃ち込まれる。顔にめり込んだ靴と肉の隙間に、どす黒い血が溢れ出る。
「二度と思わない事ですね」
 衝撃で後ろへ倒れ込む男に、更に延髄への重い一撃が加えられた。日頃陽の光をろくに浴びない脆弱な身体がそれに耐えられるはずも無く、男は跪いた姿勢のまま気絶した。

16 :: 2000/12/21(木) 14:08 ID:nAYfs/K2

 少女は男のガウンの襟首を掴むと、その耳元に顔を寄せて囁くように言った。
「貴様は永遠に私の下僕。その財産も人脈も含めてね」
 扉の外が俄に騒がしくなった。主人の異常を察した屋敷の使用人達が、この部屋に駆けつけようとしているのだろう。
「朝の運動には、少し足らないと思ってたんですよ」
 少女は気を失ったままの屋敷の主人を、無造作に床に放り出した。
「私の名の通り、のぞみが叶った素敵な朝にしてはね」
 目を細めてうっそりと笑う少女は、その幼さに似つかわしくない凄絶な色気を匂わせていた。

17 :     : 2000/12/21(木) 17:29 ID:nAYfs/K2

 ここに一人の男が居た。
 彼の名を仮にAとしよう。彼は掲示板に無関係な文章を連続して貼り付ける、所謂コピペ荒らしという類の人種だ。
 インターネットへのアクセスは、彼が通う大学の研究室の端末を使用している。常時接続環境、しかも大容量回線を思う存分使える。彼のような愉快犯には願っても無い環境を手にしていた。
 貼り付ける文章の吟味など必要無い。ただ、自分が気に食わないスレッドに自分でさえ不快感を覚える文章を自分の手で貼り付ける。ただそれだけだ。その用途に特化したツールも有る。
 今夜のターゲットを、ブラウザのリロードを繰り返しながら捜す。
「有った」
 獲物を見つけたAの目が猛禽類さながらに光る。興奮を抑えながら、PCの前で両手指をわきわきと言わせる彼流の準備運動らしき物を繰り返す。

18 :     : 2000/12/21(木) 17:32 ID:nAYfs/K2

「厨房どもが……思い知るがいい……モー板の王は俺だ……」
 遂に用意が整ったのだろう。Aがマウスに手を伸ばし、今正に、駄文を貼り付けんとしたその時だった。
 静かで、それでいて、感傷的な響きを持つヴァイオリンの調べが、どこからともなく聞こえてきた。
『タイースの瞑想曲』
 マスネの名曲が、心を病んだAの耳を苛んでいた。
「だ、誰か居るのか? あぁおい!!」
 だが返事は無い。
”深夜の研究室に他人が紛れ込んで今まで気が付かない筈が無い! 誰かがセットしたアラーム代わりのMP3が鳴っているのか? くそッ! どう言うことだ?“
 Aは額に汗を浮かべながら、さっきまでの高揚感など、とうに吹き飛んでしまった頭に必死で考えを巡らせた。

19 :     : 2000/12/21(木) 17:34 ID:nAYfs/K2

 突然、室内の照明が全て消された。更にモニターが、ぶん、という音とともに待機状態に入った。真っ暗な画面に、OSDメニューだけが明滅している。
”スリープ・モードへの移行は、無操作が長時間続いた場合だけの筈だ“
 PCの異常はAにとって先ほどから起こっている奇妙な現象の一つにしか思えなかった。
 合理的な解釈を求め、縋るような気持ちで覗き込んだ暗いモニターに、恐怖で歪んだ自分の顔が映っている。そして、出来れば気が付きたくなかった最悪の事態が待っていた。
 Aの顔の右脇に何者かの白い人影が映っていた。
「誰だ?!」
 Aは、椅子の上部を回してそちらに向き直った。が、勢いをつけ過ぎた為、キャスターが前方に滑り出してしまった。転倒を避けるために慌てて両肘を机の上につく。

20 :     : 2000/12/21(木) 17:37 ID:nAYfs/K2

「君のような名前も付かない登場人物に名乗る名なんて無いよ」
 呆然とした面持ちのA。その前に在る闇に、上半身だけの人影がぼーっと浮かび上がる。その容貌は判然としないが、発せられたのは若い女の声だった。Aが状況を把握する間も無く、容赦無い言葉が続く。
「狼 彼の処遇について意見は?」
 その問いに、低い男性的な響きの声が応える。
「思想を伴わない荒らし行為に対しては、厳正なる処分が妥当」
「残2さ 君はどうだ?」
 もう一つ、冷厳な印象の女の声が応える。
「仮に処罰を受け一時的に更正したとしても再犯の可能性が高い。結論としては極刑」
「そうかそうか。二人ともありがとう」
 闇の中、白い影が、見えない他の二人が出した結論に満足気に頷くのが朧に見てとれた。判決が下される。
「ではA君、きみに永遠に醒めない夢を見せてあげよう」

21 :名無し娘。 : 2000/12/22(金) 00:20 ID:GKCvuqoQ
面白い

22 :使者 : 2000/12/22(金) 12:17 ID:pYySfgEw

 排気口部にサイレンサーを装備した特殊仕様ヘリ、アエロスパシアル・AS332Lシュペルピューマが、夜の東京上空を静かに進行していた。つや消しブラックにコーティングされた全長16.25mの機体は、余程注意深い人間でないと地上から視認することは不可能だろう。
 防弾処理されたサイド・シールドはスモークがかけられ、乗員の姿を外部から完全に隠していた。乾いたローター音とチュルボメカ・マキラ1A1が奏でるエンジン音が支配するキャビンに、二人の男が対座していた。
 黒いスーツに身を固め、がっしりとした体躯の男は腕を組み、装着したヘッドセットから伝わる通信に耳を傾けていた。一方の男は対照的な白のスーツに痩身を包み、両手を組んで膝の上に置きながら口元に軽く笑みを浮かべていた。
 ヘリが上昇して以来続いていた沈黙は、場の空気をどうしようもなく重くしていた。二人の互いの腹を探り合うような視線が空中で何度も衝突する。

23 :使者 : 2000/12/22(金) 12:19 ID:pYySfgEw

 やがて、痺れを切らした黒スーツの男が口を開いた。
「西村、私をこんな場所に呼び出した訳を、そろそろ知りたいのだが……」
 キャビン内に残響音を含んだ重々しい声が流れる。
 西村と呼ばれた男が、特徴的な分厚い唇をおもむろに開く。
「全てをご承知の上で、私の不躾な招待に応じて頂いたと思っていたのですが?」
 人を小馬鹿にしていると取れなくも無い、非常に軽い感じの声だ。
 しかし、その語尾を打ち消すように、冷徹な声が被される。
「何でもかんでも相手が察してくれる、といった勘違いは即刻止めて欲しいものだな。年末進行で俺も本業の方が忙しい。さっさと事情説明を始めてくれ。事務的にな」
 白スーツの男は両手を挙げ、肩を竦めるジェスチャーをしながら、
「これから向かう場所で全てお話しますよ。まだ少々時間がありますから、上空遊覧をお楽しみ下さい」
 と、告げた。

24 :保田 : 2000/12/22(金) 15:59 ID:pYySfgEw

 向かってくる保田を見て、女が裏口から駐車場内に後退する。
”そう簡単に逃がすかよ“
 追い掛ける保田が更に加速する。
 女との距離、約十メートルを保田が一気に制覇した。更に前傾しながら、女の足元に向かって頭から飛び込む。
 ストーカーの両足を確保し、動きを止める。それほど困難な事ではないだろう。
 右肩から奴の足元に滑り込む。引き絞った右腕を細い足首に向けて突き出し、抱え込んで体ごと引き倒してやる。――保田はそこまでの成功を確信していた。しかし――

25 :保田 : 2000/12/22(金) 16:00 ID:pYySfgEw

 唐突に視界から女の両足が消失した。
”飛んだ?!“
 素早く路面を一瞥する。さっき放った煙草が路面に落ちていない。保田はフェイントが失敗していた事を瞬時に悟った。
 息をつく間も無く、右上方から鋭いプレッシャーが襲う。保田は左手でアスファルトを突き、強引に上半身を左方に回避させた。勢い余って背中から路上に倒れこむ。
 ざく、とヒールの踵が、左脇腹すれすれの路面に突き刺さった。
「意外とツマラン小細工をする人だねぇ」

26 :保田 : 2000/12/22(金) 16:02 ID:pYySfgEw

 足の持ち主が左手で煙草をホールドし、仰向けの保田を見下ろしながら立っていた。
 女は二十台半ばに見えた。白いワンピース、それに白いハイヒール。いでたちは、お世辞にもセンスが良いとは言えない。黒いストレートの髪はかなりの長さを誇り、そこから、女の飯田への何らかの想いを容易に想像出来た。
 顔は美人の部類に入るのは間違いない。ただ、野暮ったい銀縁眼鏡が、造作の良さを台無しにしていた。
 女の薄笑いを浮かべた白っぽい唇が開かれる。
「惜しいなぁ。折角、弛んだ腹の脂肪を掻き出してあげようと思ったのにぃ」

27 :保田 : 2000/12/22(金) 16:15 ID:pYySfgEw

”どこまでもふざけた奴だ“
 猛りながらも保田は次の一撃が来ないのを確認し、素早く立ち上がった。
”素人と踏んで見縊っていたけど、本気でかからないと大怪我をするのはこっちだろうな“
 女の細い足を見ただけでは、アスファルトに穴を穿つほどの蹴りを放てるなど、想像もつかなかった。
”……素人……?“
 保田はそんな括りで相手を分析した自分に違和感を覚えた。
”なんの素人だってのさ……“
 両肩が不意の悪寒で震えた。
”第一、何故こっちから仕掛けたんだ? 警備員に通報すれば、それで済んだかもしれないのに……まさか……“

28 :保田 : 2000/12/22(金) 16:18 ID:pYySfgEw

 保田はそこで思考を強引に中断した。この状況では迷いが命取りになる事だけは間違い無いからだ。
 息を整え、手元に残ったもう一本の煙草に火を点ける。女は相変わらず左手に火の点いた煙草を持ったままだ。
「まぁ一服しなよ。折角の私からのプレゼントなんだからさ?」
 保田の言葉を受けた女の目が、侮蔑の色に染まっていった。
「あんたにお似合いの安煙草だねぇ。吸えたもんじゃぁないよ」
 嘲りながら、無造作に左手のものを路面に落とす。フィルター部が地上に達した。
 それが戦闘再開の合図になった。

29 :吉澤 : 2000/12/24(日) 03:18 ID:uWj914lY

 その部屋は、白に支配されていた。
 Z医大付属病院。
 超高層ビルが建ち並ぶS区ビジネス・パークの一角に、その建造物は出現していた。
 三十四階建てという、病院としては異例の高層建築。
 最上階、関係者の中でも選ばれた者にしか存在を知らされていないVIPルーム。
 そこで石川梨華と吉澤ひとみは、最新の医療器具に囲まれていた。但し、一人は体中にチューブが纏わり付いた状態で病床に就き、もう一人はその手を祈るように組み合わせている、と大きく境遇を違えていたが。

30 :吉澤 : 2000/12/24(日) 03:21 ID:uWj914lY

 数日前、石川がリハーサル中に原因不明の病に倒れ、急遽この場所に運ばれた事を知る者は殆どいない。石川の前線からの離脱と同時に、モーニング娘。本体も休止状態に入っていたからだ。
 石川一人欠けた状態でも本体の活動は十分可能な筈だ。現に、過去にも、飯田、後藤、それに吉澤が個人的理由で一時的に休養を取った時でも、出演番組自体は休む事無く続けられていた。
 それが何故、未だ主要と言えるまでの存在に成長していないメンバー一人のリタイアを理由に、前例が覆されてしまったのか。吉澤はこの疑問を、グループのリーダーである中澤に率直にぶつけた。
 しかし、その問いに対する中澤の答えは、
「今は未だ、明確な事は言えない。ただ、これだけは言える」
「うちらは何か、大きなトラブルに巻き込まれた」
 という、吉澤の疑問を解消するどころか、更に混迷の渦に叩き込むものであった。

31 :吉澤 : 2000/12/24(日) 03:23 ID:uWj914lY

「う……ん」
 石川が呻き声をあげる。元気な頃は端整だった顔も今では無惨なまでにやつれ果て、受けている苦しみの度合いを示すかのように、そのこめかみには多くの血管が浮き出ていた。
「よっすぃー……ど…こ……どこにいるの……」
 何かを求めるように、石川の手が僅かにベッドから浮き、指が宙を掻く。その手を吉澤が、両の手で優しく包み込む。すると安心したのか、微かな笑みを浮かべ、石川は再び寝息を立て始めた。
”梨華……“
”なんにもしてあげられない“
”ただ、こうやって、そばに居てあげる事しか、わたしには出来ない……“

32 :吉澤 : 2000/12/24(日) 03:24 ID:uWj914lY

 石川が意識不明の重態に陥ったとき、吉澤は付き添いを自主的に申し出た。
 あれから家には殆ど帰っていない。こうなってみると、石川に付きっきりで居られる状況を許す、娘。本体の休止がありがたく思えて来た。
 中澤に言った言葉に嘘偽りは無い。モーニング娘。にとっての石川と、自分にとっての石川、その違いを客観的に見た上で吐いた台詞だった。
 意識が無いまでも、石川は触れている自分を知覚してくれる。その事を嬉しく思う一方で、何の医療知識も持たず、ただ医者の言うままの介助しか出来ない自分の無力さを、吉澤はもどかしく感じるのだった。

33 :疾走 : 2000/12/24(日) 04:51 ID:uWj914lY

 街を流れる一つの噂が有った。
 それは決して既存のマスメディアに乗らない噂で、掴める場所に居る者は容易に掴めるが、そうでない者は永遠にそれを知る機会を得られない。そんな類の噂だった。
 多くの者は友人知人間の口コミで、ある者はメル友からの携帯メールでそれを知った。街ですれ違った人が偶然、それを耳にして知った例も有った。
 噂はあまりにも漠然としており、また、伝言ゲームの常で、人から人へと伝わる毎に劣化し、或いは不純物の含まれる度合いを上げていった。

34 :疾走 : 2000/12/24(日) 04:53 ID:uWj914lY

 しかし、その噂を統計立てて収集する者があれば、一つの共通するキーワードが存在する事を知っただろう。
『cham』
 チャムと発音されるその言葉は麻薬のような中毒性を持つのか、どことなくエキゾチックな香りを含んだ語感の虜となり、繰り返し口にする者も多くいたという。

 新世紀の訪れに対する高揚感が人ごみに充満する2000年師走。
 大阪ミナミの雑踏にその男は居た。

35 :疾走 : 2000/12/24(日) 04:55 ID:uWj914lY
 男を端的に表現するなら、「髭眼鏡の男」だった。トレードマークの髭をイメージチェンジのつもりで剃ったのが約一ヶ月前。だが、髭は既に元の長さにまで生え揃っており、三ヶ月ぶりに対面する知人達にとっては全く意味を持たない行為となっていた。

 男は迷っていた。
 ネット上で知り合った奴等とオフラインでミーティングをする、所謂OFF会。男が普段利用している2ちゃんねるという巨大掲示板。その中のモーニング娘。を扱う板、通称モー板。今日はその関西OFFの開催日だった。

36 :疾走 : 2000/12/24(日) 04:55 ID:uWj914lY

 本来なら、なんの躊躇いも無く集合場所の心斎橋の某ゲーム・センターへ直行していただろう。
 だが、今回は違った。
 関西で開かれるOFF会はこれで三度目となる。第一回・第二回と参加している髭にとって、OFFに来る者達は既に気心の知れた奴等ばかりだった。流石にそこで聞ける事、話せる事、に対する期待感は当初に比べて薄れてはいたが、心を熱くさせるイベントであることは間違いなかった。

37 :疾走 : 2000/12/24(日) 04:56 ID:uWj914lY

 それでも髭は迷っていた。
”全ての原因は……あの言葉だ……“
”cham“
 魅惑的な香りが、髭の脳を支配していた。そして、その香りの吸引力は圧倒的だった。
”cham……“
 抗いがたい誘惑に、脳髄が痺れ、頭蓋の中で反響する言葉が官能の色を帯びる。髭の股間が、ずきんと疼いた。
 最早、約束事を反故にするのに何の躊躇いも無かった。髭は踵を返すと、噂が導く場所へと足を向け走り出した。

38 :名無し君。 : 2000/12/25(月) 08:15 ID:9oL6e9Yk
面白いんだけどどっかで見たことあるんだよなぁ。
マジでどこか忘れちまったけど。特に>>17-20

39 :名無し娘。 : 2000/12/25(月) 14:06 ID:zQpLgmGw
それってサーバー移転前に書いた分を見られたのかも。

40 :ぐじ : 2000/12/25(月) 16:19 ID:zQpLgmGw

「そう言えばアンタの名前を聞いてなかったね」
 女のかけた銀縁が、月光を反射して鈍く光った。
「宮司」
 瞬間、宮司と名乗った女から発せられる殺気が急激に増幅した。
 おそらく偽名だろう。だが、名乗った事自体が保田にとって意外だった。
”つまり――こうなったからには、ただでは放さないって事か“
 だらり、と無気力に垂れ下げられていた宮司の両腕が、じりじりと持ち上げられる。
 やがて完全に腕が上体に対して垂直に上げられた。両肩から指先までが直線を形作る。
 我流の格闘術でも身に付けているのだろうか。その構えは異常としか言い様が無かった。

41 :ぐじ : 2000/12/25(月) 16:23 ID:zQpLgmGw

 宮司が先に動いた。その動きはあまりに俊敏過ぎて、保田の動体視力をもってしても最初に踏み出した足が辛うじて左と分る程だった。
 腕を上げたそのままの姿勢で、保田との間合いを一気に詰める。
「ふ」
 宮司の口から圧縮された空気が吐き出された。
 奇妙なストレートが顔面めがけて打ち込まれて来るのを、保田が上体を地面に叩きつけんばかりの勢いで沈めて回避する。それでも間に合わず、数本の髪が拳の勢いに持っていかれた。
 背にしていた大型車のサイドウインドウが、二枚連続して粉砕される音が聞こえた。
 保田が額に硝子の砕片を受け止めながら、宮司の体勢を確認する。
 宮司は、両拳を車内に侵入させた状態で無表情に立っていた。
 そこにカウンターを打ち込むべく、保田はその場で右足を踏み込むと、渾身のアッパーを宮司の顎に向けて放った。

42 :ぐじ : 2000/12/25(月) 23:35 ID:PoEaZBME

 風圧で吹き飛ばされた硝子片が街灯に照らされ、雪の結晶のような輝きを見せる。
”完全に宮司の顎を捉えた“
 保田はそう確信した。しかし、その拳は宮司の顎にヒットする寸前で止められていた。
「涼しい風をどぉも」
 宮司が嘲った。
 保田の右腕はアッパーを放った形のまま、宮司の左腕によって拘束されていた。
 恐るべきことに宮司は脚力だけでなく腕力も並外れており、ぎっちりと絡めとられた腕は少々の力では解けそうに無かった。腕を引き抜こうともがく保田の意図を察知して、宮司が左腕に更なるパワーを投入する。
 締め上げられた保田の腕骨が悲鳴を上げた。

43 :ぐじ : 2000/12/25(月) 23:38 ID:PoEaZBME

 保田が、まだ自由な左腕で反撃を試みる。痛みに顔を顰めながら、宮司のがら空きの腹に向かってボディーブローを放つ。
 夜の駐車場に、骨と骨のぶつかり合う鈍い音が響く。保田の打撃は、即座に持ち上げられた宮司の右膝でブロックされていた。
 確かに保田は、片腕を捕られた不自然な姿勢での攻撃を強いらており、通常の攻撃と違って、その勢いは殺されていただろう。それでも、至近距離からの打撃を難なくガード出来る宮司の反応速度には目を見張る物があった。
 だが、保田は、この宮司のブロックを予期しており、僅かに左拳を引き寄せると、毒蛇の腮を思わせる形に指を曲げ、宮司の脹脛を一気に掴んだ。
「があぁあぁぁぁっっ!」
 肉の中に鋭い爪が侵入する感覚に、宮司が絶叫した。

44 :保田 : 2000/12/26(火) 00:18 ID:o0784U4U

 激痛に耐えかねた宮司の左腕の力が弱まった。保田は、空かさず右腕を引き抜くと後退し、宮司との間合いを取った。
 掌を一度、二度、開いて閉じる。
”まだ行ける――“
 思ったほど右腕にダメージを受けていない事に、保田は安堵していた。
 一方の宮司は、保田の爪で傷ついた右足を浮かせ気味にしており、その顔から先程までの余裕の笑みは消え失せていた。
”さっきの叫び声は、守衛室まで届いただろうな。その内、ガードマンが駆けつけて来る“

45 :保田 : 2000/12/26(火) 00:21 ID:o0784U4U

”それまでにカタをつける“
”圭織の為にも……こいつは“
 保田が一歩目からフル・パワー・スプリントで宮司に向かってダッシュする。
”今、ここで、潰す――!!“
 迎え撃つ宮司が、左ハイ・キックを保田の側頭部めがけて放つ。だが、傷ついた右足を軸にした為、宮司の持つポテンシャルを遥かに下回る速度でしかない。
 しかも保田は、その直前に前傾姿勢に移っており、宮司の蹴りはその上空を虚しく通過するだけだった。
 保田は蹴りを回避したのを確認すると、両手を地面につき、宮司の右足首にロー・キックを叩き込んだ。

46 :突入 : 2000/12/26(火) 01:44 ID:o0784U4U

 人通りの絶えた閑静な住宅街を、一台の大型バンが超低速で走っていた。闇夜に溶け込むような黒いボディー。そして、全てのウインドウに黒のフィルムが貼られていた。
 やがて黒いバンは、一軒の家の前に、玄関を塞ぐ形で停車した。
 後部ドアが開き、五人の男達が吐き出された。
 いずれの男も、黒色のコンバット・スーツに身を固め、手にM16A1アサルト・ライフルを保持していた。
 隊長らしき男が無言のまま、身振りで部下達に突入の指示を出す。
 男達が様々な方向から邸内に侵入を開始した。ある者は硝子を特殊な道具で切り裂き、ある者はベランダの開け放たれた網戸から、そして裏口から、足音を殺して入りこむ。なんとも無用心なことに、玄関ドアは施錠されていなかった。

47 :突入 : 2000/12/26(火) 01:47 ID:o0784U4U

 屋内の照明は全て消されていた。
 時刻は午後七時。通常では就寝するには早過ぎる時間だ。
 隊長の男が聞かされた、ターゲットの生活リズムは――非常に不規則で、一般人との比較は意味をなさない――とされていた。
 一度、キッチン――いや台所と言った方が適当な感じであったが――に集合した五人は、ターゲットの自室である二階の部屋を目指した。
 見るからに安普請といった屋内を、足音を完全に消した五人が走り抜ける。
 少女漫画雑誌の付録らしき「じゃましないでね(はあと)」と書かれたドア・ノブの警告札を引き千切りながら、目的の部屋に男達が突入した。

48 :突入 : 2000/12/26(火) 02:00 ID:o0784U4U

「西村博之、我々に同行して貰おうか!」
 隊長の男の鋭い声が、冷えた空気で満たされた室内に響く。しかし、その声に対する反応は皆無だった。
 事前のブリーフィングで知らされた状況に反して、ターゲットの部屋はもぬけの殻だった。五人の男達の間に、当惑した空気が流れる。
”馬鹿な……我々がしくじったと言うのか?“
 部屋の床には布団がだらしなく敷かれ、その周囲には様々な雑誌が散乱しており、正に足の踏み場も無い状態だった。

49 :突入 : 2000/12/26(火) 02:03 ID:o0784U4U

 やがて隊長の男は、部屋の中で微かな明滅を繰り返す物体に気が付いた。
 机の上に無造作に放置されたA4ノート・パソコン。そのSXGA液晶ディスプレイの中央に、控えめな大きさの文字が表示されていた。
「移転ですです。。。。」
”なんだこいつは?“
 指揮官の男の頭を疑問が錯綜した。
「なんすかこりゃぁ? ヤサを移したって事ですかね?」
「我々の襲撃をターゲットが予測していたと言うのか?!」
 拍子抜けした部下達が、勝手な推理を互いに披露し始めた。明らかな気の緩みの現れだった。

50 :突入 : 2000/12/26(火) 02:16 ID:o0784U4U

”何かがおかしい“
 男の兵士として戦場で培った生命の危機を察知する鋭敏な感覚、そして、人間がかつて野生動物であった頃から少しずつ失っていった生存本能が、危険信号を発していた。
 施錠されていない玄関。
 開放されたベランダ。
 無人の部屋に放置されたノートPC。
 家主の杜撰な危機管理がもたらした結果、と言えばそれで終わるかもしれない。
 しかし――

51 :突入 : 2000/12/26(火) 02:19 ID:o0784U4U

”なんだって言うんだ、この違和感は……“
 その時、男の研ぎ澄まされた聴覚が、万年床の枕元に置かれたキティーちゃん目覚し時計とは違うリズムを捉えた。
”まさか、時限装置――?!“
 悪寒が男の背を舐め上げ、桁外れの危機が迫る感覚に顎が戦慄いた。
「逃げろぉぉーーー!!」
 男は叫びながら、閉じられた硝子窓に向かって全力でダッシュした。その叫びに、数秒間の反応の遅れを見せながら、部下たちが続く。
 両腕をクロスして硝子窓を突き破る男の背後で、光が炸裂した。

52 :西村 : 2000/12/26(火) 02:31 ID:o0784U4U

「なんだ?! 今の光は?!」
 ヘリの進行方向に見える住宅街の一角が、一瞬、眩い光を上げたのが見てとれた。
 驚く黒スーツの男を見て、西村が薄く笑った。
「あれは、ゲスト歓迎のクラッカーみたいなモノですよ」
 意味不明な返し方をする西村に、黒スーツが苛立ちも露わに問いかける。
「しかし……お前の家が有る方角では無かったか?!」
「そのとおりです。我が家に侵入者があったようですね……。でもご心配なく。私の家族は既に場所を移してましたから……」

53 :西村 : 2000/12/26(火) 02:32 ID:o0784U4U

「侵入者? 物騒な話だ。しかし……」
”クラッカーとは何の比喩なんだ? まさか――“
 黒スーツの男の疑問を他所に、西村が続ける。
「位高ければ保守高きを要すると言いますからねぇ……」
 アエロスパシアル・シュペルピューマの操縦士と副操縦士が爆笑した。お約束という奴に従ったのだろう。
 毒気を抜かれた黒スーツの男は、憮然とした表情のまま、ヘリの規則正しい揺れに身を任せるしかなかった。

54 :名無し娘。 : 2000/12/27(水) 00:38 ID:z6dmSHWA
これ面白いね。誰が書いてるのかは知らんけど。
各々のお話は繋がるのかな?

55 :名無し娘。 : 2000/12/27(水) 02:33 ID:svK3vVYU
昨日の自分と今日の自分でリレー小説してる気分なので、どうなりますことやら。
ふと思ったけど「小説練習スレッド」なのに、他の誰も練習に使わないのは何故。

56 :保田 : 2000/12/27(水) 23:18 ID:svK3vVYU

 保田の地を這うような蹴りがクリーン・ヒットし、宮司の体が大きく傾いだ。
 休まずに連続して保田がローを放った。右足首の同じ個所に攻撃を集中させている。
 宮司の体が衝撃で浮き、唯一の支えであった右足が地面を離れた。
 朽木のように前のめりに倒れた宮司に、保田が更なる追い討ちを仕掛ける。両腕の力だけで全身を持ち上げると背筋を最大限に生かし、宮司の背を目掛けて跳躍した。
 攻撃を察知した宮司が、必死に両手足で地を掻き、着地点からの離脱を試みる。だが、回避行動は間に合わず、保田の重い両膝を背骨で受け止める事になってしまった。
「ゲハッ!!」
 押し潰された宮司の口から、叫びと共に黒々とした血反吐が撒き散らされた。

57 :祝辞 : 2000/12/27(水) 23:27 ID:svK3vVYU

 この交戦を少し離れた場所で、車の中から観察する者達が居た。
 後部座席の女が運転手に命じる。
「そろそろ限界ね。小ぺそを回収しなさい」
「かしこまりました」
 二人の乗ったセルシオが、交戦地点に向けて静かに走り出した。
 辺りには、いつの間にか雪が降り始めていた。

58 :矢口 : 2000/12/28(木) 00:03 ID:nXSpLVAc

 ――涙が水溜りのようだ――
 ――小さな体の何処に、これだけの涙が貯められてたんだろう――

 矢口真里が泣いていた。
 両こぶしをテーブルに置き、白い壁に貼られた絵を見据えながら、ただ、ひたすらに泣いていた。
 悲しみに肩を震わせてなどいない。もって行き場のない怒りに身を任せているわけでも、どうしようもない悔しさに涙を流しているわけでもない。
 それは、これからの矢口にとって、絶対に必要な儀式。

 後藤真希は、目の前で静かに、透き通った涙の粒がはたはたとテーブルを叩くのを、夢の中の出来事であるかのように見守っていた。

59 :矢口 : 2000/12/28(木) 00:07 ID:nXSpLVAc

「や……」
”やぐっつぁん“
 言いかけて後藤は言葉を飲み込んだ。もう、その呼び方ではいけない気がしたのだ。
 目の前に座る矢口を見ているとつくづく思う。矢口は本当に変わった。いや、元の矢口に返ったと言うべきなのかもしれない。
 浅黒く、化粧に守られていた肌は、かつての透き通るような白さを取り戻していた。
 数時間前に聞いた矢口の言葉を、真希は頭の中で何度も繰り返していた。
”気まぐれで決めたんじゃないよ。矢口も変わんなきゃって、そう思って“
”これからはもう泣けないから“

60 :矢口 : 2000/12/28(木) 00:11 ID:nXSpLVAc

”涙は今のうちに全部流しておく“
 決意の涙を流す度に、矢口の小柄な体に気力が充実していくのが、手にとるようにわかる。
「今の真里ってさ、天使みたいだよ。なんだかかみがみ――なんだっけ?」
「あはは、それを言うなら『こうごうしい』だよ、ごっちん。それ、誉め過ぎ。でもありがとうね」
 にっこりと矢口が笑いかける。それを受け止めた後藤は、自分の頬が少し熱くなるのを感じていた。
”まぶしい笑顔ってこういうのを言うんだ――“
 矢口真里は生来の可憐さを存分に発揮し、穏やかに笑い、そして白く輝いていた。

61 :映画 : 2000/12/28(木) 00:43 ID:nXSpLVAc

 幾つもの裏路地を抜け、終にたどり着いた場所は――

 髭が所属している秘密サークル「壱護摩会」そのメーリング・リストで入手した情報を元に、モー板で密かにsageで進行している噂系スレッドを見つけ出したのが一週間前。そこで得た情報に、キタの「クラブ・照美」でママに聞き出した話を総合すれば、場所はここで間違っていない筈。髭は、そう確信していた。
 サヤ・シネマ
 掲げられた看板を見て、髭は更に確信を深めた。
 肩の震えが止まらないほどの期待感と共に、髭は目の前にある厚い扉を開いた。
 瞬間、大音量の喧騒が耳を聾した。

62 :映画 : 2000/12/28(木) 00:46 ID:nXSpLVAc

 表向きには閉鎖された事になっている筈の映画館に、立ち見が出るほどの人間が集っていた。
「俺以外にもあほがぎょーさんいたって事か」
 髭は自嘲気味に呟いた。
 やがて、サイレンとともに幕が上がった。
 突如鳴り出した 『老人と子供のポルカ』をBGMに、金色のど派手なタキシード姿の女が袖から優雅に歩きながら現れた。
 髭はその女の横顔に見覚えが有った。懸命に記憶を弄る。
”あれは……“
 女が正面に向き直った。
”み、水物ぉ?!“

63 :映画 : 2000/12/28(木) 00:47 ID:nXSpLVAc

「会場の皆さんコンバンワー」
「コンバンワー」
 女は、客の反応の良さにほくそ笑むと、更に続けた。
「ふ……随分と沢山釣れたなぁ、この、ちゃむヲタどもがーーーっ!!」
「オマエモナー!!」
「やっぱりですか……」
「そうですねー!!」
「チャム、髪切った? 略して」
「零式萌えー」
 髭の顎が、かくんと落ちた。

64 :映画 : 2000/12/28(木) 00:53 ID:nXSpLVAc

”なんなんだ、この頭の腐りそうな応酬は?! こっちはOFF蹴って来てるんだ。とっとと見せるもの見せやがれ!!“
 自分だけは冷静であると信じて疑わなかった髭も、既に主催者側の術中に嵌りつつあった。呆れながらも、会場で繰り広げられる茶番劇から目が離せないでいる。
 舞台上では水物が、パラパラらしき怪しげな踊りを披露し始めていた。
「みんなもチャムれーーーっ!!」
”慶応大出の才媛も形無しだな……。もういいからチャム出せよ。寒いんだよ“
 苛立ちの余り蹴飛ばした椅子の脚が、予想以上に大きな音を立てた。

65 :保田 : 2000/12/28(木) 10:19 ID:8TW/fcW6

 宮司を拘束しようと歩み寄る保田の耳が、接近して来る車のエンジン音を捉えた。
”一般人か?! 騒がれると面倒な事になる“
 緊張感を漲らせる保田の視界に、ダーク・グレーのセルシオC・インテリアセレクションが登場した。
 路面に薄く積もった雪を溶かしながら、倒れている宮司すれすれにセルシオが停車した。
 運転席側のドアが静かに開き、紺のスーツ姿の男が姿を現した。
 男は倒れている宮司の所まで移動すると、保田に背を向けたまま宮司の身体を抱え上げ、セルシオの助手席に運び込んだ。

66 :保田 : 2000/12/28(木) 10:20 ID:8TW/fcW6

「あんた一体何者なんだ? いきなり現れて勝手してんじゃないよ! そいつの飼い主か?!」
 完全に存在を無視された形の保田が叫んだ。
 だが男は、何も聞こえなかったかのように、再び運転席のドアに手をかけた。
「ちょっと待ちなって! ストーカーだからって誘拐していいって手はないだろ!」
 その言葉に男が初めて反応を示した。
「あなたがこの人を痛めつけた件については、どうお考えですか」
 男の極めて抑制された眼差しが、保田の目を射た。保田が思わずたじろいだ。
”こいつ――敵意が全く感じられない……いや“
”敵とさえ思われてないってことなのか?“

67 :ゴトマキ小説 : 2000/12/28(木) 10:41 ID:eJjB0NbI
「うぅ・・・痛いよぅ。」
今日は久しぶりにラッシュ時に電車にのった。
何もこんな時間に出なくてもいいけど、時間たくさんとりたかったから。
バレたら大変だな・・・。こんなとこでバレたら行きたい所まで辿り着けないな。
マネージャーさんがのせてってくれるって行ってたけど、
今日は特別。特別な物を買いに行くんだ。自分の足で探したい。
12月31日・・・市井ちゃんが生まれた日に間に合うように・・・。



やっと電車から降り立った私はばれないように深く帽子をかぶった。
周りが少し、ザワついたような感じがしたから、駅の外まで、走った。
何があっても今日はバレちゃいけないんだ・・・。
外をぶらぶら歩いているとちょうどいいお店をみつけた。
「あ、これかわい〜」
私が手にしたのはシルバーのリングだった。
・・・あれ?市井ちゃんって何号だっけ・・・。私のバカー!!忘れちゃったヨ!
「うぅ〜んフリーもないし諦めるか・・・」
そうつぶやいた瞬間周りのお客さんが寄ってきた。
「後藤さんですかぁ??」
「ち・・・違います・・・」
「写真撮ってもらえますか?」
「あの・・・違うんで・・・スイマセン!」
私はその店から飛び出した。もっと見たいものあったのに・・・。
ふと、何かの音に気付いた。
私のケ−タイだった。


68 :加護 : 2000/12/29(金) 00:30 ID:s2TcPoNI

「お嬢さん。こんな寂しい海を独りで眺めてないでさ、お茶でもしない?」
「おっちゃん、海の家は冬期休業中やで」
 白いダウンパーカーを着た少女が振り返った。
「あ、やっぱり。あいぼん――失礼。モーニング娘。の加護さんですよね?」
 人の良さそうな顔をした男だった。歳は20代中後半いったところだろうか。
「バレてしもうたなら、しゃーないなぁ。いかにも、その通りでございます」

 舞っている砂をも凍りつかせるような、冷たい風が吹き荒んでいた。
 山陰海岸国立公園の西端。
 日本海側に面した東西16キロ、南北2キロにも及ぶ広大な海岸砂丘。
 鳥取砂丘の人気の無い海岸に、加護亜依は居た。

69 :加護 : 2000/12/29(金) 00:36 ID:s2TcPoNI

「で、おっちゃんは?」
「あ、済度といいます」
 男が名刺を取り出した。
「ふーん。官公庁のお偉いさんか。よくわかんないけど。で、こんな所に独りでいる中学生に声かけるなんて普通しないよね。ってことは、おっちゃんはロリコンなん?」
 加護が済度と名乗る男の目を睨みつけながら言った。
「ち、違うって。あいぼん一押しなだけだって。ここに来たのも偶然だし」
 済度が慌て気味に弁明する。
「ふーん……。偶然ねぇ。偶然を装って――って歌あったよね」
「そんな古い歌を引き合いに出すかなー……う。それに疑いの目が」
「ま、近頃、世の中物騒だからね。現にうちの辻ちゃん――あ」
 しまった、といった表情を加護が見せる。

70 :加護 : 2000/12/29(金) 00:40 ID:s2TcPoNI

「へ?」
「いや、なんでもないよ。気にしないで」
 手に持ったままだった名刺をパーカーのポケットに捩じ込んで、加護は俯いた。
 加護が言い洩らしかけた話は、モーニング娘。の唐突な休止宣言に関係することに違いない、と済度は直感していた。夜も眠れぬ思いをした者としては、真相の一端だけでも掴んでおきたい、そんな気持ちは確かにあった。
 しかし、目の前で伏し目がちにしている加護を見ていると、とてもではないが深く追求する気は起きなかった。
”これぞマジファンの弱み……だな“
 済度は独りごちた。
「あ、ヘリコプターだ」
 いつの間にか加護は空を見ていた。
 つられて見上げた済度の目に、冬曇りの空をバックに驚くほどの低空飛行をしている白いヘリが見えた。

71 :名無し娘。 : 2000/12/29(金) 00:54 ID:s2TcPoNI
>>68 20代中後半いったところ→20代中後半といったところ

72 :加護 : 2000/12/30(土) 15:23 ID:eMNSG7Y2

 白いヘリ、シコルスキー・MH−53Eスーパースタリオンが、加護達から百メートル程離れた場所に着地した。

 済度は内心、落胆していた。
 加護の様子を見て、ヘリが芸能プロダクションの遣わした物だと判断したからだ。
 決してやましい考えを抱いていたわけではない。憧れの芸能人と共有する時間が、少しでも長く続けばいいと人並みに願っていたに過ぎない。
”短い幸せだったなー“
 砂混じりの風が、急にその勢いを増した。

73 :加護 : 2000/12/30(土) 15:24 ID:eMNSG7Y2

 ヘリから降り、近付いて来る人影を見て、加護の表情が驚愕に染まっていった。
「辻ちゃん……?」
 驚きと喜びがない混ぜになった顔を加護が見せる。
「やっぱり、辻ちゃんや!」
「うそー」
 済度は次々と起こる出来事に、半ば呆れていた。
”はー。辻さんまで登場か。これは後で自慢してもいいかもなー“
 二人の立つ場所から約50メートル。
 辻希美が、ほどいた髪を風になびかせながら、砂丘を越えて来るのが見えた。 

74 :加護 : 2000/12/30(土) 15:25 ID:eMNSG7Y2

「辻ちゃーーーん」
 待ちきれずに駆け寄った加護が、辻と両手を組み、そのまま二人でくるくると回り出した。
「亜依ちゃーん、目が回る〜〜」
「辻ちゃん、無事だったんだ! よかったぁ」
「うん。ケーサツのーおじさんにー、たすけてもらったの」
「けーさつって……?」
 二人に追いついた済度が思わず口を挟んだ。
「わーー! 辻ちゃん! 知らん人の前でそんなん言ったらあかんやろ!」
「ごめんなさい亜依ちゃん……」

75 :加護 : 2000/12/30(土) 15:26 ID:eMNSG7Y2

「絶対人には漏らさないから、ね、ね」
 好機逸すべからず、と感じた済度が、両手で加護を拝みながら縋るように頼んだ。
「……ホンマに他の人に言ったらあかんで、おっちゃん。辻ちゃんは誘拐されとったんや」
「――え!」
「でも、辻はー元気でもどってこれましたー」
 TVで聞くままの活舌の悪い喋りに、済度は笑いを漏らしそうになった。
「とにかく! 他言無用だよっ」
「はいっ」
 逆らえない済度だった。

76 :加護 : 2000/12/30(土) 15:26 ID:eMNSG7Y2

「亜依ちゃんにお願いがあるの」
 不意に動きを止めた辻が真顔で言った。
「何?」
「亜依ちゃんにー、辻の仲間になって欲しいの」
「……それって、中澤さん達を裏切れってこと?」
 辻の思いがけない提案に、加護が眉をひそめた。
「結果的にそうなるかも」
「……そんなの、お断りだよ」
「どうしても?」
「どうしても! 何度言ってもいっしょ」
「そう」

77 :加護 : 2000/12/30(土) 15:28 ID:eMNSG7Y2

「え」
 辻が簡単に引いた事に、加護は拍子抜けした。
「残念」
 繋いでいた両手を辻が強引に振り解いた。
 そのまま、辻が後ろ向きに倒れる――加護はそう思った。仰け反った辻の顎が見えた。

 済度は横から全てを見ていた。だが、目で追いきれないほどの高速で繰り出された辻の行動が、全て見えていた訳ではない。
 両手を広げたまま辻が後転し、靴のつま先が綺麗な円弧を描いた。
「スパッ」
 何かが切り裂かれる、短く鋭い音がした。
 続けて、ひらひらと布のような物が二枚舞い落ちて来た。
 砂の上に辻が着地した。
 辻は、袖に隠し持っていたピンセットを取り出すと、布のような物が砂に落ちる前に掴み取り、同じく腰に隠してあった透明な袋の中に素早く回収した。

78 :加護 : 2000/12/30(土) 15:28 ID:eMNSG7Y2

 全てが終了した時、それでも済度が惨状を理解するのに数秒間の時間を要した。
 加護は反射的に顔を両腕で庇っていた。
 その両手首の皮膚が、まるで大根の桂剥きのように、幅5センチにわたって剥ぎ取られていた。
「痛いがな痛いがな――」
 蹲った加護が、苦悶の表情を浮かべながら、うわ言のように繰り返した。
「師匠……っ! こんな時まで芸せんでもいいんですって! ああぁ、医者、医者、医者に行かないと!」
 済度が悲鳴をあげた。

79 :加護 : 2000/12/30(土) 15:31 ID:eMNSG7Y2

 左手に皮膚の入った袋を下げながら、辻が加護の元に歩み寄る。
「亜依ちゃん。選択肢は二つあるんだ」
 辻が指を二本立てながら、先程までとは違って滑らかな口調で言った。
「一つ目の選択肢は、その素敵な赤い腕輪を一生付けて生きていく」
 済度は加護の背を抱きながら、絶望的な気分で辻を見上げていた。
「二つ目の選択肢は、私の仲間になって、ヘリで待機している最高の医療スタッフによって手術を受ける」
 剥ぎ取った加護の両腕の皮膚を、袋ごと日にかざしてみせた。
 加護は受けた傷のショックで口がきけない状態に陥っていた。
 それを見て取った辻が、今度は済度に向かって問いかけた。
「じゃぁ、あなたに決めてもらいましょうか」
 その時、辻は明らかに笑っていた。
「どちらにしますか?」

80 :名無し娘。 : 2001/01/02(火) 09:19 ID:R52fS7mQ
一応保全。

81 :飯田 : 2001/01/02(火) 21:06 ID:R52fS7mQ

 宮司が回収されたセルシオを中心に、保田と紺スーツの男は対峙していた。
 男が全くの自然体で立っているに対して、保田は首を落とし気味にし、両拳を前に構えた臨戦体勢だった。
 宮司との交戦で噴きだした汗は既に引いていた。しかし、保田の額には徐々にではあるが、再び緊張の汗が滲み始めていた。
 男は保田との精神戦において圧倒的な優位に立っていた。先の宮司を回収した時の身のこなしだけで、実戦においても男の優位は揺らがないであろうと推測できた。
 紺スーツの男は先に仕掛ける意思を感じさせず、一方の保田は攻めあぐねたまま突破口を見出せないという状態が十分ほど続いた、その時だった。

82 :飯田 : 2001/01/02(火) 21:06 ID:R52fS7mQ

「圭ちゃん? なにやってるの?!」
 怒気を孕んだ、高い声が場の均衡を破った。思わず保田が男から視線を外した。
 すると、飯田圭織が息を切らしながら駐車場の入り口に立っているのが見えた。
「圭織――!」
 飯田が柳眉を逆立てているのが、十数メートル離れた保田の位置からでも見て取れた。
「待ち合わせの場所にいつまで経っても来ないし、待ちきれなくて戻って来たら車がまだ駐車場に残ってるし、圭ちゃんの悪いとこだよ。人を待たせといて圭織を寒い中に立たせといてさ」
 飯田が一気に捲し立てる。
”最悪のタイミングだ……“
 保田は思わず天を仰いだ。

83 :名無し娘。 : 2001/01/04(木) 18:39 ID:llzml7Y6
5百スレッド突破でそろそろやばい雰囲気。一応保全。

84 :保田 : 2001/01/07(日) 02:10 ID:TnCb7IVk

「しまっ――」
 一瞬、男の姿が上下にぶれたように見えた。次の瞬間には保田の目の前に男が存在しており、静かで強烈な一撃が頭上から振り下ろされた。
 体を撃ち抜かれた、と錯覚する程のハードヒットが保田を襲った。
 男が信じ難い速度で移動したのを見て、反射的に両腕を立て胸部をガードした保田だったが、それさえも、ほんの僅かに衝撃を緩和する程度の効果しか無かった。
 まず両腕の骨にひびが入り、そのまま上腕部が押し潰されるように圧迫された。それでも打撃の威力は収まらず、肋骨全体が激しく揺さぶられた。
 保田は懸命に踵のグリップで体勢を維持しようと試みたが叶わず、ガードをした姿勢のまま後方に吹き飛ばされた。

85 :飯田 : 2001/01/08(月) 10:15 ID:cRa22omI

 保田は雪に塗れながら転がり、駐車してあったトラックのタイヤにぶつかって止まった。
「圭ちゃん!」
 やっと事態を把握した飯田が声を半ば裏返しながら叫び、倒れている保田の元へ駆け寄ろうとした。
 白い息を不規則に吐きながら、停車しているセルシオのそばを通り過ぎようとした、その時だった。
「あはははははははは、は、は、はははははっ」
 車内からけたたましい笑い声が聞こえた。
 女の声だった。
 延々と続く哄笑を聞いた飯田の体は、保田を目の前にしながら、金縛りに遭ったかのように硬直してしまった。

86 :飯田 : 2001/01/08(月) 10:17 ID:cRa22omI

 後部ドアが内側から蹴り開けられ、鮮血にも似た赤のハイ・ヒールがアスファルトを突いた。
「陳謝、私は最高についている。そう思わないか?」
 極彩色の蝶が、チャイナシルクのドレス上に舞っていた。
 飯田を上回るような長身、そして長髪を持った女だ。
「そうですね。ぺそんさん」
 全身に瘴気を纏った女、ぺそんが飯田の前に立ちはだかっていた。

87 :aa : 2001/01/10(水) 03:52 ID:ALx.nxHQ
ふむ、楽しみだ

88 :名無し娘。 : 2001/01/17(水) 23:56 ID:K7UaGq4s
これもう放置ですか・・・

89 :名無し娘。 : 2001/01/18(木) 01:33 ID:jQnheE2U
どうにかして木曜日。

90 :名無し娘。 : 2001/01/19(金) 04:21 ID:PjRCD3ts
やっとぺそんが登場したっていうのに・・

91 :東風 : 2001/01/19(金) 23:22 ID:XYiCxAKQ

 JR天王寺駅から天王寺動物園へ向かう坂道。
 そこは休平日を問わず老男女が集い、カラオケ大会を開く賑やかな場所であると同時に、急角度のカーブがドライバーに過度の緊張を強いる少し危険な地点でもあった。
 その差し掛かり口で女が二人、道の中央を占有しながら騒音を撒き散らしていた。
「上海へ 一人旅 傷心旅行ーー」
「わーどんどんパフパフパフ〜!」
「うっさい!!」

92 :東風 : 2001/01/19(金) 23:23 ID:XYiCxAKQ

”ばきっ“
 本気の罵声に、乾いた破壊音が続いた。
「わ! 何するべさ! 折角盛り上げようとしたのに!」
「こら。うちが一生懸命歌ってるのに、なに? そのオモチャのラッパは。邪魔するヒマがあったら、ほら、CD売った売った」
「なーんで今更、手売りなんてしないといけないのよー」
 たぬきを思わせるファニーフェイスを少しむくれさせ、小柄な女が歌い手の女に抗議の視線を送る。
 腹立ち紛れにか、粉々になってしまった黄色いラッパを、自らも踏みつけて更に砕いている。

93 :東風 : 2001/01/19(金) 23:23 ID:XYiCxAKQ

「あぁ? 誰やったかなぁ? 『ミニモニがミリオンなんて行くわけないべーっ』って悪態ついてたのは。誰やったかなー誰や――」
 小柄な方が、相方のいつまでも終わりそうにない嫌味を、手で塞いで強引に止める。
「ハイハイハイ。売ればいいんでしょ? 売れば。そこのお客さーん! 上海の風、一枚いかがですかー?」
 その姿を見て、歌い手の女は青い瞳を細めながら、
「そそ。最初から素直にそうすれば良かったのに。まぁ、賭け事の負け分は死んでも払わんとなー」
 と、さも愉快そうに言った。

94 :青春小説 : 2001/01/21(日) 02:23 ID:9tApBXI2
 石川梨華

「コラ、石川!しっかり腕曲げなさいよっ!」
 2年生の安倍先輩の声が聞こえる。
「ハ、ハイ。すいません・・・うぅ・・・。」
「腕立て100回できなかったら校庭10周だからね!」
 同じく2年の保田先輩が容赦ない声を浴びせる。
「はぁっ、はぁっ、もうダメ・・・できない。」
 梨華は力尽きその場に突っ伏してしまった。


95 :青春小説 : 2001/01/21(日) 02:26 ID:9tApBXI2
「はいっ、ダメーッ。校庭10周決定ね!」
 安倍先輩が冷たい言葉を浴びせる。
「そ、そんな〜。もう動けませんよ〜。」
「うるさいっ!黙って走ってこい!
 ランニング終わったら、武道場に集合だからね。わかった?」
 保田がまるで、般若のような面持ちで梨華を見下ろして言った。
「は、はい、わかりました。すぐに行きます。」
 梨華は今にも吐きそうなのを我慢して
 目に涙を溜めながら急いで走り出した。


96 :青春小説 : 2001/01/21(日) 02:28 ID:9tApBXI2
 ここは、水無月学園高等部。石川梨華はここの剣道部1年。
 なにをやっても鈍臭く、ネガティブでさえない女の子である。
 剣道部に入部したのも、そんな自分を変えたいという思いからだった。
 しかし、初心者の梨華はまだ体力トレーニングしかやらせてもらえず
 竹刀すら握らせてもらえなかった。
 トレーニング指導は伝統的に2年生の役目であり、
 梨華はその性格のため2年の安倍、保田のストレス発散の標的となり
 毎日イジメとも言えるようなシゴキを受けていた。


97 :青春小説 : 2001/01/21(日) 02:29 ID:9tApBXI2
「はぁーっ、はぁーっ。もうだめ、死にそう・・・。」
 梨華が青白い顔をして戻ってきた。
 その頃先輩や他の1年生はみんな武道場へ移動していた。
 梨華も遅れて武道場に到着し、先輩達の練習を見学した。


98 :青春小説 : 2001/01/21(日) 02:30 ID:9tApBXI2
「ヤーッ、メーン。 メーン メーン
 メーン メーン メーン。ヤーッ、メーン。」
 勇ましい気合いが道場にこだまする。
(あー、かっこいいなぁ。わたしも早く防具をつけて練習したいなぁ。)
 疲労困憊の梨華であったが、先輩達の勇姿を見ると
 その疲れもどこかへ吹っ飛んだかのように目を輝かせた。


99 :青春小説 : 2001/01/21(日) 02:31 ID:9tApBXI2
「ヤーッ、コテッ、メーンッ!」
 一際大きな気合いを入れて打ち込む声が梨華の耳に入った。
 次の瞬間、3年生で主将の中澤の激しい体当たりで
 その声の主は吹っ飛ばされた。
「その程度の当たりでは、高校レベルでやっていかれへんでーっ!」
 主将の声が道場中に響き渡る。


100 :青春小説 : 2001/01/21(日) 02:33 ID:9tApBXI2
 床に倒れているその子は梨華と同じく1年生の吉澤ひとみといい、
 スポーツ推薦で入学した経験者だった。
 そんな吉澤であったが、まだまだ高校レベルでは通用するはずもなく、
 先輩達からボコボコにされていた。
「特待生の吉澤さんでさえ、あんなに頑張ってるんだ
 わたしも自分なりに頑張って、強くならなくちゃ!」
 梨華はそんな状態でも、必死で先輩達に向かっていく吉澤に
 共感し、いつしか憧れるようになっていった。


101 :青春小説 : 2001/01/21(日) 02:35 ID:9tApBXI2
「今日の練習を終わります。黙想ーっ。」
「やめ!神前に礼。お互いに礼。」
 今日も練習がやっと終わった。
 もっとも梨華の練習といえば体力トレーニングと見学だけではあるが・・・。
 梨華の体力トレーニングも1ヶ月が過ぎようとしていたが
 まだまだ体力不足と言わざるをえない状況だった。
 相変わらず先輩達のイジメは続いたし、パシリをさせられたりもしている。
 しかし一方で、他の1年生、特待生の吉澤とも仲良くなり
 一緒に下校するようにもなって梨華は楽しく部活動生活を
 おくれるようにもなっていた。


102 :青春小説 : 2001/01/21(日) 02:38 ID:9tApBXI2
 吉澤ひとみ

「1年2組吉澤ひとみです。
 今日からこの剣道部でお世話になります。
どうぞよろしくお願いします。」
 吉澤は、はっきりと大きな声で自己紹介をした。
「こちらこそよろしゅう。ウチが主将の中澤裕子や。
 まあ、最初はレベルの違いに驚くと思うけど、
 すぐ慣れると思うわ。いっしょに頑張ろな。」
 そう挨拶が済むとお互いにがっちりと握手をかわした。


103 :青春小説 : 2001/01/21(日) 02:39 ID:9tApBXI2
 吉澤は晴れてこの水無月学園剣道部の部員となった。
 彼女は中学総体の個人戦ベスト8の実績を買われ、
 この高校に推薦で入ることになった。
 腕には自信があったが、一段上のレベルで果たして通用するのか
 どうか不安はあった。しかし、より高いレベルで向上することが
 できるのを楽しみにもしていた。


104 :青春小説 : 2001/01/21(日) 02:41 ID:9tApBXI2
「吉澤、もっと気合い入れて打ち込みなさいよ!」
 2年の先輩飯田が吉澤のお尻を容赦なく竹刀で叩く。
「はい、わかりました。せんぱいっ!」
 吉澤は汗と涙で前がよく見えない状態になりながらも
 鋭い打突を繰り出していく。
(負けられない!絶対に負けられない!)
 吉澤は自分に言い聞かせるように気合いを入れた。
 そう、吉澤には剣道で負けられない理由があるのだ。


105 :青春小説 : 2001/01/21(日) 02:44 ID:9tApBXI2
 吉澤が今でも夢に見る光景がある。
「やーい、やーい、ひとみのデブ!
 わ、吉澤菌がついた。きたねーっ!」
「やめてよ!どうしてそんなこと言うの?
 わたし、汚くないもん。菌なんてないもん!」
「うるせえ!汚いものは汚いんだよ。こっち来るな!」


106 :青春小説 : 2001/01/21(日) 02:46 ID:9tApBXI2
 そう、彼女は小学校時代太っていてヒドイいじめに遭っていたのだ。
 そんな彼女が変わることができたのは中学から始めた剣道のおかげだった。
 剣道をすることで自分自身を磨き、上達することでさらに
 自信をつけることができた。
 いつのまにか誰にもいじめられなくなり、痩せてコンプレックスも消えた。
 いわば剣道は彼女にとって生きる希望となっていた。


107 :名無し娘。 : 2001/01/23(火) 02:25 ID:67fmt352
面白そうなのが始まったね。
続き、頑張って!

108 :青春小説 : 2001/01/24(水) 16:16 ID:sMcO72C6
似た者同士

 梨華が入部してから3ヶ月が過ぎ、ようやく竹刀を握って
 練習をすることができるようになった。
 一方、吉澤のほうも高校レベルにも慣れてきて
 なんとかついていけるようになってきた。

109 :青春小説 : 2001/01/24(水) 16:18 ID:sMcO72C6
「梨華ちゃん、今日もいっしょに帰ろっ!!」
 吉澤の呼ぶ声がきこえる。
 部活が終わると吉澤と梨華は二人で帰るのが日課となっていた。
 今日もいつものように家路へと向かう二人の姿があった。


110 :青春小説 : 2001/01/24(水) 16:19 ID:sMcO72C6
「ねえ、梨華ちゃん。梨華ちゃんはどうして
 高校になってから剣道を始めたの?」
 吉澤が不意に梨華にたずねた。
「え!?あ・・・、なんか言うの恥ずかしいな・・・。」
 急にそんなことを聞かれたので、梨華はうつむいてしまった。
「ねえ、教えてよ。だって友達のことよく知りたいじゃんっ!教えて。」


111 :青春小説 : 2001/01/24(水) 16:21 ID:sMcO72C6
「う、うん、あのね、わたしね、なにをやってもダメでドンくさくて
 自分がいつもイヤでイヤでしょうがなかったの。
 それでね、なにか自分でやりとげたら自信がつくんじゃないかって思って。」
「ふーん、そっかー。なんかわたしに似てるね。」
「え?わたしに似てるってどういうこと?」
 梨華はすぐには意味がわからず不思議そうな顔をして聞き返した。
「剣道を始めたきっかけってことだよ。」
 その後、吉澤から出てくる言葉は梨華にとって
 今の吉澤からは想像もできない過去の吉澤の姿だった。


112 :青春小説 : 2001/01/24(水) 16:22 ID:sMcO72C6
「じつはね。わたし小学校の時いじめられてたんだ。
 ものすごい太っててね。いたでしょ?クラスに必ず
 一人はいじめの標的になる子。それがわたしだったの。」
「えーっ!?それ本当?
 だって今の吉澤さんはすごくかっこよくて
 1年生の女の子がみんな憧れてるよ・・・。」
 そんなことを何気なく、しかも明るく言うので
 梨華は最初冗談かと思ったが、吉澤の瞳がものすごく真剣だったので
 すぐに本当の事だとわかった。

113 :青春小説 : 2001/01/24(水) 16:24 ID:sMcO72C6
「そんないじめられっこだったわたしを変えてくれたのが剣道だったんだ。
 剣道を一生懸命することでわたしは変わることができた。
 イヤだった自分にサヨナラすることができたの。
 だから梨華ちゃんの言ってること、わたしよくわかるよ。」
 そんな過去を持ちながら、それを克服し
 そしてそのことを、さりげなく明るく語る吉澤に
 梨華はますます共感し、彼女を羨望の眼差しで見つめていた。

114 :青春小説 : 2001/01/24(水) 16:25 ID:sMcO72C6
「よ、吉澤さんってますますかっこいいです。
 わたし、ますます憧れちゃう!!」
「そ、そんな〜!わたしそんな憧れの存在なんてもんじゃないよっ!!
 ただ、剣道では誰にも負けたくないってだけ。
 あ!それと同い年なんだから吉澤さんっていうのやめてよ!!
 これからはよっすぃーって呼んでねっ!!
 ちなみによっすぃーってのは中学時代からのわたしのニックネームだよ。」
「よっすぃー?よっしーじゃなくてよっすぃーなんだ〜。
 なんかおもしろいねっ!!」

115 :青春小説 : 2001/01/24(水) 16:26 ID:sMcO72C6
 梨華にとって、今まで憧れていた吉澤の存在が急に近くに感じられた。
 自分のことを理解してくれる存在であることがとても嬉しかった。
 そしてまた、吉澤も同じことを感じていた。

116 :名無し娘。 : 2001/01/24(水) 16:28 ID:SXS2NHjM
不細工な小説だな

117 :zetima : 2001/01/24(水) 16:36 ID:f5Kfn9Tc
全然面白くないんだよ!
糞!やめろ!死ね!
何が青春小説だ!俺はこういうウンコ臭いストーリーを見ると虫唾が走るんだよ!!

118 :名無し娘。 : 2001/01/24(水) 21:02 ID:FiJTg9Xc
君等はどうか知らんが、俺は好きだな。
どうぞ、このまま。続きをよろしく。

119 :青春小説作者 : 2001/01/24(水) 23:30 ID:xtI/D3.A
どうも評判がよろしくないようで・・・。
生まれて初めて書いた小説なので、大目に見てくだせ〜。
しかし、自分でもわかってたけど確かにただのオナーニですな。
ここらで打ち切りにします。
読んでくださった方々どうもありがとうございました。

120 :名無し娘。 : 2001/01/24(水) 23:42 ID:FiJTg9Xc
こらこら。俺の意見>>118 はどーなるんだ……。
まぁ打ち切るのは勝手だけど、練習スレで練習したんだから、
今度は本番を見せてくれよな。いつでもいいからさ。
近い将来、新小説のスレが立つのを心待ちにしている。

121 :ハケ水車 : 2001/01/25(木) 00:04 ID:J3mFbrAk
新小説もいいんだが、ぺそんの続きが気になるんだが

122 :青春小説作者 : 2001/01/25(木) 05:24 ID:C0xEoBJk
>>120
すみません、まだまだ未熟者なので
スキル磨いて出直します。
ご意見どうもありがとう。


123 :名無し娘。 : 2001/01/27(土) 16:14 ID:itBMW9YA
プラクティス

124 :名無し娘。 : 2001/01/29(月) 00:38 ID:.vwjlCIc
一応、保全。

125 :保田 : 2001/01/30(火) 22:56 ID:N9xDGIQk

 保田は、立ち上がれないでいた。
 たった一撃で屠られた衝撃が恐怖へと転じ、保田の体をがんじがらめに縛り付けていた。
 宮司との交戦中、確かに感じていた高揚感は跡形も無く消え去っており、ただ敗北感だけが自意識の底深くに重く沈殿していた。
 圭織の危機は決定的となった。
 個人のストーカー行為に留まらず、組織立った誘拐行為が目の前で成されようとしている。

126 :保田 : 2001/01/30(火) 22:58 ID:N9xDGIQk

”だけど――“
 弱々しく歯軋りが鳴った。
”私には圭織を守る術がもう、無い“
”歌手風情が粋がったところで……暴力のエキスパートな奴らにゃぁ勝てやしない……“
”所詮は錯覚だったんだ――戦闘の最中に感じた、あの魂を焦がすような昂ぶりは“
”錯覚だった……のさ“

127 :保田 : 2001/01/30(火) 22:59 ID:N9xDGIQk

 ――このまま、凍死しちまえ――
 寒さが、汚れた雪塗れの体から、徐々に気力だけでなく、生命力さえ奪いつつあった。
 頭の重さで潰れた耳に不快な音が聞こえてきた。僅かに残った体温で雪が解ける、じゅくじゅくとした音。圭織の悲鳴。車のドアが乱暴に開けられる音。
 そして、知った名前。ここでは聞く筈など無かった、恐らくメンバー内では保田だけが知る、名前。
 猛烈に笑いが込み上げてきた。

128 :名無し娘。 : 2001/01/31(水) 03:43 ID:4YzaoL1o
途中で割り込むが許してくれ

129 :名無し娘。 : 2001/01/31(水) 03:44 ID:4YzaoL1o
石川:みんな今日はよく集まってくれた。
   話というのは他でもない、中澤暗殺計画についてだ。
保田:暗殺?
石川:ああ、最近は身の危険を感じるときが多い。つっこみも本気で入れてくる。
   目がマジだ。殺らなければ殺られる。
飯田:でも彼女は強敵よ。ただ向かっていっても返り討ちに逢うだけだわ。
石川:ただ向かっていけば、そうだろうな。策が無ければやらないさ。
   吉澤、例のものをみんなに配って。
吉澤:はい、みなさんブルーのファイルを見て下さい。
   これはここ半年の彼女の行動を記録したものです。
   そしてこちらグリーンのファイルはこのデータから
   来週彼女がとるであろう行動をシミレーションしたものです。
   P5にある日曜日の予測行動を見て下さい。

>11:57 起床、髪の毛をモシャモシャ掻く。
>11:59 着る服がないので昨日脱いだジャージをまた履く。
>12:08 昨日の酒が残っているが胃薬は切れてるので向かい酒で対応。
>12:19 のど自慢から目が離せなくなる。ついでに歌う。
>12:44 G1があるのを思い出し今日の予想を始める。
>13:47 電話投票の後、必勝祈願と称して風呂で酒を抜く、
>15:26 つもりだったが湯当たりして予想したR7を見逃す。
>16:02 鉄板狙いが裏目裏目でビールからウイスキーに移行
>17:21 旅番組の豪華夕食見て空腹に気づき宅配ピザ頼む。
>18:30 笑点のオープニングですでにゲラゲラ大爆笑。

130 :名無し娘。 : 2001/01/31(水) 03:44 ID:4YzaoL1o
吉澤:ここです。ドリーム競馬終了から笑点開始までの2時間半は、
   彼女が最も弛緩している時間帯です。ここを狙います。
石川:ご苦労。みんな今聞いたとおりだ。
   次の日曜ヒトハチマルゴーに中澤暗殺計画を実行に移す。これは最終決定だ。
後藤:策があるって言ったよね。まだ聞いてないよ。
石川:私が犠牲になる。
後藤:!?
吉澤:みんなが生き残ろうとすれば中澤暗殺計画の成功は望めません。
   ・・・まず梨華が一人で突撃し・・殺されます。  
石川:しかし私を殺す瞬間中澤の背後はがら空きになる。
   そこを狙って吉澤が行く。
後藤:自分は死ぬって事か。そこまで中澤が嫌いか?
石川:一度あのツッコミを味わってみな。世界が変わるさ。
後藤:そこまでする価値があるのか、あの女に。
石川:実行は私と吉澤でやる。
   この事を話したのは参加を要求するためではない。
   ただ向こうの側に付かないでくれればいい。傍観しててくれ。
   ミニモニ組にはこの事は話していない。
   あのリーチじゃ戦力にならないし、何より無駄に命を散らすことはないからな。

131 :名無し娘。 : 2001/01/31(水) 03:45 ID:4YzaoL1o
保田:梨華、ずっと辛かったんだね、立場が違うとはいえ辛い気持ちは痛いほど分かる。
   私は参加する。でもそれは彼女が憎いからじゃない。あなたのためよ。
安倍:・・・・・・ごめん、私には、できないわ。
吉澤:ううん、気にしないで。それが普通よ。
飯田:人生なるようにしかならない。もしこの世に運命があるのなら
   私が何をしようが結果は変わらないはずよね。
   なら止まってるよりは動いてる方がいいわ。話を聞いたのも運命ね、やるわ。
後藤:とりあえず答えは保留するよ。
石川:それもまた答えだ。
   では、吉澤、保田、飯田、君たちの命もらうぞ。


132 :名無し娘。 : 2001/01/31(水) 03:46 ID:4YzaoL1o
中澤:ふぉー、酒飲んだ次の朝は頭かゆいな、ってもう昼だよな。
中澤:おいおい、服がないよってそりゃ洗濯してないからだよな。
中澤:胃薬が切れてるよってそんなもん始めからないんだよな。
中澤:宮津市から中継って言われても知らねえよ。
中澤:君達マンゴだね♪
中澤:ステイゴールドが軸だから3枠は外しだな。
中澤:                        あ、いま、意識飛んでた。
中澤:ぶーう、危うく死ぬところだったぜ。
中澤:8点買いで外れるとはこれ如何に。
中澤:ダブルチーズで。ええ、、はい、特急便で。

133 :名無し娘。 : 2001/01/31(水) 03:46 ID:4YzaoL1o
石川:     裕子。
                 死ね。

中澤:石川か、そんな熱くなるな。もうじきピザが来るから食え。

134 :名無し娘。 : 2001/01/31(水) 03:47 ID:4YzaoL1o
    

135 :名無し娘。 : 2001/01/31(水) 03:48 ID:4YzaoL1o
石川:クッ・・・
中澤:わかったろ、勝負は熱くなった方が負ける。
   熱くなってもいいことはなんもない。早く正常に戻れ。
石川:・・・殺せ。
中澤:お前を殺したら影で隠れてる奴らも殺さなあかん。それは出来んよ。
石川:!!
中澤:気にするな。と言ってもその年では無理だろうな。
   焦りは時間が解決してくれるのを気長に待つしかないからな。
店員:ピザお届けに参りましたー。
中澤:大丈夫、人間って奴は単純だから腹が膨れたら気持ちも膨れるさ。  

136 :名無し娘。 : 2001/01/31(水) 03:48 ID:4YzaoL1o
中澤:!

137 :名無し娘。 : 2001/01/31(水) 03:49 ID:4YzaoL1o
後藤:あいにく熱いピザは品切れでね。熱い鉛玉をサービスしとくよ。
中澤:この馬鹿がっ・・・こんな、・・・では、なんにも、なら・・・。

138 :名無し娘。 : 2001/01/31(水) 03:51 ID:4YzaoL1o
後藤:梨華!大丈夫か!
石川:・・・なかざわさんは?
後藤:大丈夫、死んだ。全て終わったぞ。
石川:ちがう・・・
後藤:? おい! 大丈夫か!
石川:ちがう・・・もどしてくれた。
後藤:何が違う?何が戻ったんだ? しっかりしろ!
石川:違う・・・あの人は・・・なぜ私は・・・

      おしまい

139 :名無し娘。 : 2001/02/01(木) 00:26 ID:gtAELVHM
>>128
練習スレなんで、好き勝手に使ってチョ。
なんつーかご馳走様でしたー、美味美味。

140 :名無し娘。 : 2001/02/01(木) 00:50 ID:ScyQ4urQ
上手いね。短いけど話に無駄が無い。
短くまとめるのは長く続けるのと同じぐらい難しいからね。

141 :名無し娘。 : 2001/02/04(日) 00:17 ID:Z3phdkOs
128さんのも良かったけれど、前の話の続きも早く読みたい。

142 :名無し娘。 : 2001/02/07(水) 02:27 ID:guGCkX/Q
保全

143 :名無し娘。 : 2001/02/09(金) 01:01 ID:DetTTXAo
わりぃ。二日に一回は書き込んでおかないと駄目だな。
んじゃ、未来の為に保全……。

144 :名無し娘。 : 2001/02/11(日) 12:35 ID:639I6YIg
あいつは氏んだはずなのに。

145 :名無し娘。 : 2001/02/14(水) 01:56 ID:0cb4XlUY
すばらしいみらいに。

146 :大河好き : 2001/02/16(金) 23:23 ID:KIRaftM6
「20年後の矢口真里」

結婚した矢口真里には双子の娘がいた

ふたりともお母さん似で身長も母親とほぼ同じ位だった

だから矢口が台所で家事などをしているところなどで、更に双子の娘がお手伝いをしていると、はためには三つ子なのではと見間違うほどよく似ていた

二人の名前は長女が「真由」次女が「真弥」といった

ある日真由か矢口に尋ねた

「お母さん 昔アイドルグループにいたんだよね?」

「そうよ・・・」

「モーニング娘っていうクループだったんだよね?」

「うん そう」

「あのね きょう学校の先生が言ってたんだけど 先生も昔モーニング娘のファンだったんてすって」

「へーすごいじゃない」

「あのね 先生がいうにはね あたしの姿がお母さんの昔の姿にそっくりだったんだって あたしねまだ一言もお母さんがモーニング娘だってこと学校では言ってないのに先生にはすぐにわかっちゃったみいなの」

「あら そうなの やっぱり親子なのね・・・」

「先生がねアタシに`セクシービーム`って言ってくれって言うの」

それを聞いて妹の真弥も言った

「そうそう あたしも先生に同じ事言われた!」

真由「ええ!あんたも!」

真弥「そうなのよ」

真由「じゃ二人でやってみましょうか?」

真弥「うん」

真由 真弥「セクシィィィ ビィィィィィム!!」

矢口はそんな二人の動作を静かに見ていた


――――終わりーーーー


147 :名無し娘。 : 2001/02/19(月) 19:35 ID:SpGgZMXo
次は三人揃って、、、

148 :名無し娘。 : 2001/02/21(水) 13:18 ID:Tx83qWII
−−−−−あの日のままで−−−−−

ほこりまみれの陽に焼けた肌。通いなれた放課後の道。野球帰りの子供たちの後
から笑いながら石川が駈けてくる。時は過ぎても、あの日のままの、はのかんだ
ような石川の笑顔に、思わず僕はうつむいてしまった…

149 :     : 2001/02/22(木) 02:13 ID:NDuCQle2

「後藤」
「……」
「ごとー」
「……」
「真希ちゃーん」
「……」
「ありゃりゃ。声も出せないんだ」

150 :     : 2001/02/22(木) 02:19 ID:NDuCQle2

 後藤真希が右腕を逆に取られ、床に組み敷かれていた。
 後藤の背中に膝を押し当て、市井紗耶香は楽しそうに笑っていた。
 そして保田圭は、痛む腹を押さえながら、前のめりに倒れていた。

 三人の他には誰もいない深夜のレッスン場に、緩やかな狂気が満ちようとしていた。

151 :保田 : 2001/02/22(木) 02:20 ID:NDuCQle2

 ――惨めだ。何も出来ずに倒れているだけで。目の前で蹂躙される仲間を救う事も出来ずに、ただ声による牽制を繰り返すだけ――
 保田の絶望感をいや増しているのは、蹂躙している者もまた、彼女にとっては大切な仲間であるということだった。
 ――止めなければならない。こんな狂った状況を。後藤にとって。そして市井にとっても。取り返しのつかない事にならない内に。彼女達をなんとしてでも、救わなければならない――
 保田は、ぜぇぜぇとしか鳴らない喉に気力をかき集め、声を絞り出した。
「さ……紗耶香」
 どうしようもなく、声が震える。
「なーに? 圭ちゃん」
 市井は笑っていた。
 どう見ても、暴力を行使している人間のする笑顔ではなかった。
 市井の一点の曇りも翳りも無い涼やかな笑顔が、保田を絶句させた。

152 :保田 : 2001/02/22(木) 02:21 ID:NDuCQle2

 それでも引く訳にはいかなかった。保田は揺らめく意識の中で、優柔に陥りそうにな自分を罵り、ひたすら怒りへと駆り立てていた。
「……やめてあげて。後藤を放してやって……!」
「なんでよ?」
 譲歩のニュアンスなど微塵も無い市井の返答に、保田は再び沈黙した。

「圭ちゃんさぁ」
 市井が空いた左腕を、肩ごとぶらぶらとさせる。
「よわっちいのに、かーっこいいよね」
 小刀のように綺麗な指が、ふい、と保田の方に向いた。
 途端、保田の腹部に、引きかけていたはずの痛みが復活した。市井を止めようとした時に受けた、黒く冷たい刃で抉られるような、容赦のない一撃の記憶が保田を襲った。
 間断なく反芻される激痛と次打への恐怖に、保田はひぃ、と泣いた。

153 :市井 : 2001/02/22(木) 02:22 ID:NDuCQle2

「でもさ?」
 市井が、右頬に違和感を覚えて指を伸ばす。
「こんなんじゃぁ、生きてけないよ? 二人とも。よわよわじゃん」
 言いながら、張り付いていた髪の毛を指で摘み取る。
 後藤の毛だった。
「たぶん」
 目を細め、つまらなそうに口を尖らせる。
「ちょっと風が吹いただけで、死んじゃうよね」
 ふっ。
 栗色に輝く糸が、目で追い切れない何処かに吹き飛ばされた。

154 :市井 : 2001/02/22(木) 02:23 ID:NDuCQle2

「腕相撲した時は、『おっ?! こいつはなかなかやるなぁ』なーんて思ったけど。全然大したこと無かったね。腕なんて、ほら、簡単にもげそう」
 ぐい、と掴んだ後藤の腕を、無理な方向にひっぱる。
 それは強度検査のように、何度も繰り返された。

155 :後藤 : 2001/02/22(木) 02:24 ID:NDuCQle2

「うえーーん」
 終に痛さに堪え切れず、後藤が子供のように泣きだした。
「ひ、ひぃーーん」
「おいおい……泣くなよー」
 呆れたように市井が言う。
「ぐす……ひっく」
 しゃくり上げる後藤を愛しげに見つめながら、市井が言う。
「あはは……後藤、かわいいなぁ。ほんっと、かわいいなぁ」

「殺してやりたいくらい……に」

156 :後藤 : 2001/02/22(木) 02:25 ID:NDuCQle2

 その時、市井の下で微かな抗いが生じた。後藤が痛みに萎えきっていた体を、何かにつき動かされたかのように、身悶えさせていた。
 そして僅かながら体の自由を確保すると、首を市井の方へ無理に捻じ曲げ、叫んだ。
「殺せば……じゃぁ、殺せばっ?」
 虚を突かれた市井が、少し驚いた様子で後藤を見つめる。
「これからもこんなひどい事がずっと続くんなら、もう、生きていたくないよ……優しかったいちーちゃんはどこへ行っちゃったの?」
 その問いにもなんら動ずる気配は無く、市井は目を細めながら、足元の叛乱を穏やかに見守っていた。
「もとに戻ってくれるのを何日も何日もずっと待ってたけど、もう限界だよ! わたしがそんなに憎いの? じゃぁ、さっさと殺せばいいじゃん! それできっぱり終わらせれば!? もうわけわかんないよ!!」 

157 :     : 2001/02/22(木) 02:27 ID:NDuCQle2

「……それもいいかもね」
 ぼそり、と市井が呟いた。
 後藤がその言葉に、顔面を白くさせる。

「バイバイ、後藤」
 市井が後藤の体を、まるで人形のように放り出した。
 更に、左腕を拳ごと弓のように引き絞る。市井の目は、後藤の喉元に狙いを定めていた。
「さやかぁーーーっ!!」
 底無しの暗い予感に、保田が絶叫した。


158 :名無し娘。 : 2001/02/25(日) 12:54 ID:PoEaZBME
保全しとこ

159 :後藤 : 2001/03/03(土) 22:35 ID:Py1Rou4I

「はー。早く終わんないかな。ヒマだよぉ」
 後藤が矢口の方を振り返ると、まだ話し合いの最中だった。相手は防寒帽を被った男で明らかに日本人ではない。
“北の国からのお客さん”
 矢口がそんな事を言っていたのを思い出しながら、後藤はコートのポケットに手を突っ込み、雪の降る中をぼんやりと立っていた。
 はじめ、流暢なロシア語を話す矢口に後藤は驚愕した。少なくとも自分が加入してから現在まで、そんな技能を矢口にアピールされた事は一度も無い。
 口早に、捲くし立てるように話す男の態度に臆する様子も無く、終始落ち着いた調子で対処する矢口を見守りながら、後藤は一つの疑問にぶち当たっていた。

160 :後藤 : 2001/03/03(土) 22:35 ID:Py1Rou4I

 正月特番の、保田と矢口がロシアへ旅行した折の映像が脳裏に浮かぶ。目的地へ向かう飛行機の中、保田と二人頭を寄せ合って懸命にロシア語を勉強していた矢口の姿。あれは偽りだったのだろうか?
「きっと、あれでロシア語に興味を持った真里は必死で勉強したんだろうね。うん。そうに違いない」
 そう、ひとりごちながらも後藤は、自分の打ち出した結論を全く信じてはいなかった。
 そっと、もう一度矢口の方を見遣る。
 矢口の横顔の輪郭は背景に白く溶け込んでおり、降り積もった雪との境界線を曖昧にしていた。
 見とれていたのは束の間だったのかもしれない。気が付くと工場の入り口付近に少女が立っており、明らかにこちらを見ていた。

161 :名無し娘。 : 2001/03/03(土) 23:52 ID:3q9QMroU
タイトルなんだろ?
ないのかな?

162 :単なる保全用書き込みです。 : 2001/03/04(日) 12:16 ID:Ci5DVdxA

 紺のセーラー服姿に中々の長身。ショートカットの少女は、白が基調の景色から随分と浮き上がって見えた。

「北海道の女子高生はすごいねぇ。こんな寒いのに生足だよ」
 見れば手に黒い筒を持っている。卒業式帰りのようだ。
「卒業かぁ……そんな季節なんだねぇ。あーあ、最近学校行ってないなぁ……うーん。あたし、卒業できるのかなぁ……?」
 腕組みをしながら独り言を繰り返していた後藤は、そこでようやく矢口の姿を人に見られるのは拙いかもしれないと思い当たった。
 今のところ、少女が立っている場所からは手前の壁が邪魔になって目撃される心配は無い。が、向こうから歩み寄ってくるのなら話は別だ。人差し指をこめかみに当てながら次善の策について暫し思案する。
“よし! こっちから行っちゃえ”
 そう決めると後藤は素早かった。雪の薄い場所を探しながら、思い切った歩幅で歩み始める。

163 :娘。 : 2001/03/10(土) 02:41 ID:i1WS5KWs

「信じらんない」
 目の前の廃工場は、少女にとって、たった一人で思索に耽ることが出来る唯一の場所だった。
 学校帰りに立ち寄り、机代わりの倒れたキャビネットにノートPCを置き、バッテリーが切れるまでひたすらキーを叩き続ける。
 そうやって書き綴った物語を、その日のうちに行きつけの掲示板上で公開する。
 そんな日々が今日で終わるというのに、大切な場所に他人が土足で踏み込んでいる。それも、モーニング娘。の後藤真希が。なんて非常識な話だ。
 いや、相手が誰だろうと関係無い。よほど、出てけバカ!、と怒鳴りつけてやろうかと思った。
 それを思い止まったのは、今日が卒業式という一応大切な日だったせいかもしれない。
 口汚く罵ることで大事な思い出の日を汚したない、という意識が確実に体のどこかで働いていた。
「……で、なんで向こうから近寄って来るわけ?」

164 :名無し娘。 : 2001/03/13(火) 01:32 ID:7PczLkwg
小説書けないから、ただの保全。

165 :後藤 : 2001/03/13(火) 02:39 ID:ITMHRQls

 ――う、もしかしてあの子、怒ってる? なんで?
 向い風のように吹き付ける怒りの感情が、後藤の歩みを徐々に鈍らせていた。今にも立ち止まりそうになりながら、改めて少女の容姿を眺めてみる。
 ――ちょっと綺麗な子、なんだよね……。もしかして圭織よりも背、高いかも……。
 少女は、後藤が歩み寄ろうとしているのに対して身動ぎもせず、ただ、見る者に強固な意志を感じさせる太目の眉を若干顰めながら、その身を雪の中に佇ませていた。
 ――寒い中、二人見つめ合っててもなぁ……話しかけないと……。よし。
 ――覚悟は出来た! 恥ずかしいのは一瞬だけ! いっせーのーれ!
「「あの」!」
 ――ありゃ?
 声が揃った。
 ――普通ならこれで、二人は打ち解け合ったりするんだろうけど? どーなの?
 だが後藤の期待とは裏腹に、少女から一方的に発せられる緊張感が安直な展開を許さなかった。

166 :名無し娘。 : 2001/03/16(金) 07:58 ID:3lmnafB6
、、、

167 :矢口 : 2001/03/18(日) 00:31 ID:D0vDwJmI

「ご注文頂いた商品に関しましては、これで全てお渡ししたことになります。ご確認ください」
「ありがとう。正直、ここまで手際よく進めてくれるとは思わなかった。感謝してる。それで……」
 矢口は目的の品が積み込まれたランドローバー社製4WD車、フリーランダーを横目で見遣りながら、男の答えを促した。
「心得ております。『大型』のものに関しては、現在、洋上を輸送中でして、到着は明日の予定になってます」
「抜かりなしって感じね。じゃぁ、これ、約束の金額の小切手ね。残りは明日、最後の品を受け取ってからってことで」
「お買い上げ、ありがとうございます。あなたにとっての明日が、今日と同じく良いものでありますように」
 男は、真剣な面持ちで矢口から小切手を受け取ると、それを両手で頭上に掲げ感謝の意を表した。

168 :矢口 : 2001/03/18(日) 00:33 ID:D0vDwJmI

 正月特番でマトリョーシカを完成させた後、シェレメチェボ国際空港から保田と共に帰国する予定だった矢口が、体調不良を訴え、モスクワ市内の病院に緊急入院した事を知る者はごく一部の番組スタッフを除いて居ない。
 そして幸いにも半日で退院できた矢口が無事、一日遅れの帰国を果たした事も――。だが、それさえも表向きの事情説明に過ぎなかった。
 僅か半日。その間、矢口はベッドの住人などではなく、驚くべきアグレッシブさでロシアの地を動き回っていた。
 レンタルしたボルガでモスクワ市内を駆け巡り、目的の男とのコンタクトをとり、期限ギリギリで今回の商談にまで漕ぎ着けられたのは、彼女の類まれなる高い交渉能力があってこそ可能な事だったと言えよう。

169 :2000年某月 モスクワ市内 : 2001/03/18(日) 00:34 ID:D0vDwJmI

 商人の男は、アドルフと名乗った。
 ロシア人らしくない名前を持つその男は、違法すれすれの商売をしながら大胆にもジェルジンスキー広場近くに居を構え、見かけ二十代後半ながら早くも老成した雰囲気を漂わせていた。
「所謂モーヲタはなにも日本固有のものではありません。旧ソ連時代から日本のアイドル・ファンは確実に存在してましたし、かくいう私もモーニング娘。結成当初からの熱烈なシンパです」
「でも、圭織のファンなあなたが、私にここまで積極的に協力してくれるのは何故なの?」
「飯田さんと同じタンポポのあなただから……というのも一つの理由ですが、あなたの目的と私達の望む未来が一致したから、と言う事では説明になりませんか?」
 前半の冗談めかした口調が、一転して後半、真剣な色を帯びた事から、少なくとも男の今の言葉に嘘は無いと矢口は判断した。幾分、緊張を解いた矢口が続ける。
「……何もかもお見通しってわけね。分かった。じゃぁ、今回の事、よろしくお願いするわ」
「こちらこそです。矢口さん」
 手袋を外した矢口が、腕を上げ目にして差し出し、二人は固い握手を交わした。

170 :矢口 : 2001/03/22(木) 02:44 ID:pYySfgEw

 かくして約束は果たされ、二人はロシアから遠く離れた北海の地で再び握手を交わしていた。

 去り際にアドルフが告げた言葉は、矢口にとって性質の悪い冗談にしか聞こえなかった。
“矢口の動きを察した者が、この北海道に刺客を送り込んだ”
 しかも、ふざけた事に、その刺客は女子高生の姿をしているというのだ。
「それってロシアン・ジョークってやつ?」
「……なら、お愛想笑いで済ませられたのですがね」
 目前の少女の身を案じてか、悲壮に翳ったアドルフの表情は、その情報が全て真実であると物語っていた。
 取引が無事終了した事を帳消しにしかねない、碌でもないバッドニュースに矢口が表情を曇らせる。
 ここまで相手の動きが早い事は完全に予想外だった。下手をすれば、計画の全てが水泡に帰す事も有り得る。
 だが、矢口は内心の動揺を早くも抑え込み始めていた。
「ふーん……まぁ、ケ・セラ・セラ、なるようになるってとこね」
 と、余裕の笑みを口元に浮かべながら、短く歌う。
 矢口はかつてなら考えられなかった自分の逞しい成長ぶりを誇らしく思うと同時に、内に秘めた決意を新たなものにしていた。

171 :名無し娘。 : 2001/03/24(土) 09:04 ID:QcyHK.jo
、、、

172 :約束 : 2001/03/27(火) 02:47 ID:fRcfNyKE

 TV局の廊下に無造作に置かれたピンク色の宇宙飛行士服の中で、
 ミカ・トッドは全身の皮膚を剥ぎ取られ、窒息死していた。

173 :名無し娘。 : 2001/03/30(金) 01:02 ID:to8D1yGY
、、、

174 :名無し娘。 : 2001/04/03(火) 00:20 ID:72K.1y6U
hozen

175 :どっちの名無しさん? : 2001/04/05(木) 01:43 ID:oCqMp5KU
ネタ募集中です。
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=ami&key=984930726

176 :名無し娘。 : 2001/04/07(土) 10:16 ID:Wt2LhO2E
敵に塩を送るような真似は…………というか、ネタが湧き出まくる人が、羨ましく思える。

177 :保田 : 2001/04/10(火) 03:05 ID:i1WS5KWs

 保田は起き上がるなり、陳謝とは逆の方向に走り出した。
 陳謝は、その予想外な行動にも動じた様子は無く、闇に保田の背中が消えるのを待ってから、セルシオに向かって歩き出した。
 車内ではぺそんが待ち兼ねていた。
「遊びも程々にね」
 後部座席で薄い唇を曲げながら言う。膝の上には傷ついた宮司の頭が乗せられており、ぺそんはその髪を愛おしげに指で梳いていた。
 陳謝は運転席に回り込むと、ドアを開けて乗り込もうとした。
 その耳に、微かな金属音が、風の音とともに聞こえて来た。

178 :名無し娘。 : 2001/04/14(土) 00:19 ID:rKDduL6w
hozen.

179 :保田 : 2001/04/14(土) 15:54 ID:.OfO4PhE

 陳謝の高い戦闘知覚能力は、背後から飛来する物体を既に察知していた。
 物体が後頭部に接触する寸前でバックナックルを放つ。「ガラン」、という妙に響く音と共に、弾かれた物が地面に叩きつけられた。
 それが自転車の前かごであると確認する間も無く、第二波が陳謝を襲った。
 急迫するプレッシャーが、陳謝を強引に向き直らせる。
 その目に、俄には信じ難い光景が飛び込んできた。
 自転車に乗った保田が、セルシオから僅か数メートルの位置にまで迫っていた。

180 :保田 : 2001/04/14(土) 15:54 ID:.OfO4PhE

 保田は全力でペダルを漕いでいた。雪に塗れ冷え切っていた体には、マグマのような熱い血のめぐりが蘇り、心の猛りはピークに達しようとしていた。
 一時、戦場から引いて保田が向かったのは、駐車場の隅にある自転車置き場だった。
 真っ先に目に付いた黄色い自転車に駆け寄りながら、防犯用錠にロー・キックを放ち破壊すると、
 自由になった車体を振り回すように方向転回し、もと来た道を猛烈な勢いで引き返した。
 さながら誘導ミサイルのように陳謝の立つ位置を目指した。走りながら片手で前かごをもぎ取り、標的に向けてスローした。
 車上でバランスを崩さないように加減したため、速度はそれほどでもなかったし直撃する事を期待してもいなかった。
 だが、一連の牽制行動は絶大な効果を保田にもたらした。

181 :保田 : 2001/04/14(土) 15:55 ID:.OfO4PhE

 陳謝がかごを払い除ける時に生じた僅かな隙。そこに付け入るべく、更なる脚力をペダルに投入する。
 俗に言う“ママチャリ”であって、元々並みの強度しか持たない自転車のチェーンが、そして車体そのものが悲鳴を上げる。
 保田が、敵に感づかれること無く接近する為に抑えていた、激烈なまでの魂の昂ぶりを解放する。
 先鋭化した殺意が、陳謝の体に到達した。
 保田は、無意識のうちに咆哮していた。
「うおおおおおお!!」
 ハンドルから両手を離すと上体を、車体に額を打ち付けんばかりに落とし込み、続いて両肩に力を集中する。
 どの腕を繰り出すか、それは陳謝にも、当の保田にも分からなかった。
 ドアの向こうに立つ陳謝を車内に押し込むように、自転車の前輪がセルシオのドアに接触した。
 その瞬間、保田の極限まで高められた闘争本能が叫んだ。
“右”
 何の迷いも無く、渾身の右ストレート・ブロウを保田が放った。
 直前、時速40キロ・メートルにまで加速していた自転車のスピードを乗せ、保田の腕が一直線に伸びる。
 ブロウとの摩擦熱で空気が焦げたような匂いを放つ。
 避けられないと即座に判断した陳謝が、保田の攻撃を防御すべく両腕をクロスして眼前に掲げた。
「ギャッシャァ――!!」
 とてつもなく巨大な打撃音が広い駐車場に響き渡った。

182 :名無し娘。 : 2001/04/17(火) 05:45 ID:eZmMJ4a2
ほぜん

183 :名無し娘。 : 2001/04/18(水) 21:25 ID:D0vDwJmI

小説スレッドや長文ネタスレッドが溢れる(羊)板の現状を見るにつけ、
このスレの果たす役目は終わったな、とつくづく思う。

今まで、保全書き込みや更新告知をして下さった方々にはお礼を言いたい。
そして、練習と言いながら、素晴らしい書き込みをしてくれた
>>67
>>94-106 >>108-115
>>128-138
>>146
の方々、本当にありがとう。最高に楽しませて貰った。

184 :名無し娘。 : 2001/04/19(木) 00:21 ID:.aBZm6RI
>>183
終わりにするんですか?


185 :名無し娘。 : 2001/04/19(木) 00:47 ID:lnq5wWI.

と言いますか、これからは好き勝手しますんで、小説更新告知から外してやって下さい。
それと、保全も自己責任でやっていきますので、放置してやって下さい。すいません。

今までありがとうございました。

186 :名無し娘。 : 2001/04/19(木) 23:25 ID:.aBZm6RI
>>185
了解しました。

187 :保田:2001/04/21(土) 10:24 ID:nAYfs/K2

 皮肉な事に、保田の持つ驚異的なポテンシャルを引き出したのは、陳謝の初撃だった。
 一撃で地に叩きのめされた事で、人間が本来持つ、暴力的な物を忌避する心の箍を外す結果になってしまった。
 今や保田圭は闘争本能の塊と言えた。

188 :名無し娘。:2001/04/23(月) 08:19 ID:OqST0aSg
世知辛い。

189 :名無し娘。:2001/04/25(水) 08:42 ID:2xfF97hw
っつーか、また厳しくなったな。一日一レス必須とは。

190 :名無し娘。:2001/04/26(木) 09:07 ID:Af/VJIaU
まったく世知辛い

191 :名無し娘。:2001/04/27(金) 05:41 ID:.ZGKOVxE
保田全

192 :名無し娘。:2001/04/29(日) 09:06 ID:dkW/eDSY
>>185 なーんて見栄張っておきながらこの有様…。
>>190 >>191 どうもすみませぬ。

193 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/04/30(月) 11:43 ID:7grU8eTs
「はぁ…」
私、保田圭は知らず知らずのうちにため息をついていた。
「圭ちゃん、エビフライ見てなにため息ついているの?」
声を掛けてきたのは、目の前で弁当をつっついている矢口真理だった。
どうやら私は人目もはばからず空想の世界に浸っていたらしい。
「私を見ないでっ!」
きっと私は赤面しているに違いない。
自分でも頬が熱いのがわかる。
たぶん耳まで真っ赤になっているのだろう。
こんな顔を見られたら、この親友に胸の中を思いしられてしまいそうで、
私は怖かった。
だから矢口、私を見ないで…。
「圭ちゃん、エビフライに恋しちゃったの?」
「そっ、そうなの、私はエビフライが好きなの、愛してしまったの」
からかい半分で言った矢口は呆れていた。
いいのよ。
呆れちゃって。
だって、私はとんでもない女なんだもん。

194 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/04/30(月) 11:44 ID:7grU8eTs
そう、私保田圭は同じ娘。のメンバー吉澤ひとみに恋をしてしまったのだ。
吉澤は女で私ももちろん女だが、そんなことはどうでもいい。
さすがに、最初に吉澤への恋心を感じたときは、私ってばやばい人種なの
かな〜、なんて思ってりもしたけど、ふん、この業界じゃこんなことはあ
りふれたことなのさ、とあっさりと開き直ったのだった。
しかし、しかし、まさか自分でもどうにも出来ないぐらい吉澤への思いが
膨らんでしまうとは、思わなかったのだ。

吉澤が今頃、楽屋でエビフライを食べているかも知れないと思うと、この
弁当のエビフライがとっても愛おしい。
こんな気持ちは矢口には分かるまい。
なんせ私だって、自分で判りかねているぐらいだ。
エビフライさん、エビフライさん、あなたはとってもチャーミングね。
食べてしまうのが惜しいくらいよ。
「実らぬ恋などしないのが、身のためだと思うけど〜」
ずきっーん。
矢口ぃぃぃっ、お前は言ってはならないことを〜。
もちろん、矢口はエビフライに対して言ったのだろうけど、私には堪えた。
ひどいよ、矢口、あんたには私の気持ちが分からないんだ。
私の胸の中はキラウエア火山のように燃えたぎっているというのに。
「もしかして圭ちゃん、好きな人でもできたの〜」
矢口の目が審問官のそれに変身する。

195 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/04/30(月) 11:47 ID:7grU8eTs
「…聞かないで…」
「へぇ〜!!そうかぁ。圭ちゃんがねぇー」
「矢口っ!」
なぜ?
なぜわかったの?
人の心が読めるのか。
恐るべし矢口真理。
「誰なの?」
「…それは、い、いえない」
「ふーん。秘めた恋ね…。あまり隠し事をしない圭ちゃんが言えないと
なると、なんかわけありの相手なんだ」
声をひそめて、矢口が尋ねる。

ぎくり。
「…何でわかるの?」
どぎまぎしながら私も声をひそめて聞き返す。
「まぁ、ね。私も色々あったから」
「そうなんだ…。矢口、このことは秘密にしておいて。ほら、エッちゃん
あげるから」
「いらないよ〜」
私がエビフライのエッちゃんを矢口の弁当箱に放り込むと、矢口はことも
あろうか、私の弁当箱に返却してよこした。

196 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/04/30(月) 11:52 ID:7grU8eTs
ちぃ、エッちゃんではダメか。
「じゃあ、卵焼きのたーくんを…」
「いらなってば。いちいちお弁当に名前つけないでよ〜。誰にも言わないからさ」
そうか、無料でか。わるいねー。
「そのかわり、誰なのか教えてよ。私も協力するからさ」
ああ、これが女の友情ってやつなのね。
矢口、おまえってばなんていい奴なんだ。
私はお弁当を食べ終えると、矢口を人気のない場所に連れて行き、そこで
私の愛する人、吉澤ひとみ、の名前を告げた。

矢口はまるまる十秒間、目と口を見開いてしまう。
開いた口から魂が抜けてしまったのか、なかなか正気に戻らない。
私は矢口のほっぺたを抓ってみる。
十一秒後にようやく我に返った矢口はどもりながらもなんとか呟いた。
「ま、ま、まあ冗談はさておき、ほ、本当は誰なの?」
「何で冗談なのよ。私はあいつが好きなんだよ。もう、どーしようもない
くらい愛しちゃってるの」
「…私の知っている吉澤って人は、圭ちゃんよりも背の高い…」
「そうね」
「…圭ちゃんよりも年下の…」
「そうね、ちょっとね」
「…圭ちゃんより美人の…」
「…ま、まあ、そうね。ちょっとだけどね」
「…同じ娘。のメンバーで、圭ちゃんと同じプッチモニの…」
「いうまでもないことね」
「…むなしすぎる…」
矢口は両手で頭を抱え、その場にしゃがみ込んでしまった。

197 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/04/30(月) 13:11 ID:7grU8eTs
需要がなさそうな話なのでこちらに書かせてもらいました(w

198 :名無し娘。:2001/04/30(月) 13:26 ID:to8D1yGY
保田圭ほど苦悩する姿が似合い、且つ、笑える女は居ない。
需要は有るような気がするけど。それはともかく、続きを期待。

199 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/04/30(月) 18:26 ID:/IAv8fIA
「やっぱり…難しいかな?」
深刻な私の問いに矢口は重々しく頷いた。
「だって圭ちゃん、言っちゃ悪いけど、よっすぃ〜と圭ちゃんが恋人
同士になるだなんて、想像つかないよ。かりに相思相愛になったとし
ても、どっちがどっちを…ええとその…キスだけじゃすまなくなった
時にね…」
「もちろん私がする」
断言する私に矢口は呆気にとられた様子だ。
「圭ちゃん…そこまで考えてるんだ…」
「ふっ。当然よ。」

私は握りこぶしを胸に立ち上がる。
目線は斜め上、空のかなたに向ける。
ああ、I WISH
人生って素晴らしい。
と言いたいところだが、今日の空はなんだかどんよりと曇っていて、
まるで私の未来を暗示するかのようであった。
…不吉ね…

200 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/04/30(月) 18:28 ID:/IAv8fIA
「…よした方がいいと思う」
矢口のつぶやきに私は現実に戻される。
「なんでよっ!」
「だって、よっすぃ〜はりかちゃんとすでにデキてるし…」
「えぇぇぇぇ!いつの間にっ!?」
「…圭ちゃん、知らなかったの?」
矢口の話によると、吉澤ひとみと石川梨華はいつでもどこでも仲む
つまじく、こりゃもうデキちゃっているに違いないというオーラを
周囲に発しているとのことだった。

「全く気がつかなかったわ。仕事中は歌とダンスのことしか考えて
なかったから…」
「…圭ちゃん、それはいくら何でも鈍すぎるよ…」
「…不潔よ!」
自分のことはとりあえず棚に上げて置いて、私は声を震わせる。
もちろん怒りの為よ。

201 :名無し娘。:2001/05/01(火) 23:05 ID:igxHKXQw
おもろい。

202 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/02(水) 00:04 ID:WIUZjNWk
吉澤とあの石川が出来ているだって?
ちくしょ〜。
む〜か〜つ〜く〜っ!!
今の私には、二人の仲を暖かく見守るほどの余裕なんぞあるわけがない。
それほど老成しちゃいないのさ。
私はやる。
やると言ったらやる。
何がなんでも吉澤ひとみを手に入れてみせるわ!
どんな手段を使ってもね…。
うふふふ。
私ってば悪い女かしら?
協力すると言っていた矢口はそんな私を止めようとしたが、
私は矢口の声など聞いちゃいなかった。
かくして、私は悪魔に魂を売り渡したのだった。
だいたい、恋の駆け引きとか、そう言う類のものには私は弱い。
卑劣な手段だろうと何だろうと、結局はシンプルな作戦に落ち着く。
「石川梨華を脅して、吉澤と別れさせるのが妥当ね」
仕事の間中考えて、こんなたわいもないことしか思い浮かばなかっ
たが、矢口を驚かせることはできたようだ。

203 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/02(水) 00:05 ID:WIUZjNWk
「圭ちゃん!そこまでやるの!?」
ライブが終わった後、またもや人気のないところに連れてこられた
矢口が驚愕の表情を浮かばせた。
「私はやると言ったらやる女なのよ」
「…圭ちゃんって、凄いね…。でも、それじゃどつぼにまっしぐら
だなぁ」
「なんでよ」
「だって、そんなことよっすぃーに知られたら、好かれるどころか
完全に嫌われちゃうよ」
「うう…、そうだね…、やっぱしだめか。じゃあ、石川の後ろ暗い
秘密をつかんで、私のことを口止めさせるんだ」
「…。りかちゃんに後ろ暗い秘密なんてあるの?」
「ふ。なければ作るのよ。させるのよ、悪いことを石川に。万引き
とか、かつあげとか、乱交とか」
「圭ちゃん…、私に圭ちゃんを軽蔑させないでよ、本当に…」
「…そ、だね。そこまでやったら人間失格…かな?」
ああ、私って小心者。
あれほど固く決意したのにもかかわらず、卑劣なマネはやはりでき
ないのだ。
非常になりきれない私を、ああ神さま助けて。

204 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/02(水) 00:07 ID:WIUZjNWk
矢口がそんな私を横目で見ながら、仕方ないなぁ、といった様子で
ため息をつく。
「はっきり告白しちゃえば。当たって砕けちゃえ!」
縁起でもないわね。
それに告白だって?
私が?
吉澤に?
…怖いわ、…怖すぎる。
矢口が、私の視線から逃れるように顔を背けて呟いた。
私は一瞬なんのことやらわからずに呆けてしまった。
「好きな人いたんだ、私にも」
照れたように笑いながら矢口が言う。
少し寂しげな笑みだった。
「矢口ぃ…」
そうか、あなたにもそんな人がいたのか。
私ってば自分のことで精一杯で気づいてやれなかったよ。
一言相談してくれれば、いくらでも力になったのに。
ごめんね、矢口。「告白してね、でも振られた」
そうだったのか…。
いい年こいて「ジャンケンぴょん!」なんてやっているその裏には、
そんな悲しい出来事があったのか、矢口よ。

205 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/02(水) 00:08 ID:WIUZjNWk
「でも、振られたとわかったらなんだかスッキリしたよ」
「…そう」
そーゆーもんなのか。
「圭ちゃんもさ、スッキリしたらどう?言わなきゃよっすぃーもわか
らないだろうし、このままじゃ永遠に片思いだよ。傷つくのが怖い圭
ちゃんじゃないでしょう?」
穏やかな口調で、矢口が言う。
私の方が年上なのに、なんだか矢口がずいぶんと大人に見える。
追加メンバーとして娘。に入ってからの付き合いだが、いつの間にこん
なに大きくなって…。
背は相変わらず小さいけど。
「…よし、わかったよ。明日、私は告白するよ。吉澤とやりたいとはっ
きりというんだ」
「…そこまで言わなくてもいいんだよ…?」
矢口は呆れ顔で、どうにも私は極端すぎると言う。
そうなのだろうか、私にはよくわからないが、とにかく私は吉澤に告白す
ると決心したのだった。

206 :名無し娘。:2001/05/02(水) 23:58 ID:6ZyAe4.c
やすよし

207 :名無し娘。:2001/05/03(木) 01:11 ID:Cafpzl4I
面白いね、いくつもかけ持ちして大変だろうけど、がんばってねBW

208 :名無し娘。:2001/05/03(木) 02:18 ID:xXNm07lk
念の為、保全。

209 :名無し娘。:2001/05/03(木) 16:27 ID:hHxBSm9Q
BW素晴らしい、期待。

210 :名無し娘。:2001/05/03(木) 17:26 ID:apDnxhbA
矢口の好きだった人とは?
やすよしより気になってしまう…

211 :名無し娘。:2001/05/04(金) 00:38 ID:lBCjSUd.
やっすー

212 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/04(金) 12:49 ID:XZZykfPc
『傷つくのが怖い圭ちゃんじゃないでしょう?』
矢口はそういった。
そう思う、矢口?
いつも前向きで凹んだことがないように思われている私だけど、
それでも怖いことだってあるんだよ。
今まで吉澤に告白しなかったのだって、吉澤に拒否されるのが
怖かったからさ。
でも…。
このまま指をくわえて吉澤を見ているだけだなんて、たしかに
もったいなさすぎるわね。
もし、もしも吉澤と恋人同士になれるならば…、ああ私は全て
を捨ててもかまわない。。

213 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/04(金) 12:51 ID:XZZykfPc
TVの収録が終わり、ホテルの部屋に引きこもり、ベッドに仰向けになって、
私は考えた。
私だってたまには考えるのよ。

今日は吉澤とは別々の仕事だったが、明日は一緒だ。
もう告白するしかない。
しかし、なんといって告白したらいいのか私にはわからない。
この年になって恥ずかしいけど、初恋なのさ。
こうなったら頭の中で何パターンもシミュレーションしてみる
しかないわね。
ああ、明日が来るのが待ち遠しいような、怖いような…

214 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/04(金) 12:54 ID:XZZykfPc
とうとう今日という日が来てしまった。
今楽屋には私の他に矢口真理と飯田圭織の三人しかいない。
吉澤は今日は早めに来て、振り付けの練習をしているとのことだった。
都合のいいことに石川はカントリーで不在。
まさに、告白日和ね。

私は昨日のシミュレーションを思い出してみた。
しかし、どうやって告白するかではなくて、相思相愛になった後、
どうやって楽しむかにシミュレーションの内容が移ってしまった
ので、大して役には立たなかった。
ちっ、妄想も程々にしておかないといけないわね。
でもおかげで、夕べの夢はいつにもまして卑猥だったわ。

215 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/04(金) 12:56 ID:XZZykfPc
夢の中の吉澤は、思い出してもぞくぞくするほど官能的だった。
気持ちいいくせに、辛そうに目を伏せる吉澤の表情が瞼に焼き付
いて離れない。
私は吉澤をベッドに寝かせ、全裸にして思う存分舌を這わせた。
夢の中の私は大胆なのよ。
うふっ(はーと)
躊躇する吉澤の足を開かせ、ソノ部分に口づける。
吉澤の筋肉が緊張し堅くなる。
すでにびしょぬれのソコに指を挿入した時の吉澤の喘ぎ声。
締まり具合。
身をよじる吉澤。
かすかに震える体。
吐息。
私は上から順番に、存分に吉澤を味わう。
唇。
首筋。
鎖骨。
胸。
おへそ。
そして…

216 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/04(金) 12:57 ID:XZZykfPc
「おーい、圭ちゃん鼻血出てるよ〜」
楽屋で思い出し快感に浸っていた私に声をかけてきたのは飯田圭織
だった。
私は不覚にも化粧台の上に鼻血を垂らしていたらしい。
げげげっかっこ悪ぅ〜。
慌てる私に圭織がティッシュを投げてよこした。
鼻にティッシュを詰め込む。
二人の視線が痛い。
ちきしょー、恥ずかしいわ!
スケベなことを思いだして鼻血を垂らす女。
私ってば一体全体どういう奴なんだ。

「きゃー、圭ちゃんのえっち〜。やらしいこと考えてたんでしょうー」
圭織が揶揄するような声をかける。
反論できないのが口惜しい。
「それにしても私に鼻血まで出させるとは、吉澤ひとみ、侮れないわね」
「侮れないのは、圭ちゃんだよ…」
矢口は呆れ果てたという態で言った。
「夕べの夢は凄かったんだ。聞かせてあげようか?」
「いいよ、人の妄想話なんて聞きたくないよ〜」
矢口は顔をしかめる。

217 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/04(金) 12:59 ID:XZZykfPc
「え、なになに?なんの話?」
圭織が横から口を挟んできた。
興味津々といった様子だ。
そうか、そんなに聞きたいか飯田圭織。
たしかに、妄想・電波と言えば圭織の十八番だもんね。
ここは話して聞かせてやるしかないようだわ。
「実は昨日ね…」
「うんうん」
「もう〜、二人ともやめてよ〜。それに、そろそろリハーサルの時間だよ!」
矢口がいい加減にしてくれといった顔で、話の腰をボキッと折った。
私はハッと我に返った。
そうだ、私はこれから吉澤ひとみに告白しにいくのだった。

218 :名無し娘。:2001/05/04(金) 23:26 ID:BQcRp1lk
保田が面白いので、僕はここの小説が好きだな
BWはいくつかけ持ちしてるんだろう?
ホントにすごいよ!頑張ってね!

219 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/05(土) 00:08 ID:ZB60fUJQ
稽古場ではすでに衣装に着替えたメンバーがダンスの練習をしていた。
吉澤もいる。
長身だからすぐ判る。
吉澤のきびきび、しゃきしゃきした動きが、私の目を引きつける。
飛び散る汗。
短パンから覗いた太股が、私を誘うかのように躍動する。
うう…、しゃぶりつきたい、吉澤の足に、尻に、脇腹に。
はっ!いけない、こんなことを考えていたら、また鼻血が出てしまうわ。
とっとと呼び出して告白してしまわなければ…。

「吉澤っ」
名を呼ぶと吉澤が振り返る。
さあ、保田圭、勇気を出すのよ!
「好きっ!!」
…あれ?
これはどうした事かしら。
時間が止まってしまったわ。
今まで元気に駆け回っていた辻加護が、動きを停止した。
そろいもそろって、私の方に首を回してだ。
なんと、私はスタンド使いだったのか。
ディオか?
私はディオ様なのか?

220 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/05(土) 00:10 ID:ZB60fUJQ
そして時は動き出す。
硬直していた吉澤が、ゆっくりと向き直り、私の方に歩いてくる。
ごくり。
生唾を飲む。
吉澤が私の前にやって来た。
吉澤の顔が私の前にある。
その目が私を見つめている。
うわ、すごい、威圧感。
空気中に放出された吉澤の体温が私を包み込んでいる。
ど、ど、ど、どきどきするわ。
なんだか顔も熱い。
気が変になりそうだ。
私はぎゅっと目をつぶった。
「吉澤、ちょっと来てくれる」
「…もう、来てます」
…なるほど、確かに来てるわね。

221 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/05(土) 00:12 ID:ZB60fUJQ
なぜ?
そう考えて自分の間違いに気がついた。
なんてこったい、私って奴は。
呼び寄せてから告白するつもりだったのが、告白してから呼び寄せて
しまうなんてっ。
しかし、今さら後には引けない。
私は真っ赤になってパニックに陥りながらも、勇気を振り絞って再び
言う。
「吉澤、あなたが好き。恋人になってほしい!」
「冗談は顔だけにして下さい」
それだけ言うと私を後にして去ってしまう。

なんてことなのぉぉぉ〜!
告白の順番を間違ってしまった上に、振られてしまった。
しかも、メンバーの面前で。
ううっ、かっこがつかないじゃないのよ!
「ま、待って!」
慌てて呼び止める。
せめてフォローぐらいさせなさいよ。
「私は諦めないわよ、いつかあんたを犯してみせる」
げげっ、しまった。
緊張のあまり、落としてみせると、と言うつもりだったのに、
思わず本音を口走ってしまったじゃないの!

222 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/05(土) 00:15 ID:ZB60fUJQ
吉澤の顔が赤くなる。
「お、おまえは…」
おお、サブリーダーの私に向かって、おまえときたか。
いいわね、そのへり下らない態度が私は好きよ。
吉澤は威嚇の眼差しで私を睨み付けているが、うふふっ、染ま
った頬が吉澤の狼狽を表しているわ。
そんな吉澤を見るとなにやら落ち着いてきてしまうのが不思議。
「…かわいいじゃないの」
心の中で呟いたはずの言葉が、口から出てしまった。

…なんてことなの、どう繕ってもこれじゃあ変質者じゃない。
変態というなら、まだかわいげがある。
変態ならまだ社会の枠内からはみ出ていないような気がする。
でも変質者となると「私は法を犯すことなんて怖くないわよ!」
という趣がある。
何をされるかわからない不気味さ、それを持ち合わせているのが
変質者なのだ。

223 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/05(土) 00:17 ID:ZB60fUJQ
「ふっふっふっふっ」
吉澤は何も言えず、目を見開いて立ちすくんでいる。
私の言葉に、ここまで反応してくれるとは、嬉しいじゃない。
思わず含み笑いも浮かぶってものよ。
もはや、全ての者が動きを止め、音一つしない稽古場に私の笑い声
が響きわたる。
もう私は引き下がれない。
こなったら押して、押して、押しまくるしかない。
突っ走るのは得意なのよ。
吉澤ひとみ、覚悟しなさい。

224 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/05(土) 00:25 ID:ZB60fUJQ
読んでくれている人、ありがとう。
面白いと言われると、やはり励みになります。
現在はこれをあわせて3本書いていますが、少しずつ頻繁に更新
というのが理想かなと思っています。

225 :名無しさん。:2001/05/05(土) 02:47 ID:XUDGtpNw
なんですとっ!
これ入れて2本しか知らないよ……

よかったらヒントだけでも教えてっ!

226 :名無し娘。:2001/05/05(土) 03:17 ID:ab3osRjo
ヤッスーカッケー!!

227 :名無し娘。:2001/05/05(土) 04:12 ID:S2iWUqHM
>>BW
いしよしじゃない方のスレのURL教えて

228 :名無し娘。:2001/05/05(土) 07:35 ID:BHG.//tw
これの事かな?
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=mor2&key=988079528

229 ::2001/05/05(土) 23:35 ID:UFrm.Kp6
>>228
それのことです。こちらの方は正直行き詰まっていますが(w
近い内に更新する予定です。

230 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/05(土) 23:38 ID:UFrm.Kp6
>>229はブラインド・ウォッチメイカーです。

231 :名無し娘。:2001/05/06(日) 00:19 ID:/5jbw1V2
>BW
今日は名前入れ間違い連発だな(w
どしたの?

232 :名無し娘。:2001/05/06(日) 22:35 ID:Xdcwv69I
あの日から一週間たった。
完全に開き直った私は、吉澤の姿を見かけると、どんなに遠くにいても、
すっ飛んでいって、口説きまくっている。
あらゆる場所、楽屋、稽古場、スタジオ、ステージ等々で、私と吉澤の
ドラマは展開している。
まわりに誰がいようとも私は気にしないわよ。
私は群がる見物人などひたすら無視して吉澤をくどき続ける。
ここまで来たら、怖いものなどないのさ。

吉澤は私の姿を見ると足早になって、受難を避けようとする。
決して走って逃げたりはしない。
さっそうと胸を張ったままで、足早に速度を増す。
前方のみを見つめ、私の顔など見ようともしない。
つれないところが、またたまらないじゃない。
たいていの場合、楽屋に逃げ込む吉澤を追っかけて、次のライブや収録が
始まるまで、吉澤の目の前でバカの一つ覚えのように、「好きっ」とくり
返す。
さすがに石川がいるときは遠慮してるけど。

233 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/06(日) 22:36 ID:Xdcwv69I
メンバーも最初は呆れているようだったが、なっち、圭織、矢口などは
「圭ちゃん、がんばって〜」などと応援の声を掛けてくれるようになった。
もちろん、吉澤と石川がいない時を見計らってだ。
まあともかく、外堀は埋まったようね。
あとは内堀埋めて本丸を落とすだけ。
ふふふふっ。

「迷惑ですっ!」
今日は、いつもは私を無視するだけの吉澤が、声を上げた。
怒った響きの声だった。
トイレにまでついてこられて、個室にまで入っていこうとしたら、誰でも
怒るかもしれないが、私は嬉しい。
吉澤、やっと私の声に応えてくれたのね。
でも、迷惑だと言われて引き下がる私じゃないわよ。

234 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/06(日) 22:38 ID:Xdcwv69I
「がんばるな〜、圭ちゃん…」
矢口真理は、最初呆れ顔だったのが、この頃は羨望の眼差しを私に向ける。
「いや、人間なりふりかまわなくなると、何でもできるものなんだね。
恥知らずと呼んでくれても結構だよ」
「そのエネルギーはどこから来てるの?教えてもらいたいよ」
移動の中のバスの中で、矢口は言った。
「圭ちゃん見てると、人生観変わるな〜」
「なーに、私のはただ勢いがついただけの話だから」
私にしては控えめな言葉かもね。
でも、これは本当のこと。
単に勢いにまかせているだけ。
この勢いに乗ってどこまでも突っ走ってやるわ。

たしかに、何も知らない人が見たら、私はただのふざけた女に違いない。
でも、私は誰よりも真剣なのよ。
それをわかってくれる人がいるということが、こんなにも心強いものだと
は思っていなかった。
みんなっ、見ていてちょうだい。
今日こそ吉澤と決着をつけてやるわっ!

235 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/06(日) 22:40 ID:Xdcwv69I
>>231
今日もやっちまいました(w

236 :名無し娘。:2001/05/06(日) 23:16 ID:hCJIv5eA
>BW
あんたはすごいよ

237 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/07(月) 14:42 ID:zrLvRzLM
「吉澤っ!好きっ!」
うふふふふっ。
今日の私はパワフルよ!
声にもついつい力がこもる。
仕事が終わり、スタジオの出入り口脇に身を潜め、吉澤を待ち伏せした。
なっち、圭織、矢口の3人が「しっかりね」と声をかけてくれたので、
闘志はますます燃え上がっている。

「またですか?迷惑だと言ったはずです」
私を見つけた吉澤が、憮然とした表情で言う。
「なんといわれようと、私は引き下がらないからね。絶対この恋を成就さ
せてみせるわ」
「保田さんっ。こんなことをして、私が保田さんを好きになるとでも思っ
てるんですか!?」
「今日はちゃんと会話をしてくれるのね。進歩したじゃない」
吉澤ひとみがあからさまに不機嫌な顔になる。
「正直、保田さんにはうんざりしてます。いい加減にして下さい」
吉澤はきっぱりとお断りの文句を言う。

238 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/07(月) 14:45 ID:zrLvRzLM
あたりには誰もいない。
もしかしたら、こいつは今まで人のいるところで、私を傷つけることを避け
ていてくれたのかもしれない。
なんて優しい奴なの、惚れ直したわっ。
でも吉澤、私は簡単には傷ついたりしないんだ。
「私は真剣なのよ」
「それが迷惑なんです」
私は吉澤の両肩に手をやり、壁に押しつけた。
私の顔の前に吉澤の顔がある。
吉澤の息が私にかかる。
吉澤は何も言わずに私の顔を凝視している。
動脈がどくんどくんとうなり始める。
夢の中のように私のすぐそばに吉澤がいて、吉澤の瞳に私が映っているのだ。

「あ、愛している…」
思わず口をついて出た言葉に私自身が驚いた。
「嘘つかないで下さい」
な、なんですってぇぇ〜。
「吉澤っ、私は今、なんてドラマチックなんだろうと感動していたところな
のよ。少しは空気を呼んで返答したらどうなの」
「うるさい!あんたは異常だ!」
吉澤はとうとう切れてしまったようだ。
しかし、それで怯む私ではないわよ。

239 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/07(月) 14:47 ID:zrLvRzLM
「どこが、人を好きになることのどこが異常なのよ!?」
「誰もそんなこと言ってないっ。行動が異常だと言ってるの!!」
「そりゃあ、少しはおかしいかなーって自分でも思うところもあるけどさ、
少しぐらいいいじゃない!」
「少しじゃない!」
愛の語らいのはずが、いつの間にか大声で言い争ってしまっている。
これではいけないと私は息を整えて声をひそめる。
目線はもちろん吉澤の目だ。

「…好き、真剣なの。あなたがたまらなく好きで、もうどーしようもないの。
愛してる…。私はあなたとヤリたい…」
あら、これは言わなくてもよかったわね。
「…っ!ふざけっっ!!!」
吉澤が狼狽する。
へぇぇっ、結構うぶじゃないのさ。
ほっぺが赤いわよ、吉澤ひとみ。
吉澤の顔を見て私の煩悩は活性化されてしまった。
「吉澤とやる夢を何度も見るんだ。夢の中の吉澤は素直だよぉ、私に責めら
れながら、もっとしてほしいとせがんでくる…」
声が低くなる。
言いながら、私は体が熱くなるのを感じた。

240 :名無し娘:2001/05/07(月) 22:29 ID:37uFZNfw
ここの保田面白いっす。
頑張れBW!

241 :名無し娘。:2001/05/09(水) 08:49 ID:ORU2cK8o
hozen

242 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/09(水) 19:46 ID:tBZ8wmx.
「ふ、ふざけんなっ!そんな夢見るなっ!!」
吉澤の声には激しい嫌悪が含まれている。
プライドを傷つけられたようだった。
「やめさせてみなさいよ。私はあんたとヤルまで、その夢を見続ける
わよ」
私は勢いづいて勝手に動く口を止めることができなかった。
自分の身体が自分のものではないようだ。
膝を吉澤の足の間に入り込ませ、太股の内側を撫で上げる。
背中にひとすじの汗が流れる。
吉澤の肩を押さえつけている腕がガクガクと震え、吐息にうめき声が
まじる。
ことごとく意志に反する身体を知って、私はどうにかなってしまうん
じゃないかと本気で心配になってきた。

243 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/09(水) 19:47 ID:tBZ8wmx.
と、その瞬間。
膝が吉澤の足のつけ根にたどり着く前に、私は無様に床に倒れていた。
吉澤に殴られてしまったのだ。
呆然と上半身を起こす私に、吉澤も呆然として、声をかける。
「保田…さん、大丈夫ですか…?」
どうやら吉澤も殴るつもりはなかったらしい。
殴ったままの拳を宙に遊ばせながら、私を見下ろしている。

行き場がなくて、私の身体の中を暴れ回っていた熱いものが、ようやく
落ち着きを取り戻す。
「いやぁ…、殴ってくれて良かったわ、…どうなることかと思ったわよ」
本心が口から漏れていた。
しかし、吉澤よ。
女でありながらとっさにグーで殴るとはさすがじゃない。
ますます惚れてしまったわ!!

244 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/09(水) 19:49 ID:tBZ8wmx.
わけのわからない感動に浸っていた私だったが、とうの吉澤はなんとも
いえない情けない表情になり、次に困ったような顔で笑った。
「ごめんなさい、私には好きな人がいるの」
本当に申し訳ないといった態で吉澤が言う。
「…ええ…、知ってるわ。石川梨華でしょう?」
「…はい。私はりか以外の人とはつきあえません。私はりかじゃなくちゃ
ダメなんです」
私は何か言おうとしたが、口に出すべき言葉も見あたらず、吉澤から目を
そらした。

ずしりとこたえる台詞だった。
どんな辛辣な言葉よりも、きつい台詞ね…。
私は吉澤が差し出した手にすがって立ち上がりながら、不覚にも涙が出た。
鼻血が出るよりみっとないわね、と思いながらも止めることは出来ない。
涙をこぼしながら、私は言う。
「ちくしょう〜、私はあきらめないわよ!」
吉澤はそんな私を見ながら、呆れ返った様子で笑みをこぼした。
「保田さんって、ほんとにすごい人ですね」
とうとう吉澤にまで、すごい人だと言われてしまった。

245 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/09(水) 19:51 ID:tBZ8wmx.
私は喜んでいいのか、悲しんでいいのかよくわからなかった。
わからなかったが、失恋の味がどんなものだがはわかったような気がする。
あきらめないと言いつつ、あきらめるしかないと悟ってしまったのだ。

吉澤にも私の心境がわかったのかもしれない。
「それじゃあ」と言いながら、去って行く。
吉澤の後ろ姿を見送りながら、私は考えていた。
必ずモノにすると、あんなにも激しい決心をしていたにもかかわらず、
この心の微妙な変化はなんなのかしら。
相変わらず、私は吉澤が好き。
好きで好きでたまらない。
でも、何かが今までとは違うのだ。
吉澤の言葉一つで私は変わってしまった。
何が違うのかは、私にもわからなかったが。

246 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/09(水) 19:52 ID:tBZ8wmx.
一週間好きだ好きだと言い続けてきたわりには幕切れはあっけないものね…。
…いや一週間じゃない。
吉澤に恋して、もうどれぐらいたつのかな。
もっと早く言えば良かった。
こんなに吉澤を好きになる前に…。
涙が後から溢れてきた。
私は涙を抗うことも忘れて、もう見えなくなった吉澤の後ろ姿を心の中で
追っていた。

「…圭ちゃん?」
気がつくと、私の後ろになっちが立っていた。
なっちは振り返る私の顔が涙でぐちゃぐちゃになっているのに少し驚いた
ようだった。
今の場面全部見られちゃったのかな…。
しかし、私はもうどうでもいい気分だった。
今、大地震が起きようとも、火災が発生しようとも、この場で涙を流し続
けているに違いない。
なっちに泣き顔を見られても恥ずかしいとも思わない。

247 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/09(水) 19:53 ID:tBZ8wmx.
「…完璧にふられちゃったわ…」
かすれた声で私が言うと、なっちは腕を差し伸べてきた。
私はその腕に取りすがり、なっちの肩に顔を埋めると、この世が終わるかの
ごとく号泣した。
なっちは私の背中を優しくさすりながら、静かな声で耳元にささやく。
「圭ちゃんは、素敵だよ。それは私が知ってるから…」
「私…本気で吉澤が好きだった」
「うん、知ってるよ…」
「私の…この吉澤への気持ちは、どこに行ってしまうんだろう?」
「どこにもやらず、心の中にしまっておけばいいんだと思う。少しづつ、
少しづつ受け止めやすい形に変えていけば…ね?」
なっちは私が泣きやむまで、暖かい腕でやんわりと私の身体を包み込んで
いてくれた。
私は吉澤ひとみに恋してから、初めて安らぎを知ったような気分だった。

248 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/09(水) 19:55 ID:tBZ8wmx.
「うぅ、私、鼻血でそう…」
「なによ、圭ちゃん。また激しい夢でも見ちゃったの?」
「ちがう、ケーキの食べ過ぎ…」
翌日、矢口真理と一緒にスタジオに向かいながら、私はむかつくお腹を
撫でていた。
「やっぱり失恋にはケーキだと思って、しこたま買って来ちゃったのよ」
矢口があんぐりと口を開ける。
「圭ちゃん、失恋って…」
「んー、だめだったぴょーん」
「あきらめたの?圭ちゃんが?嘘でしょう?」

「私がそんなにあきらめの悪い女だと思ってるの?」
私の言葉に矢口は自分が失恋したかのような顔になる。
ちょっとちょっと、そこまで私に付き合ってくれなくてもいいのよ。
「そうなの…」
矢口は「そうなの…」と三回つぶやいて黙り込む。
「なによ、矢口、何をそんなにしょげてんのよ。ふられたのは私だよ、
わ・た・し」
「圭ちゃんのパワーならどうにかなると思ってたのに…」
矢口は足下に視線を落とす。

249 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/09(水) 19:56 ID:tBZ8wmx.
「もし圭ちゃんの恋が成就したら、私ももう一度がんばってみようかと
思ってたんだ…」
「なによ、そんなの私に関係なく頑張ってみればいいじゃない」
「不死身の圭ちゃんでさえ、願いが叶わなかったのに、幸運の女神さま
が私なんかに振り向いてくれるとは思えないよ…」
「あのねぇ…」
と、その時聞き覚えのある声が、廊下から聞こえてきた。
私は振り返る。
「保田さん、矢口さん、おはようございます」
なんと、そこにいたのは吉澤ひとみだった。
隣には吉澤の恋人である石川梨華がいる。
仲良く一緒にスタジオまで来たというわけね。
はぁ…。

250 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/09(水) 19:58 ID:tBZ8wmx.
吉澤の挨拶に続いて石川もにっこり笑って私に会釈する。
「おはようございます」
その様子は「いつもうちの主人がお世話になって…」という良妻の態度
そのものに見えたが、なぜか腹は立たない。
石川の笑みが、皮肉を含んでいるものでもなく、余裕たっぷりの傲慢な
ものでもなかったから。
すがすがしいという表現がしっくりくる気持ちのいい笑顔だった。
「保田さんはもう、私につきまとったりしないんでしょう?」
「つきまとうだなんて、ずいぶん失礼な表現じゃないの。かりにもサブ
リーダーである私に向かってさ」
「ふふーん。サブリーダーならサブリーダーらしくして欲しいですよねー」
相変わらずふてぶてしい吉澤であるが、口の端が笑っている。
私も変な女に惚れられたもんだという、自嘲気味な笑みに見えるのは気の
せいかしら。

251 :名無し娘。:2001/05/09(水) 19:59 ID:4Qz.4w1.
ま、まさか矢口!!(w
ヲタ丸出しで恥かしいが 真里 だ

252 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/09(水) 20:00 ID:tBZ8wmx.
「きっぱり、踏ん切りをつけるために、お別れのキスぐらいして欲しかっ
たわね」
「しませんよっ!保田さんはやっぱりおかしいですね、どっか異常ですよ。
その性格をどうにかしないと、一生まともな恋愛なんてできないですよ」
吉澤の声は怒っているが、顔は赤い。
結構ウブじゃないの〜、とからかう私に罵声を浴びせて、くすくす笑っている
石川梨華と足を早めて先にいってしまう。
「うるさいわね!私は自分の性格が結構気に入ってるのよ。誰が直すもん
ですかっ!」
吉澤の後ろ姿に声をかける私を見ながら、矢口がため息をついた。
「…圭ちゃんってやっぱりすごいね…。何でふられたのに以前よりも親し
くなってるの?」
「そういえば、そう…ね?」
なぜだか私にもわからないわ。

253 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/09(水) 20:02 ID:tBZ8wmx.
それから矢口は本番の時間まで、秘訣を聞きたがっていたが、えーい、
私にもなんだかわからないのよ!
だいたい、この手のことに関しちゃ、矢口の方が詳しいんだから自分で考え
たらどうなのさ。
「圭ちゃん、私ももう一度がんばってみることにするよ」
いきなり、ぼそっと矢口が呟いた。
「ねぇ、矢口の好きな人ってさぁ…」
「そろそろ時間だよ」
「ねぇ、私の知ってる人なの?」
矢口は意味ありげな笑みを浮かべただけで答えなかったが、暗に肯定してい
るようにも受け取れた。

でも、ちょっとずるいじゃないのさ。
私はちゃんと教えたってのに。
「ねぇ、矢口〜、いいじゃない、教えてよ〜親友でしょう〜」
ふはははは、と矢口は笑いながら、スタジオの方に走っていく。
ちょっと、何で隠すのさ、矢口ぃ!!
私はハッと矢口の言葉を思い出した。
『隠し事をしない圭ちゃんが言えないとなると、なんかわけありの相手
なんだ』
そう言ったのは、矢口、たしかあなただったよね。
そうなのか、矢口?
もしかして、矢口の思い人って……なの?
だとしたら…

254 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/09(水) 20:04 ID:tBZ8wmx.
「圭ちゃん〜、早くしないと本番始まっちゃうよ〜」
矢口の言葉が私の思考を遮った。
そうね。
いつか矢口の方から話してくれる日が来るだろうからね。
余計な詮索をするより、今は仕事のことを考えなくっちゃ。
それに今日はなんだか踊りまくりたい気分だわ。
ふられたばかりだというのに、なぜかエネルギーが溢れまくっている。
ふっふっふっ。
やはり私は尋常じゃないようね。
矢口がそんな私を見て笑った。
スタジオのライトに照らされながら、私達は踊っている。
私のひたすら熱いだけの吉澤ひとみへの恋心は、歌とダンスによって昇華
されていくようだった。

255 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/09(水) 20:05 ID:tBZ8wmx.
以上で完結です。最後まで読んでくれた人、ありがとう。

256 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/09(水) 20:09 ID:tBZ8wmx.
>>251
すんません。
「矢口真里」いま単語登録したので、今後間違えないように気をつけます(w

257 :名無し娘。:2001/05/09(水) 23:20 ID:238pils.
面白かったよ、他の小説ガンバレよ

258 :名無し娘。:2001/05/10(木) 11:50 ID:PkkO7G8A
知のモクロミワラタ。
腹グロ策士っぷりが(w

259 :名無し娘。:2001/05/10(木) 14:15 ID:SpKB06N6
BW氏よかった!次回作に期待!!

260 :名無し娘。:2001/05/10(木) 16:59 ID:PXbscJZA
え?矢口の好きな人って誰なんだ?

261 :名無し娘。:2001/05/10(木) 17:23 ID:gwYsStEY
矢口編が読みたい…。
誰か書かない?

262 :名無し( T.∀T):2001/05/11(金) 00:39 ID:dNuLTqWY
ん?矢口はヤスが好きなんじゃないの?
ずっとそうだと思ってた……。鬱だ氏(略

263 :名無し娘。:2001/05/11(金) 07:43 ID:xAY03P1c
よく読むべし。(w

264 :名無し娘。:2001/05/11(金) 23:17 ID:eowjNZgA
BWさん、ぜひ矢口編を!

265 :名無し娘。:2001/05/13(日) 00:29 ID:617Rd/q.
sage

266 :名無し娘。:2001/05/14(月) 02:39 ID:iu85i1Fs
で、矢口は誰が好きなの?読解力が無くてわからん。
(^▽^)か?

267 :名無し娘。:2001/05/14(月) 03:14 ID:4kucqFl6
読解力は関係ないんじゃん
誰でもいいように分らないように書いてある。

268 :名無し娘。:2001/05/14(月) 18:34 ID:KGQoJ.E.
>>266
なんとなく、市井じゃないかと思ったけど。
保田・矢口の間に割って入る特別な人物となるとね。

269 :ブラインド・ウォッチメイカー:2001/05/15(火) 15:20 ID:XeGAoUtI
なくなりそうなので、一度age

>>266
>>267
>>268
鋭いっす。たして三で割って下さい(w
答えは藪の中。私の頭の中にだけあります。

270 :名無し娘。:2001/05/15(火) 21:06 ID:gk4jXuwE
>>269
スレッドはあげなくても書き込みさえあればなくなりませんよ。

271 :名無し娘。:2001/05/17(木) 00:34 ID:JnNpaeZk
ここんとこdat逝きのペース速いので保全。

272 :名無し娘。:2001/05/18(金) 17:34 ID:mLnnFy4o
hozen

273 :名無し娘。:2001/05/19(土) 12:31 ID:a6H6ntfc
ho

274 :名無し娘。:2001/05/20(日) 00:35 ID:D5ARnd/A
ze

275 :名無し娘。:2001/05/20(日) 13:37 ID:miHhaAC2
n

276 :名無し娘。:2001/05/22(火) 10:55 ID:J1ESwzds
h

277 :名無し娘。:2001/05/23(水) 02:52 ID:ywVL9VBU
o

278 :名無し:2001/05/24(木) 02:24 ID:8yNrep0I
Z

279 :名無し娘。:2001/05/25(金) 00:01 ID:L/b4A93I
いい感じで廃れたな。保全。

280 :名無し娘。:2001/05/26(土) 02:41 ID:OEVuUpm.
念の為に保全ぬ。

281 :名無し娘。:2001/05/27(日) 09:24 ID:hd3I9yvY
hozenの文字を全て集めると1UPとかするのだろうか。ほじぇんぬ。

282 :てうにち新聞新入社員:2001/05/27(日) 10:48 ID:d4N3/mYI
面白かったです。これからも頑張ってください

283 :名無し娘。:2001/05/27(日) 11:02 ID:hd3I9yvY
あ、手が滑った。つい、透明あぼーんを、、、。

284 :名無し娘。:2001/05/28(月) 21:11 ID:oG4cqRig
ほほほ保全〜♪ 再度貰っちゃうよ〜♪

285 :名無し娘。:2001/05/30(水) 00:01 ID:aY0fuJiw
眠い、、、。保全。

286 :名無し娘。:2001/05/31(木) 00:55 ID:HvG/hxp2
hozem

287 :名無し:2001/06/02(土) 02:21 ID:Gk3osU72
ほぜ〜ん

288 :名無し娘。:2001/06/03(日) 22:36 ID:xXNm07lk
もう何も浮かびませんね。保全のバリエーションが!

289 :名無し娘。:2001/06/03(日) 22:58 ID:xBQ0/0FE
さてどうしましょう

290 :名無し娘。:2001/06/04(月) 23:57 ID:IuiKDp8w
ほぜんぬ

291 :名無し娘。:2001/06/06(水) 02:47 ID:3vJDJX32
保全

292 :名無し娘。:2001/06/08(金) 22:57 ID:DVXliJNo
hozen

293 :名無し娘。:2001/06/10(日) 14:04 ID:GcTuikDs
hozen

294 :名無し娘。:2001/06/12(火) 14:15 ID:5FM8cc5Y
ホゼムシトコ!

295 :名無し娘。:2001/06/14(木) 00:16 ID:9IVLkTBY
連載中でもないのにこのスレって保全する意味あるの?
新たな書き手待ち?

296 :名無し娘。:2001/06/14(木) 01:53 ID:80RMTMzQ
じゃぁこれ以降、ネタ、小説以外による保全レス禁止って事で。

GO!

297 :名無し娘。:2001/06/17(日) 15:22 ID:vl5zdv/c

 彼女は、何かをゆっくりと考えている仕草のまま、
 徐々に、徐々に、こちらへと、白く端正な顔を向けつつあった。

298 :竹光侍。:2001/06/18(月) 17:23 ID:fHjRHx/M
〜目障り〜

 何でいつもわたしの視界に入ってくるのよ。
 ピンク一色で目障りなのよ。
 その甲高い声も耳につく。
 今も、ごっちんとよっすぃ〜と三人で、はしゃいでる。
 ちょっとは静かに出来ないわけ?

299 :竹光侍。:2001/06/18(月) 17:23 ID:fHjRHx/M
 にらみつけてるわたしに気づいたのか、こっちに笑顔を向けてくる。
 思わず目をそらせちゃったじゃない。何でわたしが……。む〜か〜つ〜く〜。
「保田さ〜ん」
 あまつさえ、声までかけてきた。
「な、何よ…」
 ドギマギさせんじゃないわよ。
「私、カップケーキ焼いてきたんですよ」
 脳天気に笑いかけてくる。……ちょっと可愛いじゃない。

300 :竹光侍。:2001/06/18(月) 17:24 ID:fHjRHx/M
「食べてくださいよ〜」
 …そ…そこまで言うなら食べてあげるわよ。
 どれどれ…パクッ……。
「…まあまあね」
「ええ〜…自信あったのに……」
 そんな切なそうな顔するんじゃないわよ!
 何だか…わたしまで悲しくなるじゃない……。
「う、うそうそ。おいしいわよ」
「本当ですか?」
 ピョンピョン飛び跳ねないの!
 まったく……目障りだったら……。
「保田さん、大好きです!」
 へっ?…ホントに?……。

301 :竹光侍。:2001/06/18(月) 17:25 ID:fHjRHx/M
 「大好きです」…「大好きです」……「大好きです」…………。
 ハッ! いけない、いけない。危うくトリップしちゃうとこだったわ。
 これだから、この娘。は目障りなのよ。
 まったく……。
 わたしが見る方向に、いっつもいるんだから。
 目障りだったら…ありゃしない。
                          (終)

302 :名無し娘。:2001/06/18(月) 17:30 ID:G/S7aW76
ウマイ!初めて保田に軽く萌えた

303 :竹光侍。:2001/06/18(月) 17:37 ID:fHjRHx/M
> 302
 ども(照)。
 勢いで書いたんで……細かいとろは目をつぶってくださいね。

304 :名無し娘。:2001/06/18(月) 23:29 ID:BTwZPp5.
竹光侍さん、短編だけどおもしろかったです。続編どうですか?

305 :竹光侍。:2001/06/19(火) 04:23 ID:oW17XMgs
 続編ですか……考えてみます。

306 :竹光侍。:2001/06/19(火) 09:16 ID:PlBv9uXQ
〜私のこと……キライですか?〜

 私のこと……キライですか?
 いつもいつも、怖いくらいの保田さんの視線を感じます。
 レッスンのときも、リハーサルのときも、楽屋でふざけてるときも、
番組中も……。
 気がつくと保田さんの視線を感じます。

307 :竹光侍。:2001/06/19(火) 09:17 ID:PlBv9uXQ
 私のこと……キライですか?
 ミスをすると、すかさず指摘してきますね。
 だから、いつも緊張します。
 私は…保田さんに良いところを見せたいのに……。
 ついつい張り切りすぎて、ミスをしてしまいます。
 そんなとき、どことなく保田さんが嬉しそうに見えるのは…
…なぜですか?

308 :竹光侍。:2001/06/19(火) 09:18 ID:PlBv9uXQ
 私のこと……キライですか?
 一瞬のミスも見逃さないような、真剣な眼差し。
 眉間にしわが寄っちゃってます。
 私は…笑った保田さんが見たいのに……。
 そのことを、うっかり口にしちゃったら、保田さん、真っ赤に
なって、うろたえてましたね。
 あんな保田さん、初めて見ました……どうしてあんなに動揺し
てたんですか?

309 :竹光侍。:2001/06/19(火) 09:19 ID:PlBv9uXQ
 いつもいつも、私のことを見てくれている保田さん。
 私は……保田さん好みの女の子になりたいのに……。
 私のこと……キライですか?
                        (終)

310 :竹光侍。:2001/06/19(火) 10:48 ID:PlBv9uXQ
 一応、続編のつもりです(w。
 「鈍感なのはお互い様」って感じのやすいしです。

311 :0083:2001/06/19(火) 12:24 ID:C89XCx6w
「おい、リカ見ろよ! このMS(モビルスーツ)ガンダムだぜ! カッケー」
さすがのヒトミもこれには驚いた。
士官学校を卒業して軍に入ってすぐのことだったからだ。
「ほんとだ2機もあるね」
二人とも感動を味わっていた
「あらあら何か騒がしいわね。」
一人の女性が2人の元に歩み寄ってきた
リカがそれに気づき
「本日着任いたしましたリカ・イシカワ少尉です。」
それに対してヒトミはまだガンダムを見て
「カッケー」
と呆けていた。
「ちょっとヒトミ何やってんの」
「えっ あっ!」
ヒトミもようやく気づき
「失礼しました ヒトミ・ヨシザワ少尉であります。」
「ふふっ 今回の新人さん達は元気がありあまってるようね。
私はアナハイム社からこちら2機のMS開発を担当している
カオリ・イイダです。」

312 :フェアレディ Z:2001/06/19(火) 12:26 ID:C89XCx6w
きょうはここまで。
へたくそですがゆるしてください

313 :名無し坊主。:2001/06/19(火) 12:32 ID:GmXY9eC6
下げましょうよ

314 :名無し娘。:2001/06/19(火) 13:40 ID:goNVL1cg
僕には友達がいない。
だから休み時間には常に本を読んですごす。
大体、流行に踊らされているバカ共と話を合わせるくらいなら
太宰治や三島由紀夫、江戸川乱歩や夢野久作を読んでいるほうが遥かに有意義だ。
自分の主張も持てないようなくだらない奴はみんな氏んでしまえ。
でもそんなくだらない奴らの中で、斜め前の席の圭織さんだけは違う気がする。
圭織さんは不思議な人だ。
くだらない連中と話をしていたかと思えば一人で絵を描いていたりする。
ニ時限目まで授業を受けていたのに三、四時限目はいなくなっていて、
早退でもしたのかと思えば五時限目にはまた授業を受けている。
授業中は圭織さんを目で追う。斜め前の席だから表情は見えない。
長く伸びた髪の動きをじっと目で追う。圭織さんが体を動かすと髪も動く。
そして、授業はいつの間にか終わる。

315 :名無し娘。:2001/06/19(火) 14:04 ID:U9ZpU3cE
圭織さんとは一度だけ話をしたことがある。
授業中に鉛筆を落としたときのことだ。
鉛筆はコロコロと圭織さんの机の下まで転がっていった。
生憎その一本しか鉛筆を持っていなかったため、僕はノートをとるのを諦めかけた。
その時圭織さんが僕の鉛筆に気付き、手を伸ばし鉛筆を拾ってこういった。
「これ、君のだよね?」
僕はそれまで圭織さんはおろかクラスの誰とも口をきいた事がなかったから、
なんと言えば良いのかわからず手だけを差し出した。
圭織さんは僕に鉛筆を渡すと何故か得意そうに
「人に何かしてもらったらお礼を言うものだよ?」
と言った。僕はやはり何を言えば良いのかわからず「ああ・・・」と呟いただけだった。
すると圭織さんはちょっとムッとしたような顔で言った。
「君はありがとう、くらい言えないのかな?」
僕はそう言われてやっと「ありがとう」と言うと、
圭織さんは満足そうな顔でニッコリと微笑んだ。
そして圭織さんが前を向くと髪の毛が圭織さんを追うようにぱぁっと広がった。

316 :名無し娘。:2001/06/19(火) 15:51 ID:VYd/QN5Y
>>310
激萌え!マンセー!!
鈍感でもお互い両想いで・・・っかー!憎いね!上手すぎだぜちくしょうめ!(w
続き激しくきぼーん!!!幸せな感じが見たいかな。
まぁ書いてくれたら何でも良いや。竹光侍。さんなら絶対良作!お願いっ

317 :名無し娘。:2001/06/20(水) 00:49 ID:Ke07Ko4M
ヤバイ雰囲気になってきたな……。

318 :名無し娘。:2001/06/20(水) 01:08 ID:cTHf.hts
竹光侍さん、続編よかったです。二つの話を通して真実がわかるのですね。
またよろしくお願いします。

319 :竹光侍。:2001/06/20(水) 01:31 ID:drXKY0/o
〜どうでもいいことなのに……〜

 石川とレッスンの打ち合わせをしようと控え室に寄ると、辻が石川に
おねだりしていた。
「梨華ちゃん、なぞなぞしようよ。なぞなぞ〜」
「ええ〜?……あ、保田さん」
 何だか嬉しそうな顔をして石川が駆け寄ってくる。
 ほら、辻がつまらなそうにしてるじゃない。
「いいよ、石川。時間はあるから、辻の相手をしてやりな」
「え…でも……」
「やった〜! 梨華ちゃん、なぞなぞ〜」
 はしゃいだ辻が、石川の袖をもって左右にブンブンと振り回す。

320 :竹光侍。:2001/06/20(水) 01:34 ID:drXKY0/o
「え〜……辻ちゃん、今度にしてくれない?」
「いいじゃん。保田さんもOKなんだから遊ぼうよ〜」
 駄々をこねる辻を、石川は持て余し気味。
「…今度にしてよ」
「なぞなぞがダメだったら…10回10回クイズでもいいよ?」
 辻もなかなか引き下がらない。
「…お願いだから……今度にして」
「じゃ、辻も、梨華ちゃんと保田さんと一緒にお話し合いする」
 けわしい顔になった石川が大きく息を吸い込んで、それから……。
「邪魔だから、今度にしてって言ってるでしょ!!」

321 :竹光侍。:2001/06/20(水) 01:35 ID:drXKY0/o
 …石川がだれかを怒鳴りつけるとこなんて初めて見た。
「…ふぇ…ふぇ〜〜ん」
 ありゃりゃ。辻、泣いちゃったよ。
「石川…あんな言い方はひどいんじゃない?」
「…どうしてですか?」
 両手をギュッと握り締めて、うつむいたまま、まだ息を荒げている。
「どうしてって……辻はまだ子どもなんだからさあ」
「………」
「…辻に謝りな」
「いやです」
 相変わらずうつむいて、激しく首を左右に振る。

322 :竹光侍。:2001/06/20(水) 01:38 ID:drXKY0/o
 こんなに反抗的な石川なんて……どうしちゃったわけ?
 辻は泣きっぱなしだし。
 何だか無性に……む〜か〜つ〜く〜。
「辻に謝りな!」
「いやです!」
 石川の返事と同時に、考えるよりも先に手が出ていた。
 バチ〜ンッ!
 左の頬を押さえて、口をへの字にしてわたしをにらむ石川。
 そのまま石川は、走って部屋を飛び出していった。

323 :竹光侍。:2001/06/20(水) 01:40 ID:drXKY0/o
 わたしは……わたしは右手を開いたり閉じたり…自分の右手に残った衝撃に
不快感を感じながら、辻をなだめるのが精いっぱいだった。
「辻…辻、ジュース飲む? おごってあげるから、一緒に買いにいこっか?」
 辻の手を引いて廊下へと出る。
 どうでもいいことなのに……。
 石川、何であんなに意地を張ったんだろう?
 わたしは…何でこんなに腹が立ったんだろう?
 何にも…何にも分からなかった。
                               (続)

324 :名無し娘。:2001/06/20(水) 01:56 ID:MVbFnPqE
それなりにちゃんと書けてるし、小説としては好きだぞ、こういうの。
ただ長かったり、筋が上手くまとまらないとかなり格好悪くなっちゃうよ。

325 :名無し娘。:2001/06/20(水) 01:58 ID:MVbFnPqE
上のほうのヤツのことね、スマソ。

326 :名無し娘。:2001/06/20(水) 03:10 ID:jnfzEac2
上のほうって、どれやねんと思ったり。

327 :竹光侍。:2001/06/20(水) 11:34 ID:uiosXLmE
〜バカみたい〜

 バカみたい。
 わたしはただ、保田さんとお話したくて、何とか辻ちゃん
を説得しようと思ったのに、逆に保田さんに怒られちゃって。
 保田さんに…嫌われちゃった。

328 :竹光侍。:2001/06/20(水) 11:34 ID:uiosXLmE
 バカみたい。
 わたしはただ、一生懸命なところを保田さんに見てもらい
たかっただけなのに。
 保田さんの自慢の弟子になりたかった。
 それなのに……。
 わたしはもう、保田さんの弟子失格ですね。

329 :竹光侍。:2001/06/20(水) 11:35 ID:uiosXLmE
 バカみたい。
 わたしはただ、保田さんの前で格好をつけてただけですね。
 こんなわたしを、保田さんに見てほしくない。
 わたしなんかが、保田さんの側にいちゃいけないですよね。
 保田さん、忘れてください。
 わたしのことなんか……。
                         (続)

330 :竹光侍。:2001/06/20(水) 11:42 ID:uiosXLmE
〜謝りたいよ……〜

 あれ以来、石川とは口をきいてない。
 相変わらずわたしの視線の先にいて、ピンク一色の目障
りな存在なのは変わらないけど……。
 でも、わたしが話しかけようとしても、
「あのさ、石川……」
「! あ、よっすぃ〜、あのね……」
 ……こんな風に上手く逃げられちゃうし……。

331 :竹光侍。:2001/06/20(水) 11:43 ID:uiosXLmE
 なんだよ! わたしが悪いわけ?
 そりゃ、ぶったのはやり過ぎだったかもしれないけどさ。
 だからって逃げんじゃないわよ!
 ……謝りたくても謝れないじゃん。

332 :竹光侍。:2001/06/20(水) 11:48 ID:uiosXLmE
 何を怯えてんのよ?
 石川…石川……こっちに来てよ。
 いつもみたいに、図々しく話しかけてよ。
 昨日のことさあ……謝りたいよ……。
 石川…石川……。
                     (続)

333 :竹光侍。:2001/06/20(水) 11:51 ID:uiosXLmE
>>324-325
 上の方のヤツって、すぐ上のオイラでしょうか?
 格好悪く……なるかも(w
 頑張りまっす!

334 :名無し娘。:2001/06/20(水) 12:12 ID:cUuY1nvs
( `.∀´)( ^▽^)最高。

335 :山田君:2001/06/20(水) 14:57 ID:/EhlRTMs
>>314,315
 なんかいいっっス
そんな飯田が一人欲しい

336 :八娘。伝:2001/06/21(木) 02:55 ID:Ttfz/Erw
仁 犬江親兵衛 辻
義 犬川荘助  矢口
礼 犬村大角  保田
智 犬坂毛野  後藤
忠 犬山道節  石黒
信 犬飼現八  市井
孝 犬塚信乃  安倍
悌 犬田小文吾 飯田

ゝ大法師    中澤
伏姫      平家
浜路      福田

ってなかんじで誰か書いて

337 :0083(2):2001/06/21(木) 14:18 ID:0u01qHbs
「ねぇイイダさんこの2機のガンダムなんですけど・・」
「カオリでいいわよ。でっ何?」
「こっちのは分かるんですけど、いったいこっちのはいったい何のために
造られたんですか。」
「あらっ気づいたのね。」
少し驚きを感じるカオリに
「ええ、このMSはバルカンとサーベルしかないし、出力は高そうだけど。」
「そうねこのMSは実戦向きとはいえないはね。」
と言いMSの見て哀しい顔を見せる
「このMSはGP02サイサリスといって核弾頭を装備しているのよ。」
「でもそっれて条約違反じゃないんですか。」
リカの言っている事も勿論正論だった。
「確かにねでも・・ん!誰!!」
いきなり物陰から人が飛び出したかと思うと
すぐにGP02に乗り込んでしまった。
「ちょっとあなたどういうつもり。早くガンダムから降りなさい。」
叫ぶカオリを尻目にGP02が動き出した。
「このMSは我がジオンが頂いた。」
その時カオリは気づいてしまったのだ、さっきの人影、あの声
まさか
「だれか、あれを止めてぇー 早く。」
その混乱の中
「ヒトミどうしよう」
と振り向いた先にはヒトミはいなかった
「あれヒトミ 何処?」
とあたりを見渡すともう一方のガンダムに乗り込もうと
しているヒトミを見た
「ちょっとヒトミ何してんのよー」
「見てのとおり。あれを追いかけるのよ。」
「ちょっとヨシザワ少尉なにを勝手なことを、あなたじゃ
無理よ。」
ヒステリック状態のカオリはもう何がなんだか
分からなくなってきた。
「あああぁぁ 私のガンダムがぁぁ」

338 :名無し娘。:2001/06/21(木) 14:23 ID:znEG.riU
小説はsageてやれ

339 :竹光侍。:2001/06/22(金) 21:53 ID:6wqwhSoA
〜急転直下!〜

 あんなことがあっても、保田さんは何かと話しかけようと
してくれる。
 そりゃそうよね。保田さんは誰にでもやさしいもの。
 それに、私の教育係だから、全然、話をしないと示しがつ
かないもんね。
 でもダメ。どうしても逃げちゃう。
 決定的な拒絶の言葉を突きつけられそうで……。

340 :竹光侍。:2001/06/22(金) 21:54 ID:6wqwhSoA
(ふ〜っ……)
 楽屋に長くいると保田さんから逃げられなくなるから、折
を見て外へ出る。
 屋上へでも行こうと階段を上っていると……。
 上から保田さんか下りてきた!
(どうしよう?!)
 思わず階段の途中でクルッと回れ右。
 急いで下りようと……。
 ズダダダダ〜ッ!
 あっという間に視界が暗転した。
                         (続)

341 :竹光侍。:2001/06/22(金) 22:14 ID:6wqwhSoA
〜心配させんじゃないわよ〜

「まったく……」
 ベッドで寝ている石川の顔を見ながら、ため息だか
何だかわからない言葉をつぶやく。
 石川の右のおでこには白くて四角くって大き目のバ
ンソウコウが貼られてる。
(…かわいい顔が台なしじゃん……)
 何となく手を伸ばしてバンソウコウに触れようとす
ると石川が目を覚ました。

342 :竹光侍。:2001/06/22(金) 22:14 ID:6wqwhSoA
「あ…保田さん……ここは?」
「…もう! 心配させんじゃないわよ!!」
 わたしの声におびえるように、ふとんで顔を隠す。
 おどすつもりはなかったんだけど……。
「ご、ごめんなさい!」
「…ま、大したことなかったからいいわよ」
 階段から落ちたあんたを見たときは、本気で死んじゃっ
たのかと思ったんだから……。血の気が引くってあん
な感じなんだね。初めて感じたよ。

343 :竹光侍。:2001/06/22(金) 22:15 ID:6wqwhSoA
 伸ばしたままだった手で、サラッと石川の前髪をい
じる。
「保田さん?」
「……本当に…心配したんだからね……」
「保田さん……」
                       (続)

344 :名無し娘。:2001/06/24(日) 13:04 ID:lMmrBv2k
>竹光侍。
グッジョブ!!マジ萌えるわ。あんた最高だ!(藁
続き頑張って!きぼーん。

345 :竹光侍。:2001/06/25(月) 15:40 ID:sepmXB8c
〜笑顔がまぶしくて〜

 病室の真っ白な壁をバックに、保田さんの笑顔は
何だか寂しそうでした。
 でも、その笑顔が私にはまぶしくて……。
「…保田さん……ごめ…ごめんなさい……」
 切なくて、切なくて。
 切なさが、涙になって頬を伝って――。

346 :竹光侍。:2001/06/25(月) 15:41 ID:sepmXB8c
「石川……」
 前髪をさわっていた保田さんの手が、スッと降り
てきて、涙をぬぐってくれたんです。
「わたし…昨日は、このほっぺたをぶっちゃったん
だね」
 そのまま左の頬に手を当てて、保田さんはそう言
いました。
「…痛かった?……」

347 :竹光侍。:2001/06/25(月) 15:41 ID:sepmXB8c
 のぞき込む保田さんの笑顔は、やっぱり寂しそう
で…まぶしくて……。
 だから…だから私は、保田さんの瞳を見つめながら、
首を横に振ることしかできなかったんです。
「…保田さん…保田さん…ごめんなさい……」
 せっかく保田さんがぬぐってくれたのに、涙が後
から後から出てきて。
 保田さんの困った顔が、にじんで見えなくなっちゃっ
た。
                     (続)

348 :名無し娘。:2001/06/27(水) 01:49 ID:fs4zt.KQ
竹光侍さん、おもしろいです。二人の思いは、どうなるのでしょう?
わくわく!

349 :竹光侍。:2001/06/27(水) 11:36 ID:4PNs7Dpc
〜素直になれたら〜

(石川…泣かなくったっていいんだよ)
 そう言ってあげたいのに……。
「めそめそするんじゃないの! 左の足首をちょっと捻挫し
ちゃっただけなんだから」
 ……素直じゃないなあ、わたし。

350 :竹光侍。:2001/06/27(水) 11:37 ID:4PNs7Dpc
 それでも石川は、鼻をグスグスいわせながらコクンと肯く。
 石川は本当に素直な娘。だね。
 わたしと正反対。あんたと話してると、何だかイライラし
てくるんだよ……素直になれない自分に対して。

351 :竹光侍。:2001/06/27(水) 11:38 ID:4PNs7Dpc
 ほかのメンバーといる時は、そんなことないのに。
 なぜだろう?
 あんたの前では、素直な自分でいたくなる。
 でも……ダメなんだ。
 強いわたしじゃいられなくなりそうで……。
 あんたに情けないとこ、見せられないもんね。

352 :竹光侍。:2001/06/27(水) 11:39 ID:4PNs7Dpc
「早く治さないといけないんだから、もうちょっと寝てな」
「はい……」
 石川がじっとわたしを見る。
「保田さん……」
「何よ」
 そんなすがるような目で見つめないでよ。

353 :竹光侍。:2001/06/27(水) 11:40 ID:4PNs7Dpc
「もう少し…一緒にいてくれますか?」
 胸が苦しい。
 深呼吸しなきゃ、声も出ないじゃない。
「……いいよ」
 ベッドの横から、石川の手が伸びてくる。
 それを両手で包むようににぎって……石川の体温を感じて
いた。
                         (続)

354 :名無し娘。:2001/06/28(木) 04:19 ID:C7bhp9sY
moe

355 :竹光侍。:2001/06/28(木) 12:32 ID:GAtDQoVY
〜我がまま〜

 私、とっても我がままになってる。
「もう少し…一緒にいてくれますか?」
 こんなこと言っちゃって、迷惑に決まってる。
 本当は保田さんも疲れてるはずなのに……。
「……いいよ」
 そう言ってくれることも分かってた。

356 :竹光侍。:2001/06/28(木) 12:33 ID:GAtDQoVY
 いろいろキツイことも言われるけど、保田さんは優しい人
だから。
 今も私の手をにぎってくれている。それも両手で包み込む
ように。
 あったかい……。

357 :竹光侍。:2001/06/28(木) 12:33 ID:GAtDQoVY
 保田さんといると、とっても我がままになっちゃうんです。
 だって、保田さんが優しすぎるから。
 みんなに優しいから。
 私、保田さんの「特別」になりたかったんです。
 だから我がままを言って確認したくなるんです。

358 :竹光侍。:2001/06/28(木) 12:34 ID:GAtDQoVY
 今もそう。
「保田さん」
「何?」
「今、私が何考えてるか…分かります?」
「はぁ? そんなの…分かんないよ」
「…当ててください」
(好きです)
 心の中で、何度も告白している。
「保田さん…私の気持ち、当ててください」
                        (続)

359 :竹光侍。:2001/06/29(金) 15:33 ID:P0BO7uZs
〜キライじゃないよ〜

 ちょっとあんた、何言い出すのよ。
「私の気持ち、当ててください」ですって?
「そんなの、わかるわけないじゃん」
 ……だから、すがるような目で見るんじゃないわよ!
 え、え〜と……今考えるから、ちょっと待っててよ。

360 :竹光侍。:2001/06/29(金) 15:34 ID:P0BO7uZs
 ホント言うと、石川の気持ち、わたしだって知りたい
んだ。
 何でかっていうと、あんたのことが……あんたのちょっ
としたことが気になるんだよ。
 だってさ、わたしは石川のことが……。

361 :竹光侍。:2001/06/29(金) 15:35 ID:P0BO7uZs
「……『私、保田さんのことがスキです!』…な〜んて
ね」
 自分の願望を込めて言ってみたり。
 そんな都合のいいことあるわけないじゃんねえ。
 自分でも苦笑いしちゃうよ。

362 :竹光侍。:2001/06/29(金) 15:35 ID:P0BO7uZs
 って、あれ?
「石川?」
 何でそんなに真っ赤な顔でビックリしてるわけ?
 ホント、変な娘。だね。
 でも、あんたのそんなとこも……キライじゃないよ。
 うん。キライじゃない。
                       (続)

363 :名無し娘。:2001/06/29(金) 15:37 ID:O/v/Kc9U
かなり(・∀・)イイ

364 :名無し娘。:2001/06/29(金) 15:43 ID:FWdIwg1w
続ききぼんぬsage

365 :モー娘。板に名無しさん(羊):2001/07/01(日) 01:20 ID:THZCWuEU
保全age。スマソ。

366 :名無し娘。:2001/07/01(日) 01:23 ID:yertCrbA
だからあげなくても保全されるって!!

367 :名無し娘。:2001/07/01(日) 08:17 ID:p4zSlOHQ
なんかなぁ。上げるも下げるも好きにしたらええやん。
ちょっと最近、小煩いのが増えて、読んでて萎えるんだけど。

368 :名無し娘。:2001/07/01(日) 14:56 ID:ep6hKKOM
バカもん。小説はsageが基本だ
なんでかって?荒らすアホがいるから
このスレ荒らされたら嫌だろ?
それに>>366も指摘しているように保全は書き込みさえすればいい
それも一日一回あれば十分

369 :名無し娘。:2001/07/01(日) 16:01 ID:p4zSlOHQ
基本って何よ? 何時の間にそんな事が決定されたんだ?
たかだか数レスの小説を上げたところで大して幅取るでもなし、一体誰に迷惑がかかるんだ?
小説が上がってくるのを厭う奴が、自分の都合の良いように、有りもしないローカルルールを
創りだしたとしか思えんね。
>>270 とか、(まぁ苦労して書き上げた物書きに言う事かね? んな事ぐらいBWなら知ってる
     だろって思わなかったのか?)
>>338 とか、(あー気分悪っ!)
>>366 とか、(これなんか、どのスレでも、モー娘。板に名無しさん(羊) 、の後に一くさり入れ
     てるのは、ある意味便乗荒らしだろ)
>>368
>このスレ荒らされたら嫌だろ?
>それに>>366も指摘しているように保全は書き込みさえすればいい
>それも一日一回あれば十分
やー、最高の煽りレスをありがとう。他のスレでも頑張って指導して下さいね! こっちにはもう
来なくて良いからね。ほな。

370 :名無し娘。:2001/07/01(日) 22:45 ID:osQ/7y6E
>>369
やめろ。君も煽ってると同じ。
保全は他の小説スレでちょい問題になったから気を使ったんじゃ?
基本がsageになったのは分割する前、荒らされることが多く
それを嫌った読み人がそういうようになったと思ったが。
まあ羊だからね、なんともいえんね。
ただ作者がsageで書いているのに、わざわざあげるのはどうかな。

371 :名無し娘。:2001/07/01(日) 23:26 ID:LsYf/mRg
>>369
キミ、そんなに思うところがあるなら、新スレ立てるよろし。

372 :名無し娘。:2001/07/01(日) 23:37 ID:p4zSlOHQ
>>370
あのね、そんな事は板の分轄前から存じ上げておりますので、今更ここに来て
ご丁寧に教えて頂く必要も御座いませんって言ってるワケ。

>基本がsageになったのは分割する前、荒らされることが多く
ってか、上げるか下げるかは作者の判断に委ねるって事になったのでは?
羊で最初に立った小説総合スレでそんな流れになってたっしょ。
『小説 矢口&なっち』
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=mor2&key=993569627
んが、このスレの顛末とかを見ると、もう決め付け入ってるし。作者に判断させる暇
を与えないと言うか。こんなんでええんかな? 俺はぜんっぜん良くないと思うぞ。

読者も上げ荒らしにならない程度なら、別に感想書いて上げる分には問題ないだろ。

373 :名無し娘。:2001/07/01(日) 23:43 ID:p4zSlOHQ
>>371
あのねー、このスレを立てた者としてしゃしゃり出るのをずっと我慢して保全の
手伝いをする事だけに専念して来たんだけど、同じようなレスを三度も頂いて
いい加減ブッチリ来た訳ですよ。ええ。スレ汚しすんな、と。
君らほんまに小説スレが好きなんか? 行動を見てると、非常に疑問に感じる。

374 :名無し娘。:2001/07/01(日) 23:45 ID:RFqJmIXk
>>369-372
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=mor2&key=991860311&ls=5
長くなるようなら、こちらへどうぞ。

375 :名無し娘。:2001/07/01(日) 23:47 ID:RFqJmIXk
あらま?余計でしたか?スレ汚しすみませんでした。

376 :名無し娘。:2001/07/01(日) 23:51 ID:nxKUxfRM
>>372 >>371

377 :名無し娘。:2001/07/01(日) 23:56 ID:5TZyg4aM
>ってか、上げるか下げるかは作者の判断に委ねるって事になったのでは?
このスレで直前まで書いてる竹光侍。はsageで書いているのに
>>365がageてるし、このコテハンは他スレでも同様のことをしている
つまり保全はageなきゃ出来ないと勘違いしてるらしいので>>366が指摘して
あげただけだろう(あくまで推測だが)

>読者も上げ荒らしにならない程度なら、別に感想書いて上げる分には問題ないだろ。
 そりゃそうだが'程度’てのは個人差があるし、完成するまでageて欲しくない作者だって
いるだろうし、人それぞれだからなあ
>>371
同意。このスレだけで俺たちがあーだ、こーだ言ってもね。
それだけ問題意識があるならスレ立てれば?

378 :377:2001/07/01(日) 23:58 ID:5TZyg4aM
おやおや、失礼。書き込むのが遅かったね

379 :名無し娘。:2001/07/02(月) 01:09 ID:qwj2cKZM
( `.∀´)<ていうかアンタ達ごちゃごちゃ言い過ぎよ!sageだのageだのと!
        作者さんがsageを望むって言うならsageれば良いし。
       (>>377)に激しく同意よ!もっとマターリ考えなさいよ!みんな仲良く!
こうやって言い争ってて作者さんが嫌な気分になったらどうするのさ!
        続きが見たいのよ!(藁
        でしゃばってごめんなさいね!ただココが好きだから。揉めて欲しくないのよ!

( ^▽^)<熱くなってますね〜 ココはひとつチャーミーのお茶目なダジャレで気分一新♪
      昨日の夜も暑かったですよね。石川お布団蹴飛ばしちゃったんですよぉ
      これがホントの「お布団が吹っ飛んだ〜♪」

( ;`.∀´)<・・・・・・・・・・本当にゴメンなさいね!      

380 :名無し娘。:2001/07/02(月) 01:32 ID:p9LJeS6k
作者の判断って言ってもここの場合複数いるからね・・・
どうなんでしょ?

381 :名無し娘。:2001/07/02(月) 02:01 ID:Rm4XAgwc
小説の続きを強く希望。

382 :竹光侍。:2001/07/02(月) 13:53 ID:gGscZmSw
〜おまじない〜

(思いが…私の思いが……届いたんだ……)
 カ〜っと血が上ってくる感じ。
 顔が、頭が熱くなってくる。
「石川?」
 心配そうにのぞき込む保田さんの顔が近づいてくる。
「…あんた……何で泣いてんのよ?」
 小さく首を振る。
 嬉しくて、ビックリして……私自身にもわからなくて。
「ちょっと…わたし、泣き虫は……」
「キライ…ですか?」
 言葉の先回り。
 なぜだかわからないけど、直感が告げていたから。
“今がチャンスだよ”って。

383 :竹光侍。:2001/07/02(月) 13:54 ID:gGscZmSw
 いつも以上に瞳を大きくして、真っ赤な顔の保田さん。
「保田さん…私みたいな泣き虫は…キライ…ですか?」
 フッと私から目をそらす。
「あんたのこと……キライ…じゃないよ」
「保田さん……」
 視界が完全にぼやけて……。
 きっと今、私の顔は涙でぐじゃぐじゃになってる。

384 :竹光侍。:2001/07/02(月) 13:55 ID:gGscZmSw
 ふわっと顔の上に被さるような感じがして、それから…
…右の瞼に柔らかな感触が当たった。それから左側も。
「最近は泣かなくなったと思ってたのに」
「…保田さん……」
 慌てて目を開けると、保田さんの優しい眼差しが降っ
てきた。
「泣き虫な石川もキライじゃないけど…わたしは…笑っ
てる石川の方がスキだなあ」
 保田さんの笑顔を呆然と見ながら、手をあげて自分の
瞼にそっと触る。
「涙が止まるおまじない」
 イタズラな笑み。
 保田さんのおまじない…恋の呪文も兼ねてるみたいで
す……。
                       (続)

385 :名無し女良。:2001/07/03(火) 01:28 ID:7/2CrQtE
>>384
想像すると、背筋が寒くなるね(w

386 :名無しさん:2001/07/03(火) 01:52 ID:DQq/doOM
>>380
その時、主に書いてる人のやっている通りにやればいーんでない。
そんなわけで今はsage

387 :竹光侍。:2001/07/03(火) 16:55 ID:SdUaIlFc
〜どうすればいいんだよ〜!!〜

 あ〜!!!!…恥ずかしいじゃんよ〜!!
 娘。になってからは、こういうキャラじゃないから見せた
ことないけど、実はわたしって結構、夢見ちゃうようなとこ
あるんだよね。
 自分でも真っ赤になっちゃうようなクサイこと言っちゃっ
たり……。
 な〜にが「涙が止まるおまじない」なんだかな〜……
 自分じゃなかったら、後頭部をはたいてるとこだよね。ほ
んとに。

388 :竹光侍。:2001/07/03(火) 16:56 ID:SdUaIlFc
 でも状況はそんなことにお構いなく、もう後戻りできそう
にない。
「保田さん……」
 石川……そ、そんな熱い視線を送らないでよ〜!!
 ただでさえ乙女チックな石川が、今や雰囲気全開。
 だんだん、わたしもクラクラしてきた。
 はっきり言って、やばい。

389 :竹光侍。:2001/07/03(火) 16:57 ID:SdUaIlFc
「石川…目、つぶってな」
 早く寝ちゃってよってつもりで言ったのに……。
「!!…はい……」
って、石川。
 ちょっと〜! 何で唇がとんがってるわけ?
 …も、もしかして…キスしろっての?
 わたしはそんなつもりで言ったんじゃ……そんなつもりで
言ったのかな?

390 :竹光侍。:2001/07/03(火) 16:57 ID:SdUaIlFc

 そ、そりゃ石川のことは…ス、スキ…なんだと思う。
 でも、キスとか、そんなことは……。
 あ〜もうっ! 自分で自分がわからなくなってきた。
 どうすればいいんだよ〜!!
                        (続)

391 :名無し娘。:2001/07/04(水) 01:48 ID:J1PWDbLU
竹光侍さ〜ん!なんかドキドキする展開ですね〜。

392 :竹光侍。:2001/07/04(水) 09:59 ID:Jqd1HlW2
〜勝負の時は今〜

 目をつぶっててもわかる。
 保田さん、まだ戸惑ってるみたい。
 そうよね…中澤さんじゃあるまいし、女の子同士でキス
なんて……。
 でも、それでも私は待ちますよ。
 もう次は勇気を振り絞れないかも知れないから。
 今が勝負の時。

393 :竹光侍。:2001/07/04(水) 10:00 ID:Jqd1HlW2
 キュッと眉を寄せて、ギュッて感じで目を閉じて。
「い、石川?……」
「…………」
 返事はしちゃダメ。
 じっと我慢よ、梨華!
 全身全霊で切ない表情に集中!!
 保田さんの優しさにつけこむみたいで心苦しいけど……。
 でも、今が勝負の時だから。
 ほらっ、保田さんの顔が近づいてきた。
                        (続)

394 :竹光侍。:2001/07/04(水) 10:02 ID:Jqd1HlW2
>>391
何とかご期待に沿えているでしょうか?
書いてる方は違う意味でドキドキしてたりして(w

395 :名無し娘。:2001/07/04(水) 11:55 ID:orFbK13g
ぐぁーーー!!こんなとこで寸止めか!やるねー(藁
心情とかが凄く伝わってきてなおかつリアルな女の気持ちな感じがして。
自分でも何書いてるか解んなくなってきたけど(藁
良い!竹光侍。マンセー!!頑張れ! 

396 :名無し娘。:2001/07/04(水) 13:48 ID:9TunULBI
期待してます!

397 :名無し娘。:2001/07/06(金) 06:16 ID:JNrQFEgw
hozen

398 :竹光侍。:2001/07/07(土) 09:50 ID:kzs1GvZ.
〜ある意味、ファースト・キス〜

 いいのかな?
 いいよね?
 石川も…望んでること…なんだよね?
 だってこんなに切なそうな顔……。

399 :竹光侍。:2001/07/07(土) 09:51 ID:kzs1GvZ.
「い、石川?……」
 おっかなびっくり声をかけたら、ギュッて眉が寄って、もっと固く
目をつぶった。
 瞼がピクピクッて揺れて……石川、不安なの?
 そうだよね。こんな状況、勇気がいるよね。
 だったら……安心させてあげる。
 いいんだよね?

400 :竹光侍。:2001/07/07(土) 09:52 ID:kzs1GvZ.
 ためらいながら、ゆっくりと石川に唇を近づける。
 このまましちゃっていいのかな?
 まるでファースト・キスみたいにドキドキしてる。
 だってさあ、自分からキスすることなんて今までなかったし……。
 キスのときに目を開けてるなんて不思議。
 ものすごく現実的で…何か……征服感? そんな感じがする。
 男の子がキスするときって、こんななんだね。

401 :竹光侍。:2001/07/07(土) 09:52 ID:kzs1GvZ.
 直前まで、そんなこと考えてた。
 チュッて軽く唇が触れて、石川がビクッて震えて……。
 そうしたら、急に罪悪感みたいなものがわいてきた。
 何だか「教え子に手を出した教師」みたい。
 わたし…自分の欲望のために石川を汚しちゃったんだ。
 そう思った。
 だからスッと顔を離して……、
「…ごめん……」
って。そんな言葉しか出てこなかった。
                            (続)

402 :竹光侍。:2001/07/07(土) 09:57 ID:kzs1GvZ.
>>395
 寸止めした結果がこんなです(w
 どんなでしょう?
>>396
 期待されると……うれしい反面、緊張します(w
 小心者なんで

403 :名無し娘。:2001/07/07(土) 13:40 ID:SPt.Sq5o
石川可愛いっすね。
もっと続けて下さい

404 :名無し娘。:2001/07/07(土) 23:09 ID:sAvf5sIc
>竹光侍。さん
小説総合スレッドで紹介&更新情報掲載しても良いですか?

405 :竹光侍。:2001/07/08(日) 07:31 ID:OHDJiags
 すごいことになってしまった・・・
 こんな作品でよければお願いします。

406 :竹光侍。:2001/07/08(日) 20:23 ID:IX5Hr9vc
>> 404
 今更気がついたんですけど、タイトルがいりますか?
 え〜と…
「でも…思いは同じ」
ってことで。

407 :名無し娘。:2001/07/09(月) 00:24 ID:SbHQww.M
>竹光侍。さん
小説総合スレで紹介させていただきました。
今後の更新も頑張ってください。

408 :竹光侍。:2001/07/09(月) 11:41 ID:jq.dd9uU
〜謝ったりしないで〜

 うつむく保田さんの顔を、信じられない気持ちで
見ていた。
「…ごめん……」
 保田さん、何で謝ったりするの?
 私の思い、通じたと思ったのに……。
 私は…私はすっごく嬉しかったのに……。
「謝らないでください!」
 叫んでた。
「何で謝ったりするんですか?!」

409 :竹光侍。:2001/07/09(月) 11:42 ID:jq.dd9uU
「だって……」
 いつもみたいに自信にあふれた保田さんじゃなかっ
た。
 こんな保田さん、いやだよ。
「だって…わたしはあんたの教育係だし…メンバー同
士だし……」
「それでも私は…保田さんのことが……保田さんは…
私のこと、キライですか?」
 さっきと同じことを聞いてる。

410 :竹光侍。:2001/07/09(月) 11:42 ID:jq.dd9uU
「キライじゃないよ…キライじゃない」
「だったら!」
 まだつないだままだった手をグッと引いた。
 さっきはあんなに心強かったのに、今は力なく私に
引かれるまま。
 フラフラッと近寄ってきた保田さんの胸の辺りに、
ギュッと抱きついて……。
「だったら…謝ったりしないでください……」
                     (続)

411 :竹光侍。:2001/07/09(月) 11:43 ID:jq.dd9uU
>>407
ありがとうございます。
頑張りまっす!

412 :竹光侍。:2001/07/10(火) 15:51 ID:LdKoLK.Q
〜大スキだよ〜

 わたしは…バカだ。
 石川のために客観的状況を考慮して…なんて。
 ただ逃げてただけじゃん。
 石川の一途さが怖くて…それ以上に、自分が石川に
のめり込んじゃうんじゃないかって……怖がってただ
け。
 バカだ……ホントにバカだよ。

413 :竹光侍。:2001/07/10(火) 15:51 ID:LdKoLK.Q
 顔は見えないけど、石川は涙をこらえるように肩を
振るわせてた。
「石川……泣かないで」
 わたしの胸に頭をこすりつけるように、石川は首を
振るだけ。
 つられて、わたしも泣きそうだよ。
 石川、笑ってよ。
 あんたの笑顔が見たいよ。
 笑ってるあんたを見たら…わたしも幸せになれるか
ら。
 だって……わたしはあんたのことが…スキ…大スキ
だから。

414 :竹光侍。:2001/07/10(火) 15:52 ID:LdKoLK.Q
 そう。
 わたしはやっぱり、石川のことが大スキだ。
「石川…わたし、あんたのことがスキ…みたい…って
言うか…大スキだよ」
 抱きつく腕に、さらに力が入ってきつくなる。
 石川が大きく息をつくのがわかる。
「石川は…ホントにわたしでいいの?」
                      (続)

415 :竹光侍。:2001/07/11(水) 10:43 ID:fW/8X96A
〜素敵なキスをもう一度〜

 保田さんが…保田さんが、やっと言ってくれた。
 「大スキだよ」って。
 思わずギュッてしちゃった。
 深呼吸して、「私も…大スキです」って言おうとし
たのに……。
「石川は…ホントにわたしでいいの?」
 もう……保田さん、実はネガティブなんですか?

416 :竹光侍。:2001/07/11(水) 10:44 ID:fW/8X96A
 せっかくの告白が台無しです。
 もっとポジティブですよ!
 抱きついたまま、上目づかいに見上げて、
「私は保田さんが……保田さんじゃないとダメなんで
す!」って。
 保田さんは真っ赤な顔で、でもうれしそうに笑って
くれた。
 よし! ここはもう一押しよ、梨華!
 じっと保田さんを見つめて、ゆっくりと目をつぶっ
て……。
 保田さん、もう一回、素敵なキスをしてください。
                      (続)

417 :竹光侍。:2001/07/12(木) 15:23 ID:.TLMCZfI
〜ああっ! 神様〜

 ああっ! 神様、わたしに一体どうしろって言うのよ?
 ……可愛いあの子は目をつぶって待ってるし。
 一日に二回もキスしろっていうわけ?
 しかも…女同士で。
 まったく…ム〜カ〜ツ〜ク〜。

418 :竹光侍。:2001/07/12(木) 15:24 ID:.TLMCZfI
 神様にからんでもしょうがないけどさ。
 思わず天を仰いじゃったわよ。
「…っはぁ〜……」
 ため息なんかついちゃったり。
 石川の顔をチラッと見たり。
 ……やっぱり、まだ待ってるじゃん!

419 :竹光侍。:2001/07/12(木) 15:25 ID:.TLMCZfI
 わかったわよ……。
「保田さんじゃないとダメなんです!」とまで言われて
引き下がったとあっちゃあ、この保田さんの女がすたる
ってもんよ!
 気合いの入ったキ…キスをしてやろうじゃないの。

420 :竹光侍。:2001/07/12(木) 15:26 ID:.TLMCZfI
 緊張してるもんだから唇が乾いちゃって……。
 舌でなめてるからって、飢えた獣とは違うわよ!
 大きく一つ深呼吸。
 勢いをつけて……ええい! いっちゃえ!!
 思い切って石川の唇に、自分の唇を合わせる。

421 :竹光侍。:2001/07/12(木) 15:27 ID:.TLMCZfI
 ど…どうよ? わたしだってやるときは……。
 え? ちょ…ちょっと、石川??
 わたしが口づけた瞬間、石川の腕が伸びてきて、わた
しの頭をガッチリと抱きしめる。
 し…しかも! 石川がし…舌を入れてきた!!
 うっそぉ〜!!!

422 :竹光侍。:2001/07/12(木) 15:27 ID:.TLMCZfI
 ああっ! 神様。
 女同士でこんなにディープなキスをして……いいんで
しょうか?
 ものすごく背徳な雰囲気がするわ……。
 そんな間にも、石川に上唇を吸われちゃったり……。
 ああっもう! 何がなんだか……。

423 :竹光侍。:2001/07/12(木) 15:28 ID:.TLMCZfI
「ん…ん…ちょっと、石川!」
 やっとの思いでディープなキスから逃れる。
「何ですかあ?」
 妙にトロ〜ンとした目。
 …こいつ、雰囲気に酔っちゃってるじゃん!
「…あんた…こんなキス、どこで覚えてきた!!」
「どこでって…私…保田さんとが…初めてのキスですよ」
 ガ〜ン。
 本当に?
 わたし、石川の初めての人になっちゃったの?
 …何か…すごい重荷を背負わされた気分だわ。

424 :竹光侍。:2001/07/12(木) 15:30 ID:.TLMCZfI
「うそでしょ?!」
「…ほとんど……」
 何?「ほとんど」って…どういうこと?
「中澤さんにキスされちゃったことはありますけど」
「じゃ、初めてじゃないじゃん」
 ちょっとホッと…でも…かなりジェラシー。
「でも…『本気のキス』は初めてです」
 潤んだ目で見つめられて……強烈な一撃が脳天直撃!
 ……クラクラッてきて……。
 ほとんどBaby! 恋にKNOCK OUT!状態だわ……。
                      (続)

425 :名無し娘。:2001/07/12(木) 15:50 ID:lLGrcXaI
石川マジ可愛い!ウブなヤッスーもまた可愛い!(w
続きが楽しみです。頑張って下さい!

426 :返らない日・・・:2001/07/13(金) 05:22 ID:8qK/Vkr2
裕子は缶ビールの蓋を開けた。
そして、一口それを口に運ぶ。
「ふぅ。」
ビールをテーブルに置くと隣の部屋へと足を踏み入れる。
「きゃはは。」
楽しそうな笑い声が聞こえる。
そこにいるのは、1人の少女。
楽しそうに漫画を読んで笑っている。
裕子は、嬉しそうなそれでいて寂しげな顔で呟いた。
「矢口・・うちは、あんたに何をしたれるんやろ・・。」

427 :返らない日・・・:2001/07/13(金) 05:26 ID:8qK/Vkr2
話は今からしばらく前に遡る。
突然、裕子の耳に飛び込んで来たニュースに、とるものもとらず、
病院へとかけ付けた。もう、モーニング娘。を卒業し、ソロで
活動していた裕子は、仕事も順調で忙しい日々を送っていた。
そんな忙しさすら忘れさせる事件だった。
他の娘。のメンバーも病院にかけつけていた。
それは・・・矢口が家族と旅行に行っていて事故にあい、重体
だということだった。

428 :返らない日・・・:2001/07/13(金) 05:33 ID:8qK/Vkr2
ICUの窓ガラス越しに全員で矢口を見舞う。
体のいたるところにチューブをつけられ、酸素マスクを着けられて
矢口は眠っていた。
頭には包帯が巻かれ、わずかに見える手にも包帯が巻かれていた。
心電図が波をうつ。脳波計も波をうっている。
しかし・・・その動きはあまりにも小さい。
すでに声を出して鳴き始めている辻と加護を飯田と安倍が慰める。
保田と後藤は唇をかみ締めている。さっきから、震え続けている
石川の側に立ち、吉澤が肩を抱いている。
みんな普通の精神状態ではいられなかった。

429 :返らない日・・・:2001/07/13(金) 05:38 ID:8qK/Vkr2
裕子は気の遠くなるのを我慢しつつ、医者の待つ部屋へと行った。
「矢口さんですが・・ご家族の方と車に乗っていて事故に遭われて
 たった1人助かったと言うのが現状です。それで、全身を強く
 うっていて、特に頭部を強く打っているようで。
 ・・・正直、このまま目覚めないという可能性も・・。」
「そんな・・・なんとかならへんのですか?」
「最善は尽くしますが・・今後の事は・・現段階ではなんとも・・。」
医師の言葉を全て聞く前に、裕子は目の前が真っ暗になった。
そして、その場で気を失った。

430 :返らない日・・・:2001/07/13(金) 05:46 ID:8qK/Vkr2
目覚めると、真白な風景が目に入った。
どうやら、ここは病院のベッドの上らしい。
「ゆうちゃん、大丈夫だべか?」
心配そうに枕もとにいた安倍が声をかけた。
「びっくりしたべ。お医者さんの話の後で倒れたんだベ。」
「ああ、そうやったんか・・。それより、みんなは?」
「矢口のところには、圭織と圭ちゃんが付き添ってるべ。
 ゆうちゃん、ゆっくりしたほうがいいべ。このところ
 働きづめだって聞いてるベ。」
「うちは、大丈夫や。うちも矢口のとこに行く。」
「今日は帰ったほうがいいべ。ゆっくり休んで、明日また
 くればいいべ。矢口のことはなっち達に任せて。」
裕子は心残りだったが、安倍の意見を受け入れることにした。
自分まで参ってしまったら、みんなに余計な負担をかける・・。
「分かった。また、明日仕事が終わったらこっちにくる。」
裕子は帰り支度をすると、ICUに立ち寄った。
一言二言飯田と保田に矢口の事を頼むと、ガラス越しに矢口に
話しかけた。
「またな、矢口。明日来るよってに。」

431 :返らない日・・・:2001/07/13(金) 05:51 ID:8qK/Vkr2
翌日、裕子は仕事を終えると、病院へと向かった。
ICUの前に来ると、安倍が付き添っていた。
安倍も仕事帰りに寄ったらしい。
ほかのメンバーもしばらくすれば来るとのことだった。
矢口の様子は相変わらずだった。
「なんで・・・こんな事になってしもてんやろ。」
裕子は誰に言うとでもなく、呟いた。
「ゆうちゃん、大丈夫だベ。矢口なら、きっと目を覚ますべ。
 信じてあげよう。」
「・・ああ、そやな。そやなかったら、矢口にうち怒られるな。」

432 :返らない日・・・:2001/07/13(金) 05:57 ID:8qK/Vkr2
仕事を終えたメンバー達がぞくぞくとかけつける。
明日オフの保田が矢口に付きそう事になっている。
裕子も正直付添いたい気分だったが、明日からこの間出した
新曲の活動で明日から1週間ほど地方へといかなければんらない。
売れて来た位置を磐石にするためにも、この仕事を休む訳には
いかなかった。
「ゆうちゃん、私達が交代で付添うから、ゆうちゃは安心して
 仕事頑張って。なにかあったら、必ず連絡するから。」
「圭坊すまんな。頼むわ。・・・ほな、またな。」
裕子は病院を出た。

433 :返らない日・・・:2001/07/13(金) 06:00 ID:8qK/Vkr2
それから1週間、裕子は仕事で地方へと行った。
裕子にとって、この宣伝活動は重要なものだった。
握手会やサイン会、コンサート・・。忙しい日々が続いた。
そして、全ての予定を終えて帰ってきたその日、ふいに携帯がなった。
相手は安倍だった。
「ゆうちゃん、矢口が、矢口が・・・。」
涙声で話す安倍の声に異変を感じた裕子はすぐさま病院へと向かった。

434 :返らない日・・・:2001/07/13(金) 06:03 ID:8qK/Vkr2
病院へと着くと、すぐさまICUへと向かう。
すでに他のメンバーもそこにそろっていた。
「どないしたんや、矢口は、矢口は・・。」
息せき切って話す裕子に安倍が涙ながらに話し始めた。
「ゆうちゃん、矢口が・・目を覚ました。」

435 :返らない日・・・:2001/07/13(金) 06:06 ID:8qK/Vkr2
「ほんまか!」
ガラス越しに矢口のほうを見る。
医師や看護婦に囲まれながら、矢口はうっすらとその目を空けていた。
そして、物音に気づいたようにわずかに顔を上げる。
「矢口、分かるか。うちや、ゆうちゃんや。みんなもおるで。
 なっちも、カオリも、圭坊も、吉澤も石川も加護も辻も。」
ガラス越しに裕子は大きな声を上げる。
あまりの騒ぎに流石に看護婦に注意されてしまったが。
それでも、裕子の気持はいつにも増して晴れやかだった。

436 :返らない日・・・:2001/07/13(金) 06:09 ID:8qK/Vkr2
「もう、大丈夫です。あと、2,3日もすれば一般病棟に
 移れます。あとは、後遺症さえでなければ問題ないでしょう。」
「ありがとうございます。ほんとうにありがとうございます・・。」
裕子は涙ながらに医師に礼を言った。
これから、また、もとの楽しかった日々に戻れる・・。
その思いだけが裕子を支配していた。

437 :返らない日・・・:2001/07/13(金) 06:14 ID:8qK/Vkr2
3日後、ICUから矢口が一般病棟に移された。
しかし、モーニング娘。のメンバーという事も在り、
はっきりいうと個室への移動だったのだが。
面会のほうもできるということで、それぞれ手に手に見舞の品を
持って、病室へと訪れた。
裕子は矢口の大好きなプーさんのぬいぐるみを抱えていた。
「1人じゃ寂しいやろし、ちょっとした奮発や。」
流石に店で買うときは少し恥ずかしかったが。
そして、全員で病室の前へと着くとドアを開けた。
そこには頭に包帯をまいてはいるが、半身をベッドから起き上がらせ
ている矢口がいた。

438 :返らない日・・・:2001/07/13(金) 06:22 ID:8qK/Vkr2
「矢口、よかったぁ・・。」
裕子は涙ぐみそうになったが、笑顔をつくった。
「はい、これお見舞や。」
裕子はプーさんのぬいぐるみを矢口に見せる。
「ほら、なっちはクッキークッキー焼いてきたべ。」
「私はベタですけど、果物の詰め合わせを。」
「カオリはたいくつだろうと思って、矢口の好きなファッション誌
 買ってきたよ。」
「ののと亜衣ちゃんは、ゲームボーイ持ってきたのれす。
 ソフトも一杯ありますよ。」
しかし、矢口はなんの反応も示さない。
それどころか、怪訝そうな顔をした。
「どうしたんや、矢口?せっかくみんないろいろと持ってきたのに。」
「うん、私矢口真里だよ。でも、お姉ちゃん達誰?
 どうして、パパやママはここにいないの?」
矢口の発した言葉は、全員の動きを凍らせた。
「・・・矢口、どうしてしもたんや、いったい・・。」
裕子の手からぬいぐるみが落ちた・・。

439 :返らない日・・・:2001/07/14(土) 01:57 ID:gvdWiIEE
「正直、申し上げにくいのですが・・・。」
医師は言葉を詰まらせた。
「ええです。どんな事を聞かされたとしても、うちは・・・覚悟できてます。」
「実は・・・矢口さんは、おそらく・・頭部を打ったショックだと思うのですが、
 記憶を失っています。さらに言うと・・今の矢口さんには小学生並の精神と
 思考能力しかないんです・・。」
「ということは・・・今の矢口は・・。」
「18歳のアイドル矢口真理ではなく、1人の子供に戻った思っていただければ。」
「・・治るんですか、矢口は。」
「・・分かりません。ふとしたショックで思い出す事もあれば、もしかしたら、
 ずっとこのままということも。」
裕子は、涙を湛えた目で医師を見た。
医師は、正直どうしようもないという顔で見かえして来た。
「現代の医学では・・これ以上は・・。」

440 :返らない日・・・:2001/07/14(土) 02:01 ID:gvdWiIEE
病院の1階のカフェでメンバーは集まっていた。
「今の矢口は・・例えたら記憶を無くした小学生の子供やそうや。
 覚えとるのは、自分の名前と、自分に家族がおったということだけ
 や。うちらのことは・・・知らんのも同じや。」
裕子は、全員に事情を説明した。
「じゃあ、矢口は・・・辻や加護より子供になっちゃったってこと?」
「ある意味、そういう事や。」
「なんとか、ならないんだベか。」
「うちかて・・うちかて、なんとかしたりたいわ!」
裕子はいたたまれなくなって、大声を上げた。

441 :竹光侍。:2001/07/16(月) 21:58 ID:TWMfwfI6
〜無け無しの勇気〜

 初めての本気のキス。
 保田さんだから…保田さんだから奮い起こせた無け無しの勇気。
 なのに保田さんは、悪いことをしたみたいに呆然としてる。
 もう!
 人が良いのも、度がすぎると失礼です!

442 :竹光侍。:2001/07/16(月) 22:03 ID:TWMfwfI6
 でも…ま、いっか。
 保田さんからしてくれたキス。
 本当に嬉しかったから。
 優しいけど、自分の感情をストレートに表現することが苦手な
保田さん。
 このキスは、保田さんの精いっぱいの私への思いなんですよね?
 だから、私も素直に受け止めます。
「圭ちゃん……」
 こう呼ぶのは初めてですね。
 でも…良いでしょ?
 みんなの前じゃ「保田さん」って呼びつづけますから、2人だけの
ときは、お願いです。
 こう呼んでも良いですよね?

443 :竹光侍。:2001/07/16(月) 22:07 ID:TWMfwfI6
「圭ちゃん……」
 あなたはためらって……
「な〜に、石川?」
って。
 それじゃダメです。
 圭ちゃんも、私のことを「梨華」って呼んでください。
 そう言ったら、圭ちゃんは真っ赤になって困った顔をして……。
 でも絶対に譲りません。
「圭ちゃん」
「梨華」
って呼び合うのが、私の夢なんですから。
                    (続)

444 :名無し娘。:2001/07/16(月) 23:24 ID:z7CkDEdY
竹光侍。さん、待ってました。

445 :名無し娘。 :2001/07/18(水) 00:23 ID:Pnqqw8Yk
( `.∀´)<恥ずかしいわよ

446 :名無し娘。 :2001/07/18(水) 00:50 ID:XCaM4W/I
あんまり関係ないけど
昨日のダイバーはうまく吉澤に圭ちゃんって呼ばせてたな

447 :竹光侍。 :2001/07/18(水) 11:40 ID:dZs06Zr2
〜例えば〜

 石川のことを、わたしが「梨華」って呼ぶわけ?!
 ……寒い…寒すぎるわ。
 自分で想像するだけで、背中に虫が這ってる感じがする
じゃないの!
 だから、ダメ! 却下よ、却下!!

448 :竹光侍。 :2001/07/18(水) 11:41 ID:dZs06Zr2
 ……ちょっと…涙ぐむなんてズルイじゃないの。
 だって…「梨華」…なんて…ねぇ……。
 あんたも想像してみなさいよ。
 例えばよ…例えば…そう!
 どっかで待ち合わせなんかして、待ってるわたしのとこ
ろに、あんたが走ってくるわけよ。
 「圭ちゃ〜ん!」って。
 それで、それでよ?!
 わたしが、「梨華、遅い!」とかって言うわけよ。
 どう? 寒くない? 寒いでしょ?

449 :竹光侍。 :2001/07/18(水) 11:42 ID:dZs06Zr2
 ……ちょっと…何、赤い顔でウットリしちゃってるのよ。
「そんなデート、したいです」
 そうじゃないでしょ!
 まったくもう……どうやら、例えがよくなかったみたい
ね。
 そうねえ…じゃ、例えば…そう!
 休みの日に二人で部屋にいて、そろそろ昼ご飯。
「圭ちゃん、お昼どうする?」
「梨華は何が食べたいの?」
「圭ちゃんと同じもの。キャッ(ハート)」
とか言い合うわけよ。
 どう? これは寒いでしょ? 凍っちゃうわよね?

450 :竹光侍。 :2001/07/18(水) 11:43 ID:dZs06Zr2
 ……ちょっと…石川?
 お〜い。
 あら? 完全にあっちの世界に浸ってるわね。
 お〜い。早くこっちの世界に戻ってきなさいよ。
 石川ったら!
 ……石川〜!!
 …………何で反応しないのよ?!
 もしかして…本当に逝っちゃったんじゃ……。
 石川! 起きなさい! 起きてよ!!
 ……お願いだから……。
 梨華…帰ってきて……。
「はい。何ですか? 圭ちゃん(ハート)」

451 :。。。 :2001/07/18(水) 11:43 ID:vBSPMBNc
http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Vocal/5042/file.html

452 :竹光侍。 :2001/07/18(水) 11:46 ID:dZs06Zr2
 ……あんた……。
 わたしを騙したわね。
 でも…何で泣いてるのよ?
「…『梨華』…って呼ばれるの……夢だったんです……」
 そんなことで泣くんじゃないわよっ!
 ホントに…もう…泣かないで。
 これからも、「梨華」って…呼んであげるから。
                       (続)

453 :名無し娘。 :2001/07/18(水) 14:36 ID:41SR/UV.
竹光侍。マンセー!!ガムバレ!!
それはそうと(>>451)は押したらアカンで。

454 :竹光侍。:2001/07/19(木) 10:02 ID:Ytix2fPs
〜リフレインが呼んでいる〜

「梨華…帰ってきて……」
 あぁっ! 圭ちゃん(ハート)……感激です。
 「梨華」…「梨華」…「梨華」……。
 頭の中で、圭ちゃん(ハート)の呼ぶ「梨華」って声が
リフレイン……。
 感動で涙涙、涙です。

455 :竹光侍。:2001/07/19(木) 10:03 ID:Ytix2fPs
「う…嬉しいです…圭ちゃん(ハート)」
「これくらいで喜ぶなんて…安上がりな娘。ね」
 呆れたって顔の圭ちゃん(ハート)。
 でも呆れられたって、いいんです。
 だって…今は、私だけの圭ちゃん(ハート)なんですも
の。
 これからちょっとずつ進展して、最後には……。
 キャッ、恥ずかしい!

456 :竹光侍。:2001/07/19(木) 10:04 ID:Ytix2fPs
「……ちょっと、あんた…何をベッドの上で身もだえてん
のよ」
「何って…圭ちゃん(ハート)とのラブラブな日々を……」
 ペチッ!
 いった〜い…何でおでこを叩くんですか?!
「変なこと想像しないの!…それに、さっきから気になっ
てるんだけど『圭ちゃん(ハート)』って…この(ハート)
は何なのよ?」

457 :竹光侍。:2001/07/19(木) 10:05 ID:Ytix2fPs
 あら? 気づいてたんですか?
「だって…『圭ちゃん』って呼ぶたびに、幸せな気持ちに
なるんですもん…それで、どうしても(ハート)がついちゃ
うんです」
 圭ちゃん(ハート)は、ちょっとビックリした感じ。
 でも…ちょっとほっぺが赤くなってませんか?

458 :竹光侍。:2001/07/19(木) 10:05 ID:Ytix2fPs
「コホン…ま…まあ、それは…嬉しい…けど、まどろっこ
しくて困るわ!……だから、(ハート)はつけないで……
ね?…梨・華(ハート)」
 突然の衝撃!
 「梨・華(ハート)」…「梨・華(ハート)」…「梨・
華(ハート)」……「梨・華(ハート)」……。
 あぁっ! リフレインが…私を呼んでいる……。
 もう…しびれちゃいます……。
                         (続)

459 :名無し娘。:2001/07/20(金) 16:34 ID:ZAETTQv6
面白い!

460 :竹光侍。:2001/07/21(土) 10:03 ID:r0PPIzao
〜戦場からの帰還〜

 ただ「梨華」って呼んであげただけなのに、こんな
に喜ぶなんて……可愛いじゃない……。
 ハッ! いけない、いけない。
 保田圭は、こんなに甘甘なキャラじゃないわっ!
 危なく敵の術中にはまるところだったわ……。
 大体、もう私も帰らないと、明日の仕事に差し支え
るし。

461 :竹光侍。:2001/07/21(土) 10:03 ID:r0PPIzao
「いし…梨華……もう寝ちゃいなさい。私も明日、仕
事だから帰るよ」
「えぇ〜っ!……」
 うっ…何よ、そのすがるような目は。
 そんな攻撃は反則よ。
 駄目だったら…そんな目をしたって、私は帰るわよ。
「圭ちゃん……」
 ……もうちょっとだけなら…いても……。

462 :竹光侍。:2001/07/21(土) 10:04 ID:r0PPIzao
 そのときドアが開いて、救いの天使(?)が登場。
「石川さ〜ん、消灯の時間です。申し訳ないですけど、
付き添いの方もここまでで。石川さん、何かあったら
ナースコールしてくださいね」
 白衣の天使とはこのことねっ!
「それじゃ石川、明日には退院できるらしいから、そ
のときにまた来るから。じゃっ!」
 逃げるように部屋を出た。
「保田さ〜ん!」
 …まったく…危ないところだったわ。

463 :竹光侍。:2001/07/21(土) 10:05 ID:r0PPIzao
 キスもしちゃったし、「圭ちゃん」「梨華」って呼
び合うようになっちゃったし……。
 何だか、よく考えてみると…一方的にラブラブ攻撃
を受けっぱなしだったような気がするわ。
 これできょう、最後の一線を超さずに、無事に家に
帰れるなんて……奇跡よ、奇跡っ!
 ……何の自慢にもならないけど……。
                       (続)

464 :竹光侍。:2001/07/21(土) 10:07 ID:r0PPIzao
>>459
ありがとうございます

465 :名無し娘。:2001/07/21(土) 14:26 ID:aySgFADk
>>460
>敵の術中に
オオワラタ

保田は石川嫌いなのかい?(藁

466 :459:2001/07/22(日) 10:16 ID:L9YCq4Uk
ageちゃってましたね。スマソ

467 :竹光侍。:2001/07/23(月) 11:36 ID:cUZnY8vo
〜権謀術数?〜

 あ〜ぁ…保田さん、帰っちゃった。
 さみしいなぁ……。
 もう一息で……キャッ♪ これ以上は言えないよ〜。
 でもでも! きょう一日で大前進よね!!
「圭ちゃん……」
 キャッ♪
 ちょっと照れちゃうよ〜。

468 :竹光侍。:2001/07/23(月) 11:38 ID:cUZnY8vo
 よ〜し!
 今度はデートに誘っちゃう。
 ……って言っても、あの保田さんが簡単に来てくれ
るとは思えないし……。
 う〜ん……。
 退院は明日でぇ、保田さんは迎えに来てくれるって
言ってた。
 きっと家まで送ってくれるよね。
 でも、それはデートとは言えないよ。

469 :竹光侍。:2001/07/23(月) 11:38 ID:cUZnY8vo
 う〜ん……!そうだっ!!
 こうすれば保田さんも……。
 うんうん、上手くいきそう!
 よ〜し!
 明日は、「圭ちゃんとラブラブデート大作戦」を決
行することに大決定!!
 あぁ…早く明日にならないかなぁ〜。
                       (続)

470 :竹光侍。:2001/07/23(月) 11:40 ID:cUZnY8vo
>>465
石川嫌いではないんですよ
そこら辺が今後伝わればいいんですけどね

471 :名無し娘。:2001/07/25(水) 00:23 ID:scCZMVIU
、「圭ちゃんとラブラブデート大作戦」うまくいくかな?

472 :名無し娘。:2001/07/25(水) 03:06 ID:EjnZSHXE
イタメシ・・・

473 :竹光侍。:2001/07/26(木) 12:22 ID:av4kq6hQ
〜許してあげる〜

 音楽誌の取材を終わって、夜までちょっと時間を
もらって外へ出てきた。
 石川を迎えに行くんだけど……考えてみれば、何
でわたしなわけ?
 まぁ…昨日、石川に「迎えに行く」って言っちゃっ
たけどさ。
 ……これもサブ・リーダーとしてのお仕事の一環
よ!
 そうよね……別に石川を特別扱いしてるわけじゃ
ないわ。

474 :竹光侍。:2001/07/26(木) 12:22 ID:av4kq6hQ
 自分を納得させながら、病院へ向かう。
 何か……ム〜カ〜ツ〜ク〜。
「あ、圭ちゃ〜ん(ハート)」
 む…もう二人きりモード全開じゃないの……。
 でも、大声で「圭ちゃ〜ん(ハート)」はやめて
ほしいわ。
 それでも、松葉杖なんかついちゃってる石川を見
たら許しちゃうわけで……。

475 :竹光侍。:2001/07/26(木) 12:23 ID:av4kq6hQ
「…まだ、足痛いの?」
「はい」
 それなのに、何でそんなにニコニコなわけ?
 痛々しいよ……。
「あの……お願いがあるんですけど」
 きょうは…多少のことは許しちゃうよ。
「ホントですか〜?! あのですねえ……」

476 :竹光侍。:2001/07/26(木) 12:24 ID:av4kq6hQ
 と言うわけで、わたしたちは原宿に来てる。
 ……って一体、どういうわけ?!
「この足じゃ、しばらくはお買い物なんて無理じゃ
ないですか。だから……」
 だから何なのよ?
「圭ちゃんと一緒のきょうが最後のチャンスなんで
す! いいですよね〜?」

477 :竹光侍。:2001/07/26(木) 12:25 ID:av4kq6hQ
 ……だからけが人のくせに、何でそんなに嬉しそ
うなのよ。
 まあ…許してあげるわ。
 別にあんたの笑顔が可愛いからじゃないわよ!
 え〜と…そう、けが人だから…ね…。
                    (続)

478 :名無し娘。:2001/07/28(土) 01:38 ID:YdVLA.Tg
保全します

479 :竹光侍。:2001/07/28(土) 21:10 ID:JSCFwyMY
〜愛しの松葉杖〜

 あぁ……圭ちゃんと二人っきりの原宿……す・て・き……。
 ………って、一人で浸ってるじゃあいじゃないよね。
 いよいよ、「圭ちゃんとラブラブデート大作戦」を決行する
ときよ!
 …き、緊張するけど……愛のために頑張ります!!

480 :竹光侍。:2001/07/28(土) 21:10 ID:JSCFwyMY
「あの…圭ちゃん……」
 松葉杖をコツンコツンとつきながら、隣の圭ちゃんの顔をの
ぞき込もうと……。
 あれっ?! 松葉杖の先が空を切って。
「おっと!」
 あぁ…圭ちゃんの唇が目の前に……。
 倒れそうになった私を抱きかかえる圭ちゃん。
 計画以上に大接近……す・て・き……。

481 :竹光侍。:2001/07/28(土) 21:11 ID:JSCFwyMY
「大丈夫?」
 はっ! うっとりしてる場合じゃないよね。
「ご、ごめんなさい…松葉杖、慣れなくて……」
「松葉杖って歩きにくそうだよね」
 ここよ!
 ここで言うのよ!
「…あ、あの…それで……わがまま言ってもいいですか?」
「何?」
 不思議そうな顔の圭ちゃんも、やっぱりスキ。

482 :竹光侍。:2001/07/28(土) 21:11 ID:JSCFwyMY
 …じゃなくて。
「圭ちゃんの肩を貸してくれませんか?…松葉杖なしで歩きた
いんです」
「肩? わたしの?……松葉杖の方が、まだ歩きやすいんじゃ
ないの?」
「そんなことないですっ! 圭ちゃんの肩がいいんですっ!」
 ふ〜んって私の顔を見て、
「…いいよ。わたしが梨華の松葉杖になってあげるよ」
 圭ちゃんが私の松葉杖!!!
 あぁ…愛しの松葉杖……。

483 :竹光侍。:2001/07/28(土) 21:12 ID:JSCFwyMY
「だから…梨華……人ごみの中で泣くんじゃないの!」
「グス…はい……」
 圭ちゃんは、怒ったように松葉杖を取り上げて……
「肩、つかまりなよ」
だって。
「はい…」
 私は必要以上にしっかりつかまって、二人でひょこひょこと
歩いていった。
                          (続)

484 :名無し娘。:2001/07/29(日) 11:08 ID:PIT/z/ms
竹光侍。さんマンセー!!
64歳でも愛してる (謎

485 :名無し娘。:2001/07/29(日) 22:57 ID:yzcpDP7U
64歳とは大きく出たな
じゃあ俺は84歳でも(略

486 :名無し娘。:2001/07/31(火) 05:07 ID:AW8uI84g
保全

487 :竹光侍。:2001/07/31(火) 16:27 ID:d4JhwsUI
〜世話の焼ける子〜

 まったく……この子って、わかりやすいと言うか…単純と
言うか……。
「松葉杖なしで歩きたいんです」
なんて言っちゃって。
 ただ私とくっついて歩きたいだけなんでしょ?
 それならそうと言ってくれれば……やっぱり「駄目!」っ
て言っちゃうわね。
 ……ま、ちょっと可愛いウソだから許してあげるよ。

488 :竹光侍。:2001/07/31(火) 16:28 ID:d4JhwsUI
 おっと!
 ホラ〜。ちゃんと掴まってないと、こけちゃうでしょ。
 ホント、世話の焼ける子なんだから……。
 だから、恥ずかしがってないで、ギュッと掴みなさいって
……もう。中途半端なんだから。
 しょうがないわね。
 私がちゃんと手を回してあげるから。

489 :竹光侍。:2001/07/31(火) 16:29 ID:d4JhwsUI
 よいしょっと。
「あんっ…」
 コラッ!
 ちょっと腰に手を回したぐらいで、色っぽい声出すんじゃ
ないのっ!
 恥ずかしいじゃないの……。
「圭ちゃん、何で赤くなってるんですか?」
 あ〜っ! もう、うっさい!!

490 :竹光侍。:2001/07/31(火) 16:31 ID:d4JhwsUI
 まったくもう……あっ! ほら危な……。
 ムギュッ。
 きゃっ! ちょ…ちょっと、どさくさに紛れてどこ触って
んのよ!
「わざとじゃないです〜」
 そんなこといいから、早く胸から手をどかしなさいよ。
 油断も隙もない子ね。
 無駄にドキドキしちゃうじゃない……。
                        (続)

491 :竹光侍。:2001/08/02(木) 11:01 ID:JJFoaVi2
〜触っちゃった〜

 さ、触っちゃった……圭ちゃんの胸。
 すごく柔らかかった……。
「ちょっと! いい加減に手を退かしなさいよ!」
 ハッ!
 ご、ごめんなさ〜い!!
 わざとじゃないです。本当にわざとじゃないんです〜!
「当たり前よ! わざとだったら承知しないんだから」

492 :竹光侍。:2001/08/02(木) 11:03 ID:JJFoaVi2
 すごい勢いで怒ってる圭ちゃんだけど、お顔が真っ赤で…
…可愛い……。
「何、ボ〜ッとしてんのよ。またこけちゃうでしょ? ほらっ、
ちゃんと前を見て歩きなさいよ」
 言いながら、圭ちゃんの目が泳いでます。
 圭ちゃん、照れてるんですか?

493 :竹光侍。:2001/08/02(木) 11:03 ID:JJFoaVi2
 少し歩くスピードが、ゆっくりになったみたい。
「これくらいのスピードだったら大丈夫?」
 包帯をしてる私の左足を見ながら、気をつかってくれてる。
 ありがとうございます。圭ちゃん……。
 もう、感謝と愛を視線に込めて、圭ちゃんの瞳を見つめちゃ
います。
「本当に世話の焼ける子なんだから……」
って、口の中でボソボソつぶやいて、ますます目が泳いじゃっ
て……。

494 :竹光侍。:2001/08/02(木) 11:04 ID:JJFoaVi2
 そんなところが圭ちゃんらしい可愛さで……いつも冷静なよ
うに見えて、すごく照れ屋さん。
 もっと私のことを見つめてほしいけど…でもいいんです。
 その分、私が圭ちゃんのことを見つめてますから。
 ちょっとしたところに、いっぱいある圭ちゃんの温かい心。
 それに触っちゃったから、気づいちゃったから…私は圭ちゃ
んから目が離せないんです。
                          (続)

495 :名無し娘。:2001/08/02(木) 12:59 ID:uTo23A4Q
甘々萌え〜

496 :名無し娘。:2001/08/03(金) 01:47 ID:OFkZjud2
HoZeN!

497 :名無し娘。:2001/08/04(土) 16:50 ID:qee9.Mc6
ほぜむ

498 :名無し娘。:2001/08/05(日) 11:01 ID:S2pOrDs2
hozen

499 :名無し娘。:2001/08/06(月) 21:29 ID:vYced.Qc
ふぉずぇむぅ

500 :竹光侍。:2001/08/07(火) 16:49 ID:FEvb2OXc
〜あなた好みの私にして〜

 それはそうと、何を買いに来たわけ?
「あ、この足なんで、スカートじゃ不便だし、パンツの方が
いいかなあって」
 なるほどね。
「圭ちゃんはたくさん持っておられるじゃないですか。それ
で、選んでもらおうかなあって」
 ふんふん…って、私があんたのを選ぶわけ?!

501 :竹光侍。:2001/08/07(火) 16:50 ID:FEvb2OXc
「はい」
 いや…「はい」じゃなくて……。
「サイズさえ合えば、どんなのでもいいです」
 そう言われてもねえ……。
 基本的なコンセプトぐらい言いなさいよ。
「じゃあ……『圭ちゃん好みの梨華』ってことで……」
 余計に選びにくいじゃない!

502 :竹光侍。:2001/08/07(火) 16:51 ID:FEvb2OXc
 ……だから悲しそうな目で見ないでよ……。
 選べばいいんでしょ。選べば……。
 とにかく、もうちょっとしっかりしてほしいわ。
 取りあえず、シャープな感じのを選んでみるかな……。
 これと…これ。
 いや、こっちと組み合わせた方が……。

503 :竹光侍。:2001/08/07(火) 16:51 ID:FEvb2OXc
 梨華、そこにつかまって立っててよ。合わせて見るから。
 …ふ〜ん。こっちの方がいいわね。
 何だか着せ替え人形みたいで、ちょっと楽しいわ。
 ……ちょっと何をクスクス笑ってんのよ?
「だって、圭ちゃんの手がちょうど腰の辺りを行ったり来た
りするから、何だかいやらしいなあって……」

504 :竹光侍。:2001/08/07(火) 16:52 ID:FEvb2OXc
 バシッ!
「いった〜い! 何で叩くんですかあ?」
 人前で変なこと言うからでしょうが!
 まったくもう……人が一生懸命に選んでるのに……。
 ム〜カ〜ツ〜ク〜!
                          (続)

505 :名無し娘。:2001/08/08(水) 23:49 ID:llp5A9Y.
hozen

506 :名無し娘。:2001/08/09(木) 18:13 ID:0uoCZy2U
hozen http://www.keibo-freeservers.com/users/keibo/novel1.html

507 :名無し娘。:2001/08/10(金) 05:34 ID:MQojOTi.
hozen

508 :名無し娘。:2001/08/11(土) 07:08 ID:TTggTUxQ
hozen

509 :名無し娘。:2001/08/12(日) 05:56 ID:Utym3RuE
保全

510 :名無し娘。:2001/08/13(月) 07:28 ID:AafTeZfQ
hozen

511 :竹光侍。:2001/08/13(月) 17:22 ID:BOI5ogkU
〜幸せすぎて…眩暈〜

 結局、細身のパンツはライトアンバー。
 上はチュニックブラウスでダークワイン。
 やっぱり私が選ぶものとは違うけど、それがいいん
ですよね〜。
 落ち着いた色合いで、ちょっと大人に見えますか?

512 :(0^〜^0)@狼:2001/08/13(月) 17:23 ID:Ab4EY1Sw


513 :竹光侍。:2001/08/13(月) 17:34 ID:BOI5ogkU
「どう?」
 ちょっと心配そうに聞いてくる圭ちゃんが、ほんっ
とうにかぁわいぃ〜!
「すっごくかわいいです。動きやすいし、気に入りま
した〜!」
「そう?…気に入ってくれたら嬉しいよ…うん、梨華
…よく似合ってるよ」

514 :竹光侍。:2001/08/13(月) 17:35 ID:BOI5ogkU
 よく似合ってるよ…よく似合ってるよ……よく似合っ
てるよ…………。
 あぁっ…圭ちゃんの甘いささやきが…心地いい。
「…梨華…あんた大丈夫? ボ〜ッとして、何かちょっ
と…危ない感じだよ?」
 せっかく幸せに浸ってるのに……そんな言い方しな
いでくださいよ〜。

515 :竹光侍。:2001/08/13(月) 17:36 ID:BOI5ogkU
 でも、これで私は「圭ちゃん好みのあの子」ですよ
ね?
「……あんた…そういう言い方…恥ずかしくないの?」
 恥ずかしくなんてありませんよ!
 圭ちゃんだって、「似合ってる」って言ってくれた
じゃないですか〜。
「そりゃ…言ったけどさ……」
 それで十分です!

516 :竹光侍。:2001/08/13(月) 17:36 ID:BOI5ogkU
「ま、喜んでくれるのは嬉しいけどさ…梨華は、やっ
ぱり…その…か…可愛いし…ね……」
 可愛い…可愛い……可愛い……。
 け…圭ちゃん……。
「ちょっと! だからウットリするのやめてよ……梨
華ぁ〜……」
 圭ちゃん……私…幸せすぎて…眩暈がします。
                       (続)

517 :名無し娘。:2001/08/13(月) 21:49 ID:EVIg/MtQ
( `.∀´)(^▽^ ) 押され気味のやっす〜が微笑ましいのお

518 :竹光侍。:2001/08/14(火) 03:12 ID:TXXnPeAg
〜だからヤバイって!〜

 そりゃあ、わたしが選んだ服がすごく似合ってて嬉しいよ。
「これ、着て帰ります!」
とか、はしゃいでる梨華も可愛いしさ……。
 でも…って言うか、だから、余計にヤバイ……。

519 :竹光侍。:2001/08/14(火) 03:13 ID:TXXnPeAg
「梨華は、やっぱり…その…か…可愛いし…ね……」
 何言ってるのよ、わたし!
 こんなのわたしのキャラじゃないわ!!
 マジでヤバイ…このままじゃ、わたし…梨華に……。

520 :竹光侍。:2001/08/14(火) 03:13 ID:TXXnPeAg
 買い物も終わって、梨華の家に向かう。
 送り届けたら、速攻で帰るわよ……って思ってたのに。
「圭ちゃん、上がっていってくださいよぉ」
 だから、すがるような顔でお願いするのは反則だって言ってる
でしょ!
 ……ちょっとだけだよ?

521 :竹光侍。:2001/08/14(火) 03:16 ID:TXXnPeAg
 やっぱり帰っとけばよかった……。
 ピンク一色の妙な雰囲気の部屋に通されて、最初に浮かんだ考
えがそれだった。
「圭ちゃん……」
 な、何よ……。
 べったりくっつんじゃないわよ!

522 :竹光侍。:2001/08/14(火) 03:20 ID:TXXnPeAg
 梨華の目が潤んでる……キレイ……。
 ハッ! ダメダメ!
 そんな目したって……ダメだって!!
 コ、コラ〜ッ! 胸を腕に押し付けるのはやめてって…言って
る…でしょ。
 だ、だから…ヤバイ…ヤバイって!
 本気…本気に…しちゃう…わよ?……いいの?
                            (続)

523 :名無し娘。:2001/08/14(火) 05:02 ID:8Nq5x0a6
一面ピンクの部屋ってそう考えると
エロエロ・・・

524 :竹光侍。:2001/08/15(水) 14:44 ID:WHh0eXCo
〜本気の…本気です〜

 わざと胸を押し付けたりして、圭ちゃんはしばらくはジタバタ
と抵抗してたんだけど……。
 今は、しがみつく私をそのままにして、何か考え込んでる。
「…ふ〜〜っ……」
って長いため息。
 どうしちゃったんですか?

525 :竹光侍。:2001/08/15(水) 14:44 ID:WHh0eXCo
「梨華……」
 すごく真面目な顔で、真っ直ぐに私を見つめてた。
「…はい…」
「わたし…本当に……本気にしていいの?」
 急に呼吸が苦しくなって……。
「……はい……」
 喘ぐようにやっと頷いた。
「本気の…本気です」

526 :竹光侍。:2001/08/15(水) 14:45 ID:WHh0eXCo
 ふって照れくさそうに笑って……ゆっくり顔が近づいてきて……
キスをしてくれた。
 嬉しかった。でも、それ以上に踏み込みたくて、私は後ろに倒れ
こもうとした。
 それを抱きとめた圭ちゃん。
「…きょうは……やめとこうよ」

527 :竹光侍。:2001/08/15(水) 14:46 ID:WHh0eXCo
 やっぱりダメなんだ……泣きそうになった。
 そんな私の顔を優しい目で見て、圭ちゃんは首を横に振った。
「足、痛いんでしょ? だから…きょうは安静。治ったら……ね?」
 治ったら?
 治ったら…つまり…その……。
「治ったら…今度は私の部屋に招待してあげる」
「…はい……」
 夢見るように、私は圭ちゃんを見つめて返事をした。
                             (続)

528 :竹光侍。:2001/08/15(水) 14:47 ID:WHh0eXCo
>>523
かなりエロエロです(w

529 :名無し娘。:2001/08/16(木) 04:08 ID:LUM0pbK2
早く続きみたーい!
期待してます!
他のメンバーは絡んだりしないのですか?

530 :名無し娘。:2001/08/17(金) 07:40 ID:4YHXfyBw
HOZEN

531 :名無し娘。:2001/08/17(金) 14:27 ID:5kEIx8eU
hozen

532 :竹光侍。:2001/08/17(金) 16:22 ID:OAVVvCxU
〜ずっと前から〜

「私…圭ちゃんの『特別』になりたかったんです……」
 抱いたまま、ベッドに運んで寝かせてあげたら、わたし
を見上げて梨華がそう言った。
 その表情が、すっごく可愛かったから、今度は額にキス
をした。

533 :竹光侍。:2001/08/17(金) 16:23 ID:OAVVvCxU
 ずっと前から…ずっとずっと前から、梨華は私の「特別」
だったんだよ。
「…本当…ですか?」
 嬉しそうに、不安そうに、そう尋ねてきた。
 私のことをじっと見つめてて、ウルウルッて……何だか、
キスをせがまれてるのかと錯覚しそうだよ。

534 :竹光侍。:2001/08/17(金) 16:24 ID:OAVVvCxU
 わたしの視線の先には必ず梨華がいて、心がかき乱され
るほど、いつもわたしは梨華を探してた。
 梨華…覚えてる?
 辻を泣かせちゃったときのこと。
 梨華が意地を張って、それで……わたしが梨華に手を上
げたんだよね。
 あんなに嫌な感触がしたのは、初めてで、あれっきり。

535 :竹光侍。:2001/08/17(金) 16:25 ID:OAVVvCxU
 ホント、何でもないことだったのに、何であんなに腹が
立ったのか、ずっと分からなかったんだ。
 でも、今なら分かるよ。
 それが梨華だったから。
 ほかの誰かだったら、「コラッ! 辻に謝りなさい」っ
て、それだけで済んでた。
 でも、梨華だったから……わたしの「特別」が、あんな
ことしたのが許せなかったんだ。

536 :竹光侍。:2001/08/17(金) 16:26 ID:OAVVvCxU
 だから…ね? ずっと前から……ずっとずっと前から、
梨華は私の「特別」だったんだよ。
 だから…だから泣かないで、梨華。
「ご…ごめんな…さい……私…嬉しくて……」
 泣き虫はキライって言ったでしょ?
 そんな子には…まぶたに「涙が止まるおまじない」。
 初めてキスしたときと同じだね。
 だから……梨華の涙が止まるまで、互いの唇の温もりを
感じてた。
                         (続)

537 :竹光侍。:2001/08/17(金) 16:28 ID:OAVVvCxU
>>529
他メンとの絡みは考えてません。
収拾がつかなくなるかもしれないので…(w

hozenもありがとうございます。

538 :名無し娘。:2001/08/18(土) 06:30 ID:urJpPlLw


539 :名無し娘。:2001/08/18(土) 14:44 ID:1uFO4GhU
hozennu

540 :アンチ石川(元石川ヲタ):2001/08/18(土) 23:46 ID:ot7eWgFI
保全。

541 :名無し娘。:2001/08/19(日) 07:51 ID:35MU79iQ


542 :名無し娘。:2001/08/19(日) 19:53 ID:nPQnVhxc


543 :名無し娘。:2001/08/19(日) 23:56 ID:41Bts6L.
700オーバー ( `.∀´)全

544 :名無し娘。:2001/08/20(月) 04:16 ID:qAvwd5hM
期待しています。

545 :名無し娘。:2001/08/21(火) 05:21 ID:WLUQqIMA
保全。

546 :名無し娘。:2001/08/22(水) 03:49 ID:YPZT0/ng
焦らずマイペースで更新してください。

547 :竹光侍。:2001/08/22(水) 12:58 ID:T3yrYvH2
〜強くならなきゃ!〜

 次の日から私は職場復帰。
 松葉杖をついて玄関を出ようとしたら、ちょうど
圭ちゃんが迎えに来てくれた。
「おはよ! 足、大丈夫?」
 はい! すぐに治りますよ。
 そしたら、圭ちゃんの部屋に……キャッ♪

548 :竹光侍。:2001/08/22(水) 12:59 ID:T3yrYvH2
「そっ…安心したよ」
 いつも通りの圭ちゃんの笑顔。
 それが嬉しくて、私の顔もほころぶ。
「……やっぱ、似合ってるよ」
 私の全身を見渡して、そう言ってくれる。
 いいでしょ? 圭ちゃん色の私。

549 :竹光侍。:2001/08/22(水) 13:01 ID:T3yrYvH2
「肩…貸そうか?」
 すごい魅力的な申し出だった。
 きっと昨日までの私だったら、喜んで飛びついた
と思う。
 でも今日からは違うの。
 だって……私は圭ちゃんの「特別」じゃなきゃい
けないから。
 強くならなきゃ!
                      (続)

550 :名無し娘。:2001/08/22(水) 13:12 ID:gXvRcJiw
 

551 :名無し娘。:2001/08/23(木) 01:19 ID:n.gXcF12
うむ――ちょっと違う展開へ?

552 :名無し娘。:2001/08/23(木) 16:00 ID:Sy4ANaJg
>>551
明日は…どっちだ〜♪(w

553 :名無し娘。:2001/08/24(金) 00:40 ID:vVlUFf5A
まさかやすいし、プライベートで温泉に行くほど仲がよいとは……。

554 :名無し:2001/08/24(金) 14:31 ID:pjqEGFl.
「―――――じゃ、わたし行ってくるから、後のコトは任せたよ!俊ちゃ〜ん。」
「だ〜か〜ら〜、ちゃん付けすんなって言ってるだろ梨華!」
「こ〜ら!『お姉ちゃん』って呼びなさいって、何度言ったらわかるのぉ?」
「・・・ハイハイ、わかりましたよ、姉貴・・・」
「あっ、いけな〜い!もうこんな時間!今日は遅くなりそうだから、夕飯は自分で用意するのよ!」
「わかったよ・・・」
「じゃあ、行ってきま〜す!」

そう言って梨華・・・いや、姉貴は某マンションを後にした。
今や、国民的アイドルと言っても過言ではないモーニング娘。
テレビからラジオのレギュラーなど、幅広く活躍している。
その中でも最近人気急上昇中の石川梨華は何を隠そう、俺の姉である。
そして1歳しか違わない俺を『ちゃん』付けで呼ぶ・・・
しかし、公式プロフィールでは、『3人姉妹』となっている。
それもそのはず、俺は親父(同梨華)と浮気相手の間に生まれた子だからである。
つまり、梨華とは異母姉弟という事になる。
これが表沙汰になると、梨華の芸能活動が危うくなるとの事で、事務所が口止めをしたのだ。

555 :名無し:2001/08/24(金) 14:32 ID:pjqEGFl.
元々、親父と梨華のお袋さんは何らかの事情で別居していてらしい。
この事を聞かされたのは、1年前の春・・・ちょうど梨華が娘。に入った頃だった。
既に梨華のお袋さんや、お姉さん方はこの事を知っていた。
要するに知らなかったのは俺と梨華の2人だけだった。
流石にこれには、俺も梨華も驚きを隠せず、家族総勢での大口論となった。
何せ俺には、あのモー娘。の石川梨華という姉ができてしまったからである。
何故に今まで黙ってたのか?と親父に問い質すと・・・
『梨華は1人暮しを始めるから、お前がいると心強いだろ?』と訳の解らない事を言ってきた。
しかし、最初はギクシャクしていた関係も、いつのまにか薄れてきて、今に辿り着いた訳だ。

556 :名無し:2001/08/24(金) 14:34 ID:pjqEGFl.
俺は高校を中退した梨華と違って、現役の学生さんだ。
梨華が仕事に行くのを見届けてから学校へと通っている。
一応、姓は『石川』だが、クラスメイトの1人としてこの関係を知らない・・・
知っていると言えば、事務所の数名と娘。のメンバーぐらいである。
そうは言っても、面識があるのは『ひとみ』と『辻・加護』ぐらいだが。
梨華はひとみを娘。内で1番慕ってるだけあって、良く家に連れてくる。
3人で夕食を食べる事も多く、ひとみとは結構気が合うのだった。

557 :名無し:2001/08/24(金) 14:36 ID:pjqEGFl.
「さてと、俺もそろそろ学校行かなきゃ・・・」

俺はいつものように制服に着替え学校へと向かった。
そして何の変哲もない、退屈な高校生活を送る日々だった。

学校が終わると、俺は近くのコンビニで夕飯の足しになりそうな物を買って家に帰ろうとした。
しかし運悪く、コンビニを出ようとしたところをアイツに見つかってしまった。
「よう!俊也、買物かい?1人暮しも大変だな。」
「・・・ハハハ、ほっとけ。じゃあ、俺急ぐから・・・」
苦笑いをしながら、俺は難を逃れようとしたが・・・
「待てよ、今日は憧れの『矢口様』について語ってやるから、ちゃんと最後まで聞けよ。」
・・・そう、コイツは我が校一のモーヲタなのだ。好きな娘。は『矢口』だとか・・・
そしてありとあらえる娘。の知識をこうやって一般の生徒に叩きこむ、ある意味、拷問マシーンなのだ。
コイツに捕まったら最後・・・、逃げる事も出来ず、軽く3時間は付き合わされる。
俺は、はぁ〜っと大きくため息をついて渋々と奴の話を聞いた。

558 :名無し:2001/08/24(金) 14:48 ID:pjqEGFl.
挨拶遅れましたけど、↑の作者の名無しです。
おもいきって書いてみました。

559 :名無し娘。:2001/08/24(金) 23:19 ID:zNLgGmP6
>>558
↓の方が向いているかもしれません。
一緒に暮らすならどの娘?part6(何でも有り)
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=mor2&key=998544243

560 :名無し:2001/08/25(土) 06:48 ID:.jduOtNM
すいません。じゃあそっちに行きます〜。
失礼しました〜。

561 :名無し娘。:2001/08/26(日) 02:23 ID:xfextyGE
ほぜMOON

562 :名無し娘。:01/08/27 03:31 ID:O2JIkIRw


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